アイドル戦国時代、ご当地アイドルの
雄、再び!Re:Jewelとリスタート!
アイドル戦国時代、ご当地アイドルの雄、再び!Re:Jewelとリスタート!
全国津々浦々、日夜様々なアイドルグループが活動し「群雄割拠のアイドル戦国時代」「空前のアイドルブーム」と呼ばれるようになって久しい。
以降、AKB48の手法を手本にし、ライブハウスを活動拠点とした会いに行けるアイドル=ライブアイドルが星の数ほど生まれたのは周知の事実。
【ライブレポート】華やかに歌い踊るアイドルたち
冬の時代を牽引したご当地アイドル
そんなAKB48誕生以前の「アイドル冬の時代」において、密かにアイドルシーンを牽引していたのがNegiccoを始めとするご当地アイドルだったことはご存知だろうか?
【写真を見る】ねぎを上から見た?ジャケ写が話題のNegicco
他にも山形県酒田市のSHIP、広島のPerfume、同じく広島のサンフラワー、千葉のC-ZONE、青森のりんご娘など全国各地から誕生したアイドルグループが当時のシーンを牽引していた。
憶測に過ぎないが、後に誕生した48グループが打ち出した地域性も、この時期にご当地アイドルの隆盛があってこそと推察することもできるだろう。
時を同じくして、ご当地アイドルシーンに彗星の如く現れたグループがいた。東京・八王子を拠点とするPLIME(プライム)だ。
「PLIMEはとにかく歌唱力とパフォーマンスと楽曲のクオリティが段違いでしたね。初出演の1曲目からいきなりア・カペラでハモるんですよ。凄い子たちが出て来たと皆一様に驚きました。」(アイドルイベント関係者)
当時のアイドルファンもまた「PLIMEはライブの度に必ず何かやるんですよ。客席にサッカーボールを蹴り入れてきたり天井から号外が降ってきたり、毎回何が起こるか楽しみにしていました。バンド演奏までするというのもAKBよりも前にやっていたわけですしね。作詞作曲や振付にもメンバーが関わっていて、そのクオリティも高かったですね。」と語るように、ともすればキャバクラ化している昨今のアイドル商法とは真逆の、演者としてのパフォーマンスや演出で対価に見合ったものを提供していたグループであったことを窺い知ることもできる。
そんなPLIMEを手掛けていたのは作曲家・音楽プロデューサーの浅野ケン氏。音楽ユニットのギタリストとして活躍していた同氏が作曲家に転向して間もなく、初めて総合的なプロデュースをしたアーティストがPLIMEである。
その後の浅野氏は、同じくご当地アイドルとして活躍していたC-ZONE(千葉)のプロデューサーに収まり、後にC-ZONEからアニソンシンガーの池田彩(プリキュアシリーズ主題歌等)が輩出されたことを機に、同氏自身も徐々に活躍の場を変えて行くことになったのだが、そんな浅野氏が10年以上の歳月を経て新たにご当地アイドルを手掛けるとの情報が届いた。
Re:Jewelは“おおくらあゆな”(19)と“たけうちりおな”(17)の二人から成るアイドルユニット。二人とも十代にして7年のアイドル活動歴を持つベテラン。前身となるグループが前所属事務所の都合により今春解散。そこから自らの足で力強く歩み始めたばかり。その足掛かりとしてライブ配信サービスSHOWROOMで開催されていた楽曲提供イベントへ参加を決めた。
「りお(たけうちりおな)と二人で叶えられなかった目標に向かって頑張りたいって思っとって、でもステージに立つためには楽曲が必要で、そんな時に母がSHOWROOMに1位になったら楽曲提供してもらえるイベントがあるって教えてくれて、やる!って即答でした。」(Re:Jewel・おおくらあゆな)、「これまで活動していたグループが3月に終了してしまったけど、これからももっと頑張りたい、これからもライブがしたいって気持ちだった時に、あゆさん(おおくらあゆな)からこのイベントの話を聞いて、え!?出たい!って思って参加を決めました。」(Re:Jewel・たけうちりおな)とメンバーそれぞれが語るように、自らが置かれた状況を打破するために、夢物語としての1位の座ではなく、明確な目的意識に基づいた獲るべき1位として臨んでいたようだ。
SHOWROOMにおけるイベントは、原則的にギフトと呼ばれる視聴者から投じられる仮想のアイテムによって得られるポイントで決まるため、主催者は選出に関与しないものが多い。同イベントにも同様のシステムが採用されており、アイドル以外からも幅広く参加者を募っていたことからも、Re:Jewelと浅野氏の出会いは偶然に他ならない。しかしこの偶然を運命と捉えたらどうだろうか?かつてのご当地アイドルの雄が、時を経て再びご当地アイドルを手がけるというところにドラマを感じずにはいられない。
Re:Jewelの1stシングルには表題曲「Re:START」とカップリング曲「Rolling! Going! Blow away!」という浅野ケン氏作曲による2曲が収録される。
「一度、浅野さんと2曲について作戦会議をさせて頂いたんですけど、その時に自分たちのわがままを全て話して、そのわがままを全て叶えてくださって、その中に私たちらしさが散りばめられつつ、でも新しい私たちがいる!みたいな感じでした。」(Re:Jewel・おおくらあゆな)
「今はケンさん(浅野ケン氏)が陣頭指揮を取ってやっていた頃に比べて何十倍も何百倍ものアイドルがひしめき合っているので、正直なところ楽な戦いではないと思います。ただ、見方を変えれば分母が増えただけで質が高いアイドルが増えたわけではない。彼らしいプロデュースワークで再びこの界隈で存在感を示してくれることに期待したいと思います。」(前出アイドルイベント関係者)、
図らずもRe:Jewelという兵(つわもの)を得たかつての雄のお手並み拝見と行きたい。
TEXT:海野幸夫
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