【Halo at 四畳半 インタビュー】
“これまで”と
“これから”を示せる一枚
L→R 齋木孝平(Gu&Cho)、渡井翔汰(Vo&Gu)、白井將人(Ba)、片山僚(Dr&Cho)
ライヴハウスシーンで注目を集めてきたHalo at 四畳半がいよいよメジャーデビュー! アルバム『swanflight』はギターロックに止まらない多彩な12曲が音楽性の幅広さと同時に、バンドが成し遂げてきた成長を物語る意欲作となった。
メジャーというフィールドで、これからどんなことに挑戦していきたいと考えていますか?
渡井
ずっとライヴハウスでやってきて、これからも活動の拠点がライヴハウスであることに変わりはないんですけど、それにプラスしてインディーズ時代には届かなかった、普段はライヴハウスに足を運ばない人たちにも僕らの音楽を届けたいという気持ちが芽生えてきています。
メジャーからのリリース一作目がいきなり全12曲収録のフルアルバムになったところからも意欲が伝わります。
白井
5曲目の「水槽」は前身バンド時代からあるとても大事な曲で、Halo at 四畳半になってから1曲入りのデモCDとして1,000枚を無料配布したことがあるんですけど、流通盤には入っていないんです。だから、“メジャーから出せることがあったら、最初のフルアルバムには入れたいよね”って話をずっと前からしていたんですよね。それもあってフルアルバムは早く出したいという気持ちがあったし、僕らの音楽の幅広さってフルアルバムの曲数があって初めて表現できるんじゃないかなって思っているんです。とはいえ、僕らの気持ちだけでは決められないことですから、フルアルバムでいこうと判断してくれたレーベルの気持ちが嬉しかったです。
渡井
なぜ「水槽」を再録したかと言うと、この曲を聴いてもらえれば“Halo at 四畳半ってこういう音楽”“こういうことが歌いたいバンド”って分かってもらえる、まさに名刺代わりと言える一曲だからなんです。
そういう曲が前身バンド時代からあったわけですね。
渡井
ええ。だから、根っこは変わらずにやってきているという気持ちはありますね。
アルバムを作るにあたってはどんな作品にしたいと?
渡井
この機会に新たにHalo at 四畳半に出会ってくれる人も多いだろうし、これまで応援してくれてた人も聴いてくれると思ったので、どんなバンドかが一発で分かるようなものにしたいという想いを全員が持って制作に挑みました。再録を含め、らしい曲もあれば、同期を使って4人以外の音を入れた曲もあったり、そういう新しい挑戦もしているという意味では、これまでのHalo at 四畳半、そしてこれからのHalo at 四畳半を示せる一枚になっています。
齋木
今後、活動を続ける中で迷ったとしても、このアルバムに立ち戻れば自分たちが何をやるべきなのかちゃんと分かるんじゃないかな。そういうアルバムになったと思います。
1曲目の「ヒューズ」と2曲目の「悲しみもいつかは」の2曲は、新しいバンド像や音像をアピールしていると思うのですが、そういうテーマもあったのでしょうか?
渡井
「ヒューズ」は新しい試みを詰め込みました。あえて起伏を作らない展開とか、同期を主体にしたアレンジとか、テンションの高さに頼らないリラックスした歌とか。1年前の自分たちでは作れなかったと思います。
片山
Aメロ、Bメロ、サビのリズムパターンがほぼ同じという試みは、新たな挑戦でしたね。
白井
ベースも同じことを繰り返しているんです。
その発想はハウスミュージックに近いですね。
渡井
僕なりに今流行っているようなお洒落な曲を作ろうと思ったんですけど、Halo at 四畳半として噛み砕いた結果、すごく悲しい曲になってしまいました(笑)。逆に「悲しみもいつかは」はこれまでらしさを出そうと思いながら作ったんですよ。でも、ストリングスを加えていったら、面白いことにリリース前に公開したMVを観た人たちから“新しいHalo at 四畳半だね”って言ってもらえることが多くて。思うままに作ったら新しいと受け入れてもらえて、僕らとしては不思議だったり嬉しかったりして。
その他、新たな挑戦はありましたか?
渡井
「ヒーロー」は初めてプロデューサーとして寺岡呼人さんに入っていただいて、主に歌詞のプロデュースをしていただきました。メロディーも何もない状態で、テーマだけ決めて歌詞から書くという作り方を初めてやってみたんですよ。寺岡さんと何度もやり取りしながら、聴いて一発で伝わるんだけど、Halo at 四畳半らしい良さもちゃんとある歌詞に着地できて、すごくシンプルな曲なんですけど、新しい一面が出せたかなと思っています。
お話を聞いて、バンドを始めた時からやりたい音楽がちゃんとあって、それをやり続けながら、同時に新しいことに挑戦しているバンドだということが分かりました。
渡井
新しいことをやってもHalo at 四畳半の根幹にあるものは変わらないという自信がやっぱりあるんですよね。
白井
今回も聴き直してみたら、同期を入れた曲でも“確かにHalo at 四畳半らしい。こういう音楽の鳴らし方も楽しいよね”と自分らでも思えたんです。
渡井
曲作りもスムーズだったしね。メジャーからの1枚目という気負いもありながら、曲数があった分、いろいろなことにチャレンジできるから肩の力も抜けて。
片山
これまではミニアルバムだったから多くても8曲。その時から“フルアルバムだったら、こういう曲も入れられるのに”って各々が感じていたと思うんです。もちろん全12曲のバランスを考えるのは大変でしたけど。でも、「ヒューズ」で始まって、いろいろ新しいことに挑戦した上で、最後に4人の楽器しか鳴っていない「魔法にかけられて」で終わる。しかも、それがバラードというところが自分たちが考えるHalo at 四畳半らしさだと思うんですけど、それでアルバムを締められたのが良かったですね。
取材:山口智男
「悲しみもいつかは」MV
「ヒューズ」MV
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