マルーン5のデビュー作
『ソングス・アバウト・ジェーン』は
オルタナティヴロックと
ポップソウル的なアプローチが
同居した傑作
高い技術をもつロックグループ
マルーン5はアダム・レヴィーンだけでなく、他のメンバーも腕達者な猛者揃いで、グループが解散しても各々がスタジオミュージシャンでやっていけるほどのテクニックを持つ。だからこそ、彼らの音楽を聴いていると安心できるわけだし、特にタイトなドラムとメロディックなベースのフレーズは、モータウンの黄金時代を築いたファンク・ブラザーズのような重厚さと爽快感を感じるのである。
ソングライティングの妙
本作『ソングス・アバウト・ジェーン』について
アルバム全編を通して、白人のロックグループにしてはかなり黒っぽい音作りで、それでいて爽やかなポップ感を醸し出しているのがマルーン5というグループの特徴だ。収録曲は全部で12曲。アルバムの冒頭を飾るのに相応しいオルタナティヴ感覚を持つハードでタイトなナンバー「ハーダー・トゥ・ブリーズ」、TOTOが演奏しているといっても不思議でないぐらい凝ったアレンジの「ディス・ラヴ」、後期ポリス的なサウンドの「シー・ウィル・ビィ・ラヴド」、彼らの代表となる美しいメロディーを持った名曲「サンデイ・モーニング」、ちょっとブリティッシュの香りもする「マスト・ゲット・アウト」をはじめ、彼らが注目されるきっかけとなった映画『ラブ・アクチュアリー』のサウンドトラック盤に収録された「スウィーテスト・グッドバイ」、無国籍的なロックナンバーでギターソロのカッコ良い「シーヴァー」、キャッチーなメロディーと控えめなギターソロがカッコ良い「タングルド」、ソウル色の強い「ザ・サン」、ジャジーでアダルト感覚にあふれた「シークレット」、コーラスが印象的でドラマチックな「スルー・ウィズ・ユー」、R&B的でヴォーカルの上手さが光る「ノット・カミング・ホーム」など、いずれも甲乙付け難い名曲のオンパレードである。チャート結果ではイギリス、オーストラリア、アイルランド、フランス等で1位を獲得、現在までに1000万枚(!)を売上げ、セールス面でも大成功を収めている。
1年以上に及ぶ世界ツアー
『レッド・ピル・ブルース・ツアー』
TEXT:河崎直人
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