猪瀬5000万献金をリークしたのはあの
大物政治家!?

猪瀬を辞任に追い込んだ黒幕

 昨年12月に途中で都知事職をおっぽり出した石原慎太郎に代わって都知事になった猪瀬直樹。人を責め立てるのは好きそうだし、実際に色んな角度から色んな団体、個人を責め立てていたが、己が責められるのは弱かったのか…。 「徳州会からの5000万円は政治献金として処理していなかった」「都知事選に幾らかかるか初めての選挙などで不安になりつい借りてしまった」と言っておけば、ここまで大騒動にならなかったのだろう。
 そもそも、議員になっている人間はほぼ誰でも献金をもらっているであろうことを国民は知っている。献金をもらってない人は、宗教団体からの支持を得ている人間か、共産党の人間くらいだろう。その部分をあえて厳しく突っ込むと自分にも返ってくるはずだから、猪瀬の言い訳はよほど幼稚だったといえる。実際、猪瀬も自分の答弁が辻褄あわないと理解したのか、あえなく沈没してしまった。

 そんなことよりも問題なのが、この5000万円騒動が全マスコミを賑わせてしまったために、それまで槍玉に挙がっていた特定秘密保護法案を慌ただしく強制成立させた安倍内閣が何も文句言われないまま国会を続けていること。安倍内閣の支持率が下がっているだけに、今の状況は安倍晋三にとってラッキーなものとなっている。
 永田町周辺では猪瀬直樹の事件をリークしたのは、実は官邸側じゃないかなどという噂が囁かれているという。

 そもそも東京オリンピック招致に際して、代表になるのは国か都なのかを争ったり、オリンピック費用も都は出来るだけ支払わず、国からの支援を取り付けたいと強硬に主張していた猪瀬のことを、自民党は煙たい存在だと思っていたのは事実だろう。
 複数筋によると、森元総理もオリンピックの旗ふり役は自分だと思っていたのに、猪瀬が森の存在を無視したため立腹していたのは永田町では有名な話。しかし圧倒的な都民の支持がある猪瀬を蔑ろに出来ないから歯がゆくは思っていたという。
 このように根回し不足もあって、足元をすくわれた猪瀬。政治家は実行力のほかに、調整力も求められる。来年の都知事選挙だが、少しはマトモな人に立候補してもらいたいものだが……。

(文・編集部)

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