eleanor、ベルギーのメタルフェスに
て圧巻のステージを披露

10月20日@『Metal Female Voices Fest』

昨年10月、ベルギーのメタルフェス「Metal Female Voices Fest」に大阪を拠点として活動中のeleanorが出演した。
「Metal Female Voices Fest」はベルギーのOktoberhallenという4000人収容の会場で2003年から毎年開催されている、女性ヴォーカルをフロントに据えたバンドによるヨーロッパ最大規模のフェスティバルであり、過去にはNightwish、Epica、Arch Enemyなどのビッグネームも出演している。日本のメタルバンドとしては今回のeleanorが初出演であり、彼らとしても今回が初の海外公演でもある。ヘッドライナーであるLiv Kristine、Lacuna Coil、Tarja + Floor Jansen(from Nightwish)ら、ワールドワイドに活躍するアーティストたちと競演を果たした。

eleanorはフェスティバル最終日である3日目の10月20日に出演。ヨーロッパではeleanorのCDは流通しておらず、まったく無名でありながら10バンド中4番目の40分ステージという好条件の枠を与えられた。3月にリリースした強力な2ndアルバム『Breathe Life Into The Essence』と、オフィシャルのYouTubeチャンネルで公開している2曲のMVが、フェスのバンドコーディネーターの期待を誘ったことは間違いない。

世界各国から集まった数千人規模のオーディエンスの前でeleanorは好評を博した。赤の“KIMONO”に身を包んだShiori(Vocal)と、黒衣に身を包んだRumi(Chorus)のコントラスト、それをヘヴィ且つメロディアスに支えるIppei & Nao(Guitar)、Lupin(Bass)、Shark(Drum)。水を打ったように静かに幕を開けた40分間のステージを終えた後は拍手が鳴り止まず、予想外のアンコールまで起こった。フェスティバルの進行上、曲で応えるのは叶わなかったが、ShioriとRumiがその声援に応え深々と頭を下げる。この声援からもわかる通り、eleanorは見事に期待に応えることができたのだ。ステージを降りた後も地元メディアやWebzineのインタビューを多数受け、フェスが用意した30分のサイニングセッションも時間をオーバーしてしまう程長蛇の列ができていた。中には南米からベルギーまで飛んできたファンが、eleanorのバンドロゴを書き入れた自国の国旗を掲げる姿もあった。

フェスティバルの主催者曰く「eleanorのCDの売上はこのフェスティバルを興して以来、最大だった」とのこと。海外のレビューサイトのレポートでは、eleanorのステージを「ゴシックメタルの日本的解釈」「ダークなプログレッシブさも感じる」「言葉の壁を越え、日本にも良いゴシックメタルバンドがいることを示した」と評している。前述した彼らの2ndアルバムは全編日本語詞ながら海外からの評価も高い。日本ではゴシックメタルというジャンルの土壌が根付きにくく未だにシーンは小さいものではあるが、その日本のバンドが海外というだけでなく「ゴシックメタルの本場」であるヨーロッパで高い評価を得たということは特筆すべきである。彼らが今後の日本のゴシックメタルバンドのヨーロッパ進出という道を開いたと言っても過言ではない。

これを機に日本のゴシックメタルシーンに再注目し、今後とも彼らの国内外での動向を注目すべきところである。

「Metal Female Voices Fest」ロードムービー

アルバム『Breathe Life Into The Essence』

発売中
BLRC-00060/¥2,500(税込)
<収録曲>
1. TIME, MEDITATION AND DAWN
2. A RAIN SONG
3. FATAL MOVEMENT
4. MOURNING
5. PRAYER
6. BLUE MOON
7. SLEEPING WATER
8. ONCE
9. FRAGMENTS

【ライヴスケジュール】

2月08日(土) 東京 吉祥寺CRESCENDO
3月16日(日) 大阪 京橋ISM

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