【GRANRODEO インタビュー】
メタルを軸にプログレッシブで
モダンな楽曲
L→R KISHOW(Vo)、e-ZUKA(Gu)
約5カ月振りのニューシングル「BEASTFUL」は、大人気格闘技マンガを原作にしたアニメ『バキ』のオープニングテーマ。歌とギターが格闘技を繰り広げるようなパワーあふれる楽曲が完成した。
「BEASTFUL」はメタル調で激しい曲になりましたね。
e-ZUKA
僕らの曲だと「silence」(2014年9月発表の6thアルバム『カルマとラビリンス』収録)や「NO PLACE LIKE A STAGE」(2012年10月発表の5thアルバム『CRACK STAR FLASH』収録)のようなメタル調の曲が最近なかったし、アニメ『バキ』とも合うと思ったから、メタルを軸にしてプログレッシブでモダンな感じを狙ってみました。
それはどのあたりに出てますか?
e-ZUKA
ギターのリフとリズムです。Bメロはあからさまに三拍子ですけど、ギターリフは速いテンポの四分音符と八分という3つのシャッフルが混在しているみたいな。ギターリフだけ聴くとシャッフルのリズムだけど、ドラムはズッタンズッタンと鳴ってて、2番ではテンポチェンジして聴こえる。
ややこしそうで演奏も大変ですね。
e-ZUKA
大変でした。いつもはドラム、ベース、ギターを一緒に録って、各々で気になったところを修正するんですけど、今回はドラムから順番に録っていきました。それだけ複雑だということです。
そんな楽曲に対して歌詞はどんなイメージを持って?
KISHOW
『バキ』の原作コミックのテーマにある“敗北を知りたい”という哲学を英語にして、それを1行目から取り入れて、その対比として勝者のマインドも入れ込んで書いていきました。
Aメロとサビの頭が同じ《I want to〜》で始まっていて、歌詞カードを見た時に全部サビかと思いました。
KISHOW
サビ始まりかなって思いますよね。そういうのはあまりないと思ったので、ちょっと狙ってみました。
タイトルは“より獣のように”みたいな?
KISHOW
造語ですけど、そんなイメージです。“LIKE A BEAST”でも良かったけど、ワンワードで付けたくて。“作っちゃえ!”的な発想ですね。
最後のシャウトはポイントになってますね。
KISHOW
これは僕のアイデアで入れさせていただきました。29枚のシングル表題曲…タイアップ曲の中で、こんなに“シャウトでござい!”といった感じで分かりやすくシャウトしている曲は、これが初めてです。
e-ZUKA
サビ頭がCのハイトーンで、僕はそれだけでも十分『バキ』っぽいと思ってたんです。でも、シャウトの一番高いところはCよりさらに上のF#で、きーやん(KISHOWの愛称)は“これでやっと『バキ』らしくなった”と言っていて、“『バキ』ってどんだけなんだよ!”って思いましたよ。
KISHOW
これでもまだまだ余裕ですけどね(笑)。
ギターソロもカッコ良くて、これもギターキッズに真似してほしいですね。ただ、すごく難しそうですけど。
e-ZUKA
難しいのは、さっき話したリフのほうです。ソロはジャズの名曲「キャラバン」のフレーズも一瞬入れつつ、最後のほうはタッピングで半音ずつ上がって混沌とした感じを出しています。頑張れば弾けますよ。あまり難しいとやる気が失せて、ギターが売れなくなるので(笑)。
カップリングの「アサメシマエのヤサシイセカイ」は打って変わってポップな楽曲ですね。
e-ZUKA
最近の若いバンドがやってる感じというか、フェス映えするような曲をイメージしました。「BEASTFUL」がああいう感じだったので、音の歪みも少なめで音数も少なくして。バンドメンバーが“こういう感じがやりたい”と弾き始めて、その場でジャムセッションが始まるような雰囲気を出したくて、“ひとり若者バンドごっこ”みたいな(笑)。
メロディーの数が少ないな〜と思いましたけど。
e-ZUKA
考えてみれば昔は同じメロディーの繰り返しで成立している曲とか、そもそもBメロがない曲も多かったし。小田和正さんのヒット曲「ラブ・ストーリーは突然に」なんかもBメロがないんですよ。“曲ってやっぱりそういうもんだよな〜”って思いながら作ったので、歌メロよりも楽器メロを作る感覚だったと思いますね。
歌詞は応援歌っぽいですね。サラリーマン賛歌みたいな。
KISHOW
最初から“満員電車”と出てきますし、そういう側面もあると思います。都会の日常の世知辛さみたいな。切ないというか。それこそ「日常ホライズン」(2015年6月発表の23rdシングル「メモリーズ」収録)の系譜です。
でも、満員電車はもう乗らないですよね。
KISHOW
今は自転車ですけど、ちょうど制作している時期に“たまには乗ってみるか”と渋谷から浜松町まで夕方の山手線に乗りました。そしたら、“乗るんじゃなかった”と後悔するくらい混んでて、痴漢に間違われないように乗ってる間はずっと両手を挙げてて(笑)。そういう経験が最近あったから“満員電車”というワードが出てきたのかもしれない。
あと、笑い声が入ってるところもあって。
KISHOW
そこも「BEASTFUL」のシャウトと同じで、最後に足してみようかなと。ハイトーンのヒャハハみたいな笑い声があったほうが印象に残ると思ってやってみました。
“アサメシマエのヤサシイセカイ”というタイトルは?
KISHOW
英語の慣用句で“piece of cake”という言葉があって、それが日本の“朝飯前”に当たるらしいんですけど、そのままタイトルにするのはちょっと嫌味っぽいなと。それとは別に“やさしい世界”というのも考えていたから、「PPAP」じゃないけど、くっ付けちゃえって(笑)。
そして、5月に行なったe-ZUKAさんの地元凱旋ライヴ(『GRANRODEO LIVE 2018 e-ZUKA 十日町凱旋 ロデオごったく 〜あささささ、ごーぎだどもあちこたねぇすけこらっしゃい!〜』)に続いて、8月にはKISHOWさんの山口県宇部市での凱旋ライヴが。
e-ZUKA
この日のセットリストはきーやんが考えます。
KISHOW
セトリはいつもe-ZUKAさんがだいたい考えてるから勝手が分からないし、掴みの1曲目を何にするか結構難しくて今から頭が痛いです。でも、学生時代に地元でユニコーンのコピバンをやってたから、1曲はユニコーンの曲でもやろうかなと思ってますけど(笑)。
取材:榑林史章
「BEASTFUL」MV(Short Ver.)
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