フジFNS歌謡祭で口パク問題はどうな
った!?

『歌の手帖 歌手名鑑2014』2014年1月号[雑誌](マガジンランド)

壇蜜、三谷幸喜、稲垣吾郎の絶望的な歌声

 番組からは口パクは排除すると宣言していたフジテレビ。でも先日放送された『FNS歌謡祭』を観ていると、口パクが巧妙になっただけのような気もするのだが…。
 歌手という職業をやっていれば、たまたま体調がすぐれないこともあるだろうし、高音の出が悪いって日もあるだろう。だけど『FNS歌謡祭』は生放送で言い訳はできないため、CD7割に生歌3割、CD音源に以前録音していた生歌をミックス、サビだけCDなど、なんとか聴ける楽曲に手直ししたという疑惑もある。
 ただ口パクが絶対にダメとは言い切れない。気合いを入れて生歌で勝負したSMAPの稲垣吾郎のように、声が出ていない状態だと視聴者もガッカリするからだ。
 また最近のアーティストは新曲のプロモーションなどでバラエティ番組に出演することも多い。トークもこなれていて、アーティストというよりタレントといった印象を抱くこともある。でもなかには態度が悪かったり、トークの受け答えがやたら無愛想だったり、大御所ミュージシャン気取りの場合もある。そんなアーティストたちが口パクだったら叩かれて当然かもしれない。

『FNS歌謡祭』でぶっちぎりの口パクを見せたのがきゃりーぱみゅぱみゅ。しかしCDの音源そのものが加工されているから、もともと生歌が存在しないのだ。そういう意味ではグレーゾーンだし、これなら嵐のようにVTR出演でよかったんでは?
 生歌だが断トツに下手だったのは三谷幸喜。AKB軍団をバックに歌ったが、あれならAKBが歌った方がよかったかも。
 あと壇蜜の下手さは衝撃的だった。声が全然出ていなくて、ブツブツ呟いているかのよう。頑張って歌ってるけど音痴という可愛らしさはあるものの、デュエットした谷村新司が心配そうな表情で見守っているシーンはもはやお笑い番組のようだった。

 この番組で瞬間視聴率23.4%を記録したのはVTR出演の嵐が歌った場面。それなら番組サイドも無理して生歌にこだわらなくてもいいんじゃないだろうか。

(文・編集部)

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