【Fo'xTails インタビュー】
全ての想いをぶつけたラストシングル
L→R テラ(Gu&Programming)、takao(Vo)、鳴風(Gu)、坂本尭之(Ba)
解散を発表し、5年間の歴史にピリオドを打つFo'xTails。TVアニメ『「食戟のソーマ 餐ノ皿」遠月列車篇』のED主題歌「アトリア」を含む最後のシングル、そして解散の経緯についてtakao(Vo)と鳴風(Gu)に語ってもらった。
7thシングル「アトリア」は最後のシングルとなってしまいますが、今作の制作に入る前にもう解散の話は出ていたのでしょうか?
takao
表題曲は2017年11月の4周年記念ライヴのために作ったんです。バンドが上手くいってなかった時期に、初心に戻ってリリースは関係なく新曲を作ってライヴでやろうと話して制作した曲で、解散の話が出たのはそのあとなんです。
ということは、シングルの3曲にはいろいろな想いが詰まっているんですね。原点に戻ったという「アトリア」は曲の作り方自体、いつもと違ったんですか?
鳴風
takaoからみんなのケツを叩く感じで“新曲を作ろうよ!”って提案があって、これまでのFo'xTailsにはなかったテイストの曲にしたくて作った曲なんです。4周年ライヴで披露するし、感謝の気持ちを込めたいねって。もともとはバラード調の曲だったんですよね。
takao
アニメの制作スタッフの方からは“自由にやっていただいて大丈夫です。ただ、疾走感は欲しいです”という要望があって。テンポはがらりと変えましたけど、メロディーはほぼ原曲のままです。歌詞はライヴに来てくれるお客さんのことを思って、“あなたが来てくれるからこそ俺は歌える”というテーマで書きました。だからこそ、俺はもっと輝きたいし、どんなに真っ暗なところにいても恒星みたいに光を放っていたいという願いを込めて。
アトリアというのは南の三角座でもっとも明るい恒星の名前なんですよね。
takao
そうです。鳴風は新しいイメージで作ったって言ってましたけど、新たにギターアレンジしたらメジャーデビューシングル「GLITTER DAYS」に通じるFo’xらしさが出て、インディーズ時代の僕たちは激しい曲が多かったんですけど、この曲はデビュー当時の原点に近いですね。
“アトリア”というタイトルと曲調の煌めきがぴったりだなと思いました。
鳴風
この曲は4人で作った感覚がすごく強くて、そういうやり方をすると自然とこういう方向にいくのかなと。
3曲の中でもっともハードで熱量が高いのが「Try Me!!!!」なのですが、個人的にはこの曲がFo'xTailsのど真ん中かなと。
鳴風
そうですね。この曲は本心を書きたくて。
takao
鳴風が作るロック…一番最初に書いたオリジナルに近いハードな曲なので、これも原点ですね。
この曲を書いた時にはバンドの状況も変わっていた?
takao
はい。表題曲以外の2曲は解散の決断をしてから取り掛かったのでモチベーションは違いますね。
鳴風
ハッピーな話ではなかったから、不満だったり納得できない部分もありましたけど、そういう気持ちを曲にするのがミュージシャンなのかなと。
takao
俺たちの表現方法は音楽なので、その時の感情をぶち込んだ曲ですね。鳴風から“辞世の句”というテーマをもらって書いた歌詞で、俺も感情的な時期だったから《逆境でも続くHistory かかってきなよ!!》って。
負の連鎖になってしまいそうな状況を突破しようという覚悟とエネルギーが感じられます。
takao
解散という結論になっても俺は夢と一緒に死ぬつもりでこの世界にいるわけで、ここでへこたれるわけにいかないから。未来の自分を救い出すのは今しかないという気持ちで書いた歌詞です。
そして、3曲目のバラード「flow」はFo'xTailsを応援してきた人は涙なしでは聴けない曲だと思いました。
鳴風
これはほんとに曲に書いた通りです。
takao
鳴風の中にしっかりテーマがあった曲だったので、歌詞も鳴風が書けよって。できたものを見たら自分の想いと共通した部分が多かったし、すんなり曲が入ってきてスーッと声が出せて歌えた曲です。「Try Me!!!!」でモヤモヤも全部吐き出せたから気持ち良く歌えたのかもしれない。
ちなみにそのテーマというのは?
鳴風
“ありがとう”って言いたかったんです。takaoにはストレートな歌詞が似合うなと思って。
ギターを弾きながら鼻歌で歌ったような自然な在り方の曲ですね。
鳴風
そうですね。Fo'xTailsのシングルは2曲目が激しい曲で3曲目がバラードというスタイルが多かったので、今回もそうしたかったんです。今のアメリカンカントリーに通じる曲で、最後だけど新しいことにトライしたかった曲ですね。
そして、解散の理由はひと言では言えないと思いますが…。
takao
考え方や方向性がメンバーの中で食い違うことが増えてきたんで、みんなで話し合ったんですけど、曖昧なままの状態で音楽を作ってもいいものはできないと思ったんです。だったら、きっぱりと解散して、それぞれの音楽の夢を追いかけようって。いろんな想いは今回のシングルに全部入れました。
ラストライヴは8月1日の代官山UNITですが、最後に“こんな気持ちで待っている!”というメッセージをお願いします。
takao
実は8月1日は僕らが5年前に“試しにライヴをやってみよう”って集まって、Fo'xTailsとして初めてステージに立った日なんです。俺たちが出せるものは全部出して、みんなの記憶に残したいし、笑顔で“いいバンドだった!”って言ってもらえるように全力でステージに立つつもりです!
鳴風
“悲しい”“ムカつく”“最後のライヴが観れて良かった”とかいろんな想いがあると思いますけど、全て受け止めるので、全部ステージにぶつけてください。
取材:山本弘子
「アトリア」MV
アーティスト
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