【KANA-BOON インタビュー】
夏の風景を多彩に描いた
最新作が完成!
L→R 古賀隼斗 (Gu&Cho)、谷口 鮪(Vo&Gu)、小泉貴裕(Dr)、飯田祐馬(Ba&Cho)
メジャーデビュー5周年を迎え、5シーズンにわたるさまざまな企画を進行中のKANA-BOON。そのシーズン2に放たれるミニアルバム『アスター』は、夏をテーマにした5曲が収録されている。制作エピソードをメンバーたちに語ってもらった。
今作はどんなことを考えながら制作を進めました?
谷口
“夏盤”というテーマを持ちつつ、まず今回はひとりで曲作りの作業をしたんです。そういう中で“アスター”というキーワードに巡り合って広がっていきました。
KANA-BOONの音楽はエネルギッシュさと甘酸っぱさを兼ね備えているので、もともと夏っぽいですよね?
谷口
アゲアゲタイプではなくて、切ない系ですよね。
アネッサのCMソングも作ってましたし、KANA-BOONって実は夏バンドだったのかも。
古賀
夏は好きですけどね。でも、黒いシャツを着ていると暑いなというのはあります。
飯田
お前は何に縛られてんの? (笑)
谷口
まぁ、この4人は全然アウトドアではないですけどね。
飯田
アウトドア派の夏への憧れは強いですけど。一生のうちに1度はサーフィンしたいとか思いますし。
谷口
この4人、誰ひとり波に乗れない気がするけど(笑)。
小泉
僕は夏が好きですよ。僕、もともとスポーツマンで、野球もやっていましたから。最近、KEYTALKの八木さんから野球に誘われました。“朝11時から練習してるから”って連絡が来たんですよ。
飯田
そのアピール、何や?(笑)
(笑)。“アスター”というキーワードはどんなイメージ?
谷口
歌詞の内容を想像する中で、分かりやすいと同時に入り組んだところもあるテーマが欲しくなって、花をいろいろ調べたんです。それでアスターを見つけました。花言葉は“追憶”とか“信じる恋”とか“変化”で、今回はそういうことを軸に歌詞を書いたり、じっくり準備を重ねた制作でしたね。メンバーとのセッションで作るやり方は瞬発的に出てくるものがあって、それはそれでいいんですけど、今回はまずひとりで作ったことで、バリエーションを付けることができました。
古賀
鮪ががっつりとイメージを固めて作ってきた曲に対して、僕らはそれぞれの楽器で肉付けをしていきました。例えばギターソロも曲の世界観に合ったものになるように、すごく意識して作りましたから。「夏蝉」のソロの頭の部分のチョーキングは噛み付くようなニュアンスがなかなか出なくて苦戦しました。噛み付きすぎちゃダメだったので。
谷口
甘噛み?
古賀
甘噛み!? それが適切な表現かは分からないですけど(笑)。“もうちょっと軽やかに”とか鮪に言われながら、いろいろ試して探っていきました。
飯田
ライヴでやる時、古賀の甘噛み顔が観れるかもな。
谷口
観たくないわ(笑)。
(笑)。ダンスビートも今回はより多彩さを増していますね。「アスター」も新鮮なテイストですし。
谷口
「アスター」は今回の中で一番新しい感じですね。ナチュラルに身体が揺れるものになっていると思います。
小泉
今回、鮪が作った打ち込みにかなり忠実に叩いているんですけど、ただコピーするのではなくて曲のイメージをちゃんと自分なりに掴むことを追求しました。それは僕にとっても新しいやり方でしたね。「アスター」はいい音で録れましたし、ビートもいい感じです。
飯田
メジャーデビューした頃はループするフレーズの気持ち良さしか知らなかったんですけど、最近はベースとドラムの絡み具合による聴かせ方とかデモをもとにしつつ、音作りで工夫して録ったりするのが面白くなっています。
今作は新しいアプローチもありつつ、KANA-BOONらしさも随所で出ていると思います。細かい話ですが「彷徨う日々とファンファーレ」の《甘い夜と自販機のライト》っていう表現を見て、「羽虫と自販機」を思い出したんです。
谷口
僕、自販機が好きなんです(笑)。
古賀
確かに自販機は悪いもんじゃないけど(笑)。
谷口
夜に自販機を見るとすごく寂しい気持ちになるんです。僕にとって何か引っかかっているところがある、リアルな風景なんだと思います。
古賀
自販機で何が出てくるのか分からない“?”ってあるのを見ると気になりますよね。
飯田
メンバー同士でじゃんけんして、めっちゃ買ったことがあります。
古賀
120円入れて“?”を押したら、その自販機で100円で売られているやつが出てきたことがあるんですけど…。
飯田
高松での出来事です(笑)。
(笑)。いろんな風景や物語が浮かぶ曲が今回もたくさん生まれましたね。
谷口
「ベガとアルタイル」と「アスター」はフィクションというか、想像しながら膨らませていった世界ですけど、それ以外の3曲はかなり自分自身のことを描いています。
鮪さんはロマンチストだなと思いました。
谷口
メンバーの中で一番ロマンチストなのは古賀です(笑)。
小泉
そうやな。
古賀
サプライズを仕掛けるのが好きですからね。
飯田
上京した頃、メンバーのためにおにぎりを握ってスタジオに持ってきてくれたことがありますから。
古賀
ごはんを炊きすぎて余ったからおにぎりを作ったんです。
谷口
気持ち悪くて誰も食べなかったんですけど(笑)。
古賀
当時は“なんでみんな食わへんのやろ?”って思ってたんですけど、今だったら食べない理由が分かります(笑)。
飯田
5年経ってやっと分かったみたいです(笑)。
(笑)。メジャーデビュー5周年の企画は今後もさまざまなかたちで進行していくんですよね?
谷口
はい。いろいろ計画しています。めちゃくちゃに動きまくるので一緒に楽しんでくれたら嬉しいです!
取材:田中 大
「彷徨う日々とファンファーレ」
MV
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