【阿部真央 ライヴレポート】
『阿部真央ライブハウスツアー
2018“Closer”』
2018年4月6日
at 新木場STUDIO COAST

2018年4月6日 at 新木場STUDIO COAST

 約7年振りとなるライヴハウスツアー。オープニングからエンディングまで伸び伸びと軽やかに歌い奏でた阿部真央の“今”を、初日公演となる東京・新木場Studio Coastでとらえた。縦横無尽に突き抜けていく解放感と、フレッシュなミュージックスケープと、屈託のない阿部真央の表情と立ち振る舞いと。最新アルバム『YOU』に関するインタビューで彼女は“原点回帰”という言葉を口にしていたが、この清々しさに満ちあふれた空気感はまさにその精神的な原点回帰がもたらしたものだろう。

 縦横無尽に突き抜けていく解放感と、フレッシュなミュージックスケープと、屈託のない阿部真央の表情と立ち振る舞いと。最新アルバム『YOU』に関するインタビューで彼女は“原点回帰”という言葉を口にしていたが、この清々しさに満ちあふれた空気感はまさにその精神的な原点回帰がもたらしたものだろう。

 キャッチーな幕開けからポップに疾走し、初期の顔と言えるパワーチューンにつなげていく瞬間の初期衝動感に、そのナンバーが色褪せぬ永遠のアンセムであることに改めて気付く。そして、オールスタンディングのオーディエンスは、波打ちながらフロアーを躍動させ、ここにいることを誇らし気に拳をあげる。約束なんて何ひとつしていないのに、この“約束の場所”で再会し、喜びと幸福にもみくちゃになっているような美しい光景が、そこには広がっていた。

 デビュー当時以来の披露というティーンの蒼さが滲むナンバーやストレートなポップロックチューンなど、懐かしいナンバーの進化ももちろん楽しめたが、ハイライトはやはり『YOU』に収録されていた「immorality」からの3曲の流れだろう。とりわけ打ち込みと生バンドの融合でクラブでもある新木場STUDIO COASTをディープに揺らした「immorality」は、彼女の音楽世界がさらに豊かなものになっていることの証として鳴り響いていた。このライヴを体感しながら新作の素晴らしさを再確認。家に帰ったらすぐに聴こう!と思わされた。これはライヴ中にはあまり起きたことのない感覚だ。そして、気付くーー『YOU』の楽曲を最良のかたちで届ける構成が、このライヴで築かれていたいたことに。

撮影:笹森健一/取材:竹内美保



セットリスト

  1. 現在ツアー中のため、セットリストの公表を控えさせていただきます。

阿部真央

アベマオ:1990年1月24日生まれ、大分県出身。06年、高校2年生の時に『YAMAHA TEENS' MUSIC FESTIVAL』の全国大会で奨励賞を受賞。09年1月にアルバム『ふりぃ』でデビュー。感情的なアコギで押し出す、等身大でリアルな歌詞、表現力豊かなヴォーカル、バラエティーに富んだ楽曲、同世代の女性を中心に、幅広い層から注目と共感を集める。14年10月にデビュー5周年を記念して初の日本武道館公演を開催。16年5月、産休明け第一弾シングル「Don’t let me down」で完全復活を果たし、デビュー10周年となる19年1月にはベストアルバム『阿部真央ベスト』を発表し、2度目の日本武道館公演を成功させた。

アーティスト