スケート浅田真央が姉・舞へ贈った
感謝の曲はKiroroの「未来へ」
Kiroro
番組では真央が姉である舞の心を傷つけて後悔していたことや、それでも手を差し伸べてくれた姉への感謝の気持ち、そして他界した母親からの「ふたりで一緒に歩んでほしい」という言葉など、これまで語られなかったエピソードも明かした。真央は「言葉だけでなく、スケートで恩返しをしたい。舞のために滑る」と話して演技に臨み、姉妹だからこその温もりや深い愛情が感じられる、約5分間の素晴らしいスケートを披露。最後には真央から舞に宛てた手紙を読み、涙ながらに抱き合う姉妹の姿が感動を呼んだ。
この日、「未来へ」を生演奏で歌ったKiroroは今年が20周年のアニバーサリーイヤー。そして、同曲を収録したベストアルバム『キロロのいちばんイイ歌あつめました』(2006年発売)のリマスター版と、約13年ぶりの新作アルバム『アイハベル』を1月24日にリリースする。
生放送終了後、Kiroroのふたりに話を聞くことができた。
ーー「未来へ」が選ばれ、真央さんと氷上で共演していかがでしたか?
玉城千春:真央さんのお姉さんへの思いを聞き、ぜひお力添えをしたいと思いました。真央さんに当たるスポットライトが空から祝福の光が射しているようで、本当に美しかったです。この場にいられたことが幸せで、こんな風に私たちの曲を選んでくれたことはアーティスト冥利に尽きます。
金城綾乃:真央さんがスケートの靴紐を結んでいる姿から、芯の強さを感じました。全身から力強さや思いがあふれていて、きっとこれまでもこうやって戦ってきたんだなと思い、それだけで感動しました。彼女の生の滑りを拝見したのは初めてでしたが、一瞬で引き込まれ、彼女の人を魅了するパワーには圧倒されました。共演できて本当に光栄でした。
ーー「未来へ」は約20年前にシングルとしてリリースした楽曲ですが、作ったのはもっと前だったそうですね。
玉城:15歳のときに作った曲です。私は思い込みが強くて、当時は母が風邪をひいただけなのに、重い病気で命もあとわずかだと勘違いをしてしまって。母は私の歌が大好きだったので、最後に喜んでほしいと思って、アカペラで作った曲でした。母は今もすごく元気ですが、その時は「あんた大変さ〜人を死なせて〜(笑)」と笑っていました。そんな思い込みで生まれた曲を、今回こういう場で歌えるほどのものになるとは、「よく作ったね〜!」と、当時の自分をほめてあげたいです(笑)。
ーー母親への深い愛から生まれた曲だからこそ、20年も多くの人の心を掴んで離さないのでしょうね。
金城:そう思います。思いの強さには、すごく力があります。きっと、それがみなさんにも伝わっているのだと思いますね。
ーー約13年ぶりのアルバム『アイハベル』には、浅田姉妹の関係にも通じる気持ちを歌った「ヒカリ」という曲を収録していますね。
金城:「ヒカリ」は私から妹に向けた気持ちを歌った曲で……私の妹も音楽をやっていて、かつては共に将来を夢みて一緒にコンクールに出たりということもあって。お互いに切磋琢磨しながら、それぞれで音楽活動を続けていった経験は、浅田真央さんと舞さんの姉妹の気持ちと重なる部分がありました。その曲をこのタイミングで、アルバムに収録できたことも本当に良かったと思います。
ーーその「ヒカリ」を収録したアルバム『アイハベル』ですが、タイトルは沖縄の言葉ですか?
玉城:沖縄の方言で“ハーベールー”は蝶とか蛾のこと、“アイハベル”は“美しい蝶”という意味になっていて、琉歌の歌詞にも出てくる言葉です。1stアルバム『長い間 〜キロロの森〜』のときにプロデューサーから「君たちはまだ青虫だ。将来は蝶になるのか? 蛾になるのか?」と、冗談っぽく言われたことがあって。20年経って少しは蝶になれたかな〜(笑)と、気持ちを込めて付けました。
金城:ジャケット写真はたくさんのお花で、蝶を形作っているのですが、お花の力を借りて蝶になれたんじゃないかと。
ーーそのお花の力と言うのは、スタッフの力添えやファンの声援とも言えますね。
金城:そうですね。今年はデビュー20周年イヤーなのですが、途中で子育ての期間をいただきながら、今もこうしてKiroroとしてやれているのは、ふたりだけではできなかったことです。周りの人に助けてもらったり守ってもらったりして、やってこられた20年だと思います。
玉城: 20代のときは歌のことに一生懸命で、30代は家族のことで一生懸命。20代で作った楽曲と30代で作った楽曲では、歌詞のテーマも歌声も違っていて、『アイハベル』ができ上がったときは「大人になったな〜」と実感しました。
ーーアルバム『アイハベル』は、全体にどんな内容になっていますか?
金城:私たちの、今の日常が込められています。青写真があったわけではなく、今自分たちが思っていることを曲にして重ねていってできたアルバムです。
玉城:ひとりの人として親として、私たちが沖縄で日常的に感じていることを曲にしています。みなさんの日常と重なる曲もたくさんあると思うので、きっとたくさんの方に共感してもらえるのではないでしょうか。
金城:このアルバム『アイハベル』と共に、いろいろなところに羽ばたける2018年にしたいですね。誰かと共有したり共感したりすることで、共に乗り越えられることもたくさんある。このアルバムをきっかけに、1日でも多く幸せを感じることができたらいいなと思います。
ーーまた、1月7日には、GYAOで『Kiroro デビュー20周年記念スペシャルライブ「20年間ありがとう!~みんなが聞きたいキロロの歌あつめました~」』の生配信があります。どんなライブにしたいですか?
玉城:当日はご参加頂く新成人の30名と一緒に「未来へ」を歌います。最初は「Kiroroのことを知らないんじゃないか?」と、不安もありましたけど、ちゃんと知ってくれてるということでとてもうれしいです。自分たちの20年を振り返りながらのライブになると思うので、1曲ごとに自分たちの成長を感じながら歌おうと思います。
金城:ちょうど私たちがデビューした年に生まれたみなさんと一緒に歌えるのは、とてもうれしいことです。20年で人は、こんなにも大きくなるんだなって(笑)。私たちのいちばん上の子どもが12歳と11歳なので、10年後のことを想像すると今からウルッときますね。当日は、自分たちの20歳のときのことを思い出したりしながら、楽しみたいです!
取材:榑林史章
【生配信ライブ情報】
「20年間ありがとう!〜みんなが聞きたいキロロの歌あつめました〜」
日時 :2018年 1月7日(日)15:00~16:00(予定)
配信サイト:https://gyao.yahoo.co.jp/special/kiroro/
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