【fhána】
全国ツアーを経て開けた新しい世界に
“こんにちは!”という希望的なイメ
ージ
L→R 佐藤純一、towana、kevin mitsunaga、yuxuki waga
アニメ『ナイツ&マジック』OPテーマとしてアニメに寄り添いながら、新たなチャレンジを詰め込んだ表題曲「Hello!My World!!」。さらにアニメ盤のカップリングではtowanaがラップを披露! 新しい世界が開けたシングルが完成した。
「Hello!My World!!」は、どんなイメージで作っていったのですか?
佐藤
今回は最初から少し変わった作りにしようと意識していたかな。最初は4つ打ちの曲っていう話だったんだけど、ズッタンズッタンという2ビートにしたり、一瞬Bメロっぽいものは出てくるけど、基本的にはBメロがなくて、間奏があってサビに入るという普通のポップスには珍しい構成になっていたり。あと、ちょうどツアーと並行しての制作だったから、ライヴでお客さんと盛り上がるイメージも重視して、イントロにかけ声を入れていたり。
サビは結構、荒々しく歌っていますよね。
towana
サウンドがどんどん展開していくので、歌でも聴く人の感情を引っ張っていけるように、場面ごとに歌い方を変えています。サビは力強さが出るようにと意識しました。
佐藤
今までよりもダイナミクスを出したくて。激しいところとやさしいところのギャップを出したいと。
kevin
今回はアレンジをA-beeさんというアレンジャーさんと一緒にやらせていただいたのですが、A-beeさんはデジタルとかEDMが得意な方なので、その方向でアレンジを進めてもらって、僕らは僕らで並行してアレンジを進めて、最後に良い部分を合わせた感じです。
途中でウィンウィン鳴ってるのは?
yuxuki
あれはギターです。今回は佐藤さんに“最初からどんどんやっちゃっていいよ”と言ってもらったので、“いいの?”って(笑)。結構好きにやらせてもらっています。ただ、2ビートだからBPM自体が速いわけじゃないけど、タンタンというリズムがタタタタになるので、単純にいつもの曲の倍の速さで弾かないといけないという大変さはありましたけど。
佐藤
あと、聴いてほしいのは、サビのメロディーとストリングスのリフが、ほぼユニゾンになっているところ。ここはTM NETWORKの「Self Control」みたいに、歌とリフが連動させたいなって。
タイトルはどういうイメージですか?
佐藤
プログラミングの入門の伝統みたいなもので、どのプログラミング言語でも、最初の課題は“HELLO! WORLD”って表示させることなんです。作品の主人公はもともと天才プログラマーで、異世界に転生する話なのでプログラミングをかじってる人はニヤっとするかなって。あと、2枚のアルバムと3度目の全国ツアーを経て開けた、新しい世界に対して“こんにちは!”ということですね。歌詞もすごく希望に満ちていて。これまでの “人と人は分かり合えないけど、1周回ってそれが希望になる”みたいな1周回った希望じゃなくて、今回は迷いとか不安とかを拭い去って、“1周回らなくても、希望しかない”という歌にしたかったんです。
何か変化があったのですか?
佐藤
たくさんライヴをやって、お客さんが喜んでくれたのが単純に嬉しくて。曲を聴いて楽しい気分になってくれたり、悲しい時に聴いて救われたりとか。僕らの音楽がそういうものであったら良いなと思って。
きっとツアーが楽しかったのでしょうね。カップリングの2曲も“旅”とか“街”がキーワードになっていて、ツアーでの楽しさが表現されているなと。アーティスト盤のカップリング曲「君の住む街」はジャズっぽくなるところもあったりして。
yuxuki
これはシンプルにバンドのアンサンブルで聴かせる曲で、ベースはfhánaの「アネモネの花」や、アイドルマスターの曲でも弾いてもらっている二家本亮介さん、ドラムは小松未可子さんの楽曲でご一緒したSHiNさん。レコーディングにはtowanaにも仮歌で入ってもらって、せーので録ったのですごくライヴ感があるものになりました。
towana
私はシャッフルビートも好きだし、こういうリズミカルなサウンドに乗せて歌うのが好きなので、レコーディングは本当に楽しくて。ライヴで歌うのが楽しみですね。
yuxuki
キメがたくさんあったり、各楽器の見せ場があったり、やる側としてもライヴで楽しめそうな遊びの効く曲ですね。
アニメ盤カップリング曲「reaching for the cities」では、towanaさんがなんとラップを披露されていて。
towana
頑張りました!!(笑)
kevin
ヒップホップ的なラップというよりは温度低めのラップで、ポエトリーリーディングっぽい雰囲気になってとても気に入っています。トラックもちょっと懐かしい雰囲気だし。以前からこういう曲をやりたかったので、今回は良いタイミングでそれができましたね。
towana
ラップは生まれて初めてなのでできるかどうか心配でした。でも、kevinくんが仮歌みたいな感じで提示してくれたので、それを見よう見まねでやりつつ、その都度みんなからアドバイスをもらって、何とかかたちになったかなって。リズムに乗ると“オーイェー!”とまではいかないけど(笑)、自然とノることができたし。でも、ちょっと台詞っぽくなるところは難しくて、何度かやり直しましたね。
その《この街が虚像だなんて》という台詞のところですよね。そこが、すごくいいです!
towana
ありがとうございます。ドキッとしますよね。
佐藤
オケが消えて、携帯越しに聴こえてきた声みたいな感じで。
towana
初めてではあったけど、レコーディングは本当に楽しくて。ヴォーカリストとして幅が広がった感覚です。自分としては頑張ったので、楽しんでもらえたら嬉しいです。
佐藤
towanaラップはきっとみんなメロメロになるだろうなぁ。iTunesで試聴したファンからは“超かわいい”とすでに評判なので、リリースが楽しみです。fhánaにとって大きな引き出しになったんじゃないかと。
towana
え〜、fhánaの定番になったらどうしよう!?(笑)
取材:榑林史章
アーティスト
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