L→R 佐藤純一(Key&Cho)、towana(Vo)、kevin mitsunaga(Pc&Sampler)、yuxuki waga(Gu)

L→R 佐藤純一(Key&Cho)、towana(Vo)、kevin mitsunaga(Pc&Sampler)、yuxuki waga(Gu)

【fhána インタビュー】
住み慣れた場所から、
みんなを世界に連れ出したい!

「青空のラプソディ」など人気シングル曲の他、多数の新曲を収録した約2年振りのアルバム『World Atlas』。どの曲にも街や世界、旅などがキーワードとして登場し、外の世界に飛び出したくなる作品に仕上がっている。

アルバムは“World Atlas(世界地図)”というタイトルで、楽曲も世界とか地図、旅、街というものが感じられました。このタイトルはどういうイメージで付けたんですか?

佐藤
この“World Atlas”の意味はアルバム制作の過程でだんだん変わってきて。最終的に辿り着いたのは、“居心地の良い場所から少し離れて、他者に出会う旅に出てみよう”ということ。この世界にはまだまだ美しいものがたくさんあるし、人は変わることができる。だけど、手ぶらじゃ不安ですよね。そんな時のGoogleMap…それこそ“地図”にしてもらうイメージです。背中を押してあげて、住み慣れた場所からみんなを世界に連れ出したいという想いが込められています。

1曲目の「World Atlas」は表題曲でもあり、賑やかだけどゆっくりと始まる感じですね。

towana
誰もが想像する1曲目や表題曲にありがちな、走り出すようなイメージとは少し違っていますね。
佐藤
奇をてらったわけではなくて、これが一番ポップだったんです。いわゆるリード曲のテンプレート的なものにはとらわれないものを、自信を持ってリード曲として提示しています。

自由さがあるというか。

kevin
そうですね。それに前作と今作での違いを言葉にすると、今作には祝祭感があると思います。特に「World Atlas」は、どこか行進する様子を想像させるところがあって。みんなで表通りを練り歩いているみたいな感覚がアルバムを通して聴くと感じられると思います。
yuxuki
カラフルなアルバムになりましたね。今までよりさらに肩の力が抜けて、形式的なものにとらわれず、純粋な気持ちで作ることができました。個人的には《悲しいことや嬉しいこと》と歌っているところが好きで。普通は《嬉しいこと》が先にくると思うけど、そうじゃないところにエモーショナルさが増しますね。
佐藤
それに明るい音の中にも相反するすごく低い音を入れていて。この世界には光以外にも、影になって見えない闇の部分があって。だからこそ、光の部分も美しく輝いていて。その両方を描きたくて、そこは意識しました。

曲は最後に向かってどんどん音が積み重なっていって、The Beatlesの「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」感があっていいなと思いました。

佐藤
はい。ゴスペル感もありますね。どんどん混沌としていく感じにしたいねって、レコーディングの時もみんなで話していました。

「Do you realize?」は初音源化の楽曲ですね。

yuxuki
ドラムはdownyの秋山隆彦さん、ベースは元NUMBER GIRLの中尾憲太郎さんです。生でこのドラムを叩いているなんて、今でも信じられないです(笑)。
towana
エモくて良いですよね(笑)。ライヴでは演奏陣は楽しそうですけど、私はキーが高くて大変です。

towanaさんが“高い”と言ったのは初めてですね!

towana
確かに(笑)。これはそれくらい高いんです。

他には「わたしのための物語 ~My Uncompleted Story~ <ALBUM Ver.>」があって。イントロには新しく打ち込みやピアノが加わっていますね。

kevin
新鮮に感じてもらえると思います。よりこの曲がエモーショナルに聴こえると思うので、ここもぜひ注目していただけたら嬉しいです。

バンドサウンドの「star chart」も聴き応えがあります。

yuxuki
主人公の“僕”がオリオン座で、“君”が星座を見ている人。その“君”が途中でいなくなってしまう切ない物語です。センチメンタルなムードの曲と歌詞がはまりました。

そして、ラストの「It’s a Popular Song」のメロディーには、どこか懐かしさとか歌謡曲的な雰囲気があって。

佐藤
結構挑戦的なタイトルですよね。それこそサビをみんなでシンガロングできるような、“みんなの歌”という意味でもあるんですけど。それだけじゃなくて、一般的な“みんなの歌”があらゆる人を漏らさずやさしさで包み込むものだとしたら、それとは違うアプローチで“みんな”にアクセスしようと。それで、“人って違いも多いけど、根っこの部分ではそれほど変わらないよね”という視点で作ったらどうかなと思って。すごく個人的な小さな視点が“みんな”につながっているっていう。そういう意味での“Popular Song”ですね。音楽的には、fhánaでは初めてシャッフルのリズムだったりします。
yuxuki
この曲は楽器陣もミキシングエンジニアさんも全員、ツアーと同じメンバーで録っていて。ツアーで培ったグルーブ感が自然なかたちで出せたんじゃないかと思いますね。
佐藤
自分でストリングスの譜面を書いたんですけど、1日で慣れない譜面を書いて、次の日にはレコーディングしなきゃいけなくて…。大変さと時間との闘いで痺れました(笑)。

towanaさんはラストの曲はどんな印象が?

towana
これは私のとらえ方なんですけど、「calling」で壮大に本編が終わって、「It’s a Popular Song」はボーナストラックじゃないけど、余韻のようにゆったり楽しめる感じだと。なので、力の抜けた感じが出せたらいいなと思って歌いました。
yuxuki
「calling」で映画のエンドロールが始まり、途中で「It’s a Popular Song」に変わるみたいなイメージに近いかも。そんなふうに聴いてもらっても楽しいと思う。
towana
確かに! これからはそう説明します(笑)。

そんなアルバムのツアー『fhána World Atlas Tour 2018』も控えていますね。

佐藤
ライヴというものは人の意思によって作り出された、人工的な“非日常”だと思っています。お客さんも自らの意思で、日常の中に出現したこの非日常の時空間の中に吸い込まれていく。その中では2時間くらいの間、闇と、光と、音と、感情が飛び交ってて。そうして非日常から日常に戻ってきた時に、消えることのない何かを残せたらいいなと思っています。

取材:榑林史章

アルバム『World Atlas』2018年3月28日発売 Lantis
    • 【初回限定盤(Blu-ray付)】
    • LACA-35713 ¥3,600(税抜)
    • ※三方背スリーブ付き
    • 【通常盤】
    • LACA-15713 ¥3,000(税抜)

『fhána World Atlas Tour 2018』

5/27(日) 北海道・KRAPS HALL
6/09(土) 愛知・ボトムライン
6/17(日) 大阪・Zepp Namba
6/24(日) 東京・Zepp DiverCity Tokyo

fhána プロフィール

ファナ:2011年、佐藤純一を中心に、yuxuki waga、kevin mitsunagaの3名のサウンドプロデューサーによって結成。12年秋にゲストヴォーカルのtowanaを正式メンバーとして迎え、現在の4人体制となる。13年8月にシングル「ケセラセラ」でメジャーデビューを果たし、その後は新人アーティストでは異例とも言える連続アニメタイアップなど、シーンを問わず各界から注目を集めている。fhána オフィシャルHP

L→R 佐藤純一(Key&Cho)、towana(Vo)、kevin mitsunaga(Pc&Sampler)、yuxuki waga(Gu)
アルバム『World Atlas』【初回限定盤(Blu-ray付)】
アルバム『World Atlas』【通常盤】

アルバム『World Atlas』全曲試聴動画

OKMusic編集部

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