【Rihwa】
祝・デビュー5周年
軌跡を辿り、未来へ踏み出す最新作
デビュー5周年を記念したアルバム『Rihwa The Singles』。さまざまな表現スタイルに挑戦し、オリジナリティーを深め続けた日々が鮮やかに詰まっている作品だ。収録されている曲たちの思い出や今後の活動への意欲を、彼女に語ってもらった。
5年間の活動が凝縮された作品ですね。
はい。こうしてシングルの曲が集まると“Rihwa”っていうものが客観的に見えた気がします。景色が広い感じとか、さわやかさとかがRihwaなのかもしれないです。あと、自分の曲ながら“ポップだなぁ”ということも感じました(笑)。この5年間で成長できたのかなと感じると同時に、まだまだなところも見えてきましたし、自分自身にとってもこれからが楽しみになったアルバムですね。
Rihwaさんの音楽は乾いたブルースフィーリングがあるところも魅力だと思います。
そうおっしゃっていただけると嬉しいです。アメリカンロックとかカントリーミュージックのような“乾いた感じ”というものは、ずっと意識してきました。ポップで、ロックで、カントリーというキーワードをミックスしたものが、今後の自分の音楽になっていくのかなと思っています。
今作の曲順はどのようことを考えながら決めました?
「CHANGE」が1曲目というのは最初から決めていて、全体はライヴのセットリストを作るような気持ちで考えました。最後の「諦める勇気なんて無いよ(The first Rec.)」はアンコール的なもので、本編は「フレ!」までの15曲というようなイメージですかね。マスタリングの時に改めて全体を通して聴いて、“聴きやすいものになったんじゃないかな”と感じました。
5年間の歌声が1枚になっていると、声質やスタイルの変化も感じるのではないでしょうか?
そうですね。例えば、2ndシングルの「約束」を聴いて、今と声や歌い方が違うなと思いました。自分の声というものを良いかたちで残していただけているのが嬉しいです。この5年間はドラマ主題歌の「春風」をたくさんの人に聴いていただけましたし、“充実してたなぁ”と感じる一方、“もっとやれてたんじゃないかな?”ということも思います。音楽のおかげでいろんな方々と出会えましたし、いろんな経験をすることができた毎日でした。5周年の直前の今年の春に喉の手術をして、ちょっと良くなった時期に旅に出たんですけど、アメリカで念願のシェリル・クロウと会えたのも嬉しかったです。そして、3rdシングルでミシェル・ブランチとコラボレーションをさせていただいたのも、叶えることができた大きな夢です。
ミシェル・ブランチとのコラボは、「GOOD LOVE with Michelle Branch」ですね。
はい。私がカナダに留学していた頃、学校で音楽のクラスがありまして、先生のピアノの伴奏で歌ったんですけど、私が選んだ曲がミシェル・ブランチの「All You Wanted」だったんですよ。そんな方とコラボレーションをしたなんて、今でも信じられないです。先日の来日された時も、ライヴが終わったあとに楽屋でお話することができて。“また何かやりたいです”と言ったら“私の家で一緒に作ろうよ”と!! すごいことが起きていて、不思議な気持ちになります。
Rihwaさんが音楽を真剣に追求してきた姿が、いろいろな曲から伝わってきます。例えば「モンスターのかくれんぼ」は闘っている姿を感じました。
「モンスターのかくれんぼ」は東京に出てきて、コンクリートジャングルの中でもがく気持ちを描いています。今回のアルバムの中でも特にロックに寄ったタイプの曲だと思います。
CMソングになった「明日はきっといい日になる」は高橋優さんの曲のカバーですが、これもたくさんのリスナーとの出会いになりましたよね。
そうですね。5年前は他の方の曲を歌うという発想はなかったんですが、いろんな経験をさせていただいた中で、自分の幅が広がってきたのを感じます。「明日はきっといい日になる」は、優さんがサウンドプロデュースをしてくださいました。私は札幌出身で、地元でシンガーソングライターとして活動を始めたんですけど、優さんも札幌で6年間活動をしていたんです。お互いにインディーズの頃から出会っていたんですけど、優さんは当時からずば抜けた存在でしたね。私は部活をやっていなかったですし、高校もカナダだったので、“先輩”というような存在はいないんですけど、優さんはそんな私にとって唯一の“先輩”だと思っています。そういう方の曲を歌わせていただけて幸せです。
新曲の「諦める勇気なんて無いよ」は、喉の手術をして休養していた時期に作った曲ですよね?
はい。私は歌を歌うことに対して、絶対に諦めたくないという気持ちがあります。諦めることのほうが怖いです。とてもストレートにその気持ちを描いていて、カッコ悪い部分も曝け出しているのが、この曲ですね。5周年をみなさんとお祝いできるアルバムの中で、自分の素直な気持ちをかたちにして、その上で次に進んだほうが自分にとっても良いんだろうなということも考えていました。一旦、“Rihwaの第一章”というものにピリオドを打ちたいという気持ちもあったので、ここから第二章へと進んでいくことができそうです。そして、自分の歌をもっともっと成長させたいです。
現時点で思い描いている、今後表現していきたいもののイメージは何かありますか?
この前、アメリカに行った時にテネシー州のナッシュヴィルにも行ったんですけど、“私、やっぱりカントリーミュージックが好きだな”ということを現地で感じたんです。だから、そういうものを自分なりに表現したいですね。元気で、スカっとできて、前向きになれるような曲を作っていきたいです。私のバックグラウンドにある音楽を大事にして、もっと勉強したい気持ちでいっぱいなんですよ。みなさんのおかげで、すごく前向きに6年目を迎えられそうです。
取材:田中 大
アーティスト
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