【Yum!Yum!ORANGE】Yum!Yum!ORANGE
代官山UNIT 2008年10月5日

撮影:柴田恵理/取材:ジャガー

ライヴ開演前と言えば、独特の緊張感が張り詰め…が、当たり前だと思っていた。しかし、Yum!Yum!ORANGEの場合は和やかなムードが広がる。なぜか、不思議と落ち着いてしまうのだ。きっと、愛情を込めて音楽に向き合ってきた彼女たちの想いが自然とそうさせているのだろう。 暗転になるや否や、歓声と手拍子が沸き起こる。メンバーが登場すると、さらにその音は巨大化し大量の熱を発するのだった。そんなオーディエンスに向け、1曲目「スカイウォーカー」を浴びせ、続けざまにアッパーなナンバーで攻める。さらに、新たな挑戦としてKUMI(Vo)がギターを持って歌う場面も! “今日はどうなったっていい”と、豪快なギターをかき鳴らし会場を驚かせるのだった。強く押し出されるギター、繊細なベース、しっかりバンドを支えるドラム、心弾ませるホーン隊が放つエッジの効いたナンバーの数々に酔いしれるとともに、どこか今までとは違ったグルーブと生々しさを感じた。 アンコールでは、アルバムプロデュースを務めた杉本恭一が活躍したLA-PPISCHの「パヤパヤ」をカバー。しかし、忘れてはいけないのが「Welcome to the wonderland」。これをやらなきゃ終わらない、それほど定番になったこの曲に渾身の力を込める。ライヴ終了後のメンバーは、達成感と充実感に満ちた表情を浮かべていた。結成10年を目前に、さらに加速度を上げるYum!Yum!ORANGEを体感できた一日だった。

Yum!Yum!ORANGE

名古屋発、元気なスカ・ポップ・サウンドであっという間にインディーズの人気者となった男女混合6人組バンド。フジテレビ系の人気アニメ『こちら葛飾区亀有公園前派出所』のオープニング曲「葛飾ラプソディー」をスカで歌っている元気な女の子バンド、と言えば多くの方が「ああ!」と思い出すだろう。
名古屋で99年ごろからオリジナル曲を作り始め、ライヴ活動を開始。02年、初のフル・アルバム『ORANGE STREET 33』をインディーズでリリース、スマッシュ・ヒットを記録した。その後、数々のイベントや対バンライヴに出演し、全国区のバンドへと急成長を遂げるが、03年5月にヴォーカルが脱退。その後、KUMIを新ヴォーカリストとして迎え活動を再開している。親しみやすい楽曲の数々と、演奏に力強さと安定感があるのが特徴。スカの楽しさを感じさせる底抜けの明るさは、彼らにとって大きな武器になっている。
04年に2ndフル・アルバム『ORANGE JUICE』、05年に3rdアルバム『ORANGE FUNKY RADIO』、そして06年10月に4thアルバム『Jelly Beans』をリリースと快調に作品を発表し続けている。

アーティスト