【SUEMITSU&THE SUEMITH】SUEMITSU
&THE SUEMITH 赤坂BLITZ 2008年4月
21日

撮影:太田好治/取材:高木智史

彼のライヴではお馴染みとなった舞台の幕に写されたベートーベンが燃え落ち、それと同時に起こった拍手の中、2ndアルバム『Shock on The Piano』を引っ提げた今ツアーのファイナルは始まった。掻き鳴らされるギター、弾むピアノの旋律が無条件に観客のテンションを上げる「Rock a Nova」、そして「Teddy Bear」とアップテンポな楽曲が続き、ファンはクラップをし続け、それをSUEMITSUは自らの旋律に体を揺らしながら眺めていた。彼は観客とともに手拍子を取ったり、雄叫びを上げたり、ライヴをファンと一緒に楽しもうという姿勢を見せ、それが観客との一体感を生んでいた。また、このツアーではこれまでとは違ったアプローチを用い、ライヴをより楽しいものにしようとしていた。そのひとつはピアノとヴァイオリンによるアコースティックステージだ。心地良く、たおやかな音色が響き渡り、曲が終わるとともにドッと押し寄せる喝采。会場はクラシック演奏会へと様変わりする。しっとりと聴かせながらもSUEMITSUの楽曲には独特の弾むようなポップさがあり、それが観客のやわらかな笑顔を作り出していた。また、恒例のカバータイムでは大江千里の「Glory Days」を披露。そして個人的にすごく驚き、見入ってしまったのがアンコール1曲目の「Basketball Game Crush」。なんと、ギターを提げ、登場したのだ。彼のバンドとともに繰り出される豪快なギターと中央にいるだけで迫力を感じるステージング。初のツアーのファイナルとなったこの日、終始、満足気な表情を浮かべるSUEMITSUと、さまざまな魅力を見せられ、歓喜の喝采を上げるオーディエンスがそこにはあった。

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