【plane】plane Shibuya O-WEST 200
7年11月6日

text:高木智史

アルバム『localizer』を引っさげたツアーも、この日のライヴで折り返し地点。planeの集大成と言える作品だけにメンバーの表情には自信がうかがえ、プレイも同様、堂々とした姿があった。演奏が始まるや否やサウンド、歌、ハーモニーの重なりによる美しいバンドアンサンブルに会場は包まれる。視点をメンバーに変えてみると、一音一音を丁寧に奏で、繊細なギターワークを見せる久光正昭(Gu)、土台となりサウンドを支えながらも時に音全体の前線にもなり得る存在感を感じさせる神本圭祐(Dr)、同様に緻密なサウンドのリズムを牽引する木田佳文(Ba)と、彼らはそれぞれの主張をしながら全ての音を一体させ、ひとつの情景を表す絶妙のバランス感を見せていた。そして、そのメンバーの中でも特に菊地佑介(Vo&Gu)はplaneの核である歌をしっかりと伝えるべく歌い上げる。「arrow」では猛々しく感情を爆発させ、「花火」では相反し、曲の情景と同じく儚さを表現する。ファンもそれらの曲に揺れたり跳ねたりし、「桜はまだ咲いている」では菊地と歌い合わせ、感情を共有していた。MCでは中学からの同級生であるメンバーでしか語れない思い出話や仲間を大切に思う言葉があり、そんな光景をファンは温かく受け入れるのだった。 彼らの打ち出すべき音楽性、表現力、オーディエンスとのコミュニケーションが見られたこの日のライヴは、planeというバンドにとってのこれまでの成果であり、これからの未来への重要な通過点となっただろう。

plane

ポジティヴ・ワードをちりばめた良質ポップ・ロックを鳴らす4人組。関西を中心に精力的な活動を展開中であると云う。シング・アロング係数の高いキャッチー・メロディと、よく練られたアレンジが印象的。将来、ビッグになる可能性大いにアリ。

アーティスト