【POSSIBILITY】POSSIBILITY 新宿LO
FT 2007年6月8日

text:高木智史

POSSIBILITYによる『What’s your NAME? TOUR』ファイナル!そのオープニングに盟友START FROM SCRATCHが登場。同じ湘南を拠点としている彼らはスタジオで何度も顔を合わせ、練習し合うほど関係値は深く、ツアーファイナルという大舞台をステージ上から祝福していた。そしていよいよ大一番を迎える。1曲目「NAME」から歓声の上がりよう、タオルの振り回しよう、踊りようは半端なく、43K(Left-Microphone)も“ヤバいね”と漏らしてしまうほどの熱狂的なライヴを繰り広げる。それはメンバーにとって、この日のライヴが特別なものであり、この一本勝負に懸ける気迫、モチベーションがもたらせたものだった。ポジティブで現実感のあるアツいメッセージが込められた歌詞が2MCによって繰り出され、ゴリゴリのバンドサウンドに乗った時の疾走感を備えた楽曲は思わず体が前のめりになる力を持っており、それにより生まれた高揚感で会場は満ちていた。そしてこの日の素晴らしいライヴを構成したもうひとつの最大の要因はオーディエンスとのファミリーとも呼べる一体感である。“ここにいるみんなが仲間だ”“みんなの存在が誇りだ”と伝えられる無垢な思いは今のPOSSIBILITYが在る理由を物語っており、ファンも直接声を返し、彼らの勢いを後押ししていた。その場にいる者を一瞬で惹きつけるライヴパフォーマンスを持ち、ファンと同じ目線で楽しもうとするピースフルなライヴを展開するPOSSIBILITYの強さをまざまざと感じたツアーファイナルであった。

POSSIBILITY

キャッチーなメロディと男性2人のラップが心地よいヒップ・ホップ・バンド。HAYATO(dr)、SHIMADA(b)、43K(left-microphone)、EIG(right-microphone)、KAZU-O(g)の5人が99年に藤沢で結成。03年にDragon Ashの秋ツアーでオープニング・アクトをつとめ注目され、04年に初のフル・アルバム『Now Or Never』をリリースする。シンプルなバンド・サウンドと等身大のメッセージを伝えるポジティブなライムは、多くの若者の心をつかんでいる。

アーティスト