【Linked Horizon】『トーク&ライブ
イベント「自由への進撃」』2013年7
月26日 at Zepp DiverCity Tokyo

撮影:江隈麗志、佐藤祐介/取材:石田博嗣

 人気アニメ『進撃の巨人』の前期/後期オープニングテーマのお披露目とトークを盛り込んだツアーの最終公演。まず幕開けを飾ったのは、前期オープニング曲「紅蓮の弓矢」。TVサイズでは表現しきれない部分を詰め込んだものがパッケージであるなら、それを再現するのがライヴ。しかも、バンドメンバーはSIAM SHADEの淳士(Dr)などの凄腕プレイヤーばかり。威風堂々としたサウンドは、より勇ましさと力強さを増し、そのダイナミックなバンドグルーブでもって会場を埋め尽くすファンを瞬く間に高揚させたことは想像に容易い。2曲目は“鎖地平団”団長ことRevoのニューギター“Flying Freiheit”がその姿を見せた、後期オープニング曲「自由の翼」。西山毅とYUKIの超絶テクのツインギターだけでも聴き応え十分なのに、そこにRevoも加わり幽玄なユニゾンを聴かせた。そんな壮絶な2曲の後に披露されたのは、柳麻美をフィーチャーした壮大なバラード「もしこの壁の中が一軒の家だとしたら」。わずか3曲で『進撃の巨人』の世界を壮絶に表現してみせたのだった。その後、同アニメのプロデューサー木下哲哉氏を招いての音楽・音響効果に関するトーク、後期エンディングテーマを担当しているゲストのcinema staffのライヴ、さらに出演者全員による同アニメを題材とした川柳コーナーをはさみ、再びLinked Horizonのライヴへ。前作「ルクセンダルク小紀行」からの楽曲や本体であるSound Horizonのナンバーで完全燃焼し、最後は会場全体で「紅蓮の弓矢」のカラオケを熱唱し終幕。Revoも“進撃、最高!”と何度も叫んでいたが、Linked Horizonを通して『進撃の巨人』の世界を、逆に『進撃の巨人』を通してLinked Horizonの魅力を満喫した一夜だった。
 さらに終演後、Sound Horizonが10月9日に3年ぶりに新作をリリースし、10月26日には“Revo's Halloween Party”と銘打ったライヴをさいたまスーパーアリーナで開催することがアナウンスされた。Sound Horizonの新章の幕開けに、客席から歓喜の歓声が沸き起こったことは言うまでもないだろう。



セットリスト

  1. 紅蓮の弓矢
  2. 自由の翼
  3. もしこの壁の中が一軒の家だとしたら
  4. 望郷(cinema staff)
  5. 君になりたい(cinema staff)
  6. great escape(cinema staff)
  7. 戦いの果てに[Long Version]
  8. 彼の者の名は…[Vocalized Version]
  9. 冥王 -Θανατος-

Linked Horizon

サウンドクリエイター・Revoによる音楽ユニット。自身の主宰するSound Horizonと異なり“他作品とリンクする”ことを目的としており、タイアップ楽曲ではこちらの名義が用いられる。作詞、作曲、編曲のすべてをRevo自身が手がけており、演奏者やコーラスは楽曲によって変わる。退廃的でストーリー性の強い歌詞、アニメソングやメタル、ハードロックやプログレの要素を組み込んだ複雑で壮大な構成の楽曲が特長。2012年、Revoのポニーキャニオン移籍とニンテンドー3DS用ゲーム『ブレイブリーデフォルト』の音楽担当決定に伴い発足。同年8月に1stシングル「ルクセンダルク小紀行」をリリースし、オリコン最高位7位を獲得する。同年9月にアルバム『ルクセンダルク大紀行』を発売し、11月に同作を再現する『Revo Linked BRAVELY DEFAULT Concert』を横浜アリーナにて開催。同公演は2013年3月にDVD&Blu–ray化された。同年7月、他作品とのリンク第2弾となるアニメ『進撃の巨人』のオープニングテーマ「自由への進撃」を発表。オリコンデイリーランキング1位を獲得した。

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