【Linked Horizon】
Revo×SQUARE ENIXのコラボが実現!

Sound Horizonを主宰するRevoによる新プロジェクト“Linked Horizon”が始動。第一弾シングル「ルクセンダルク小紀行」は、SQUARE ENIXの新作RPG『BRAVELY DEFAULT』とのコラボレーション作品だ。
取材:森 朋之

まず、Sound HorizonとLinked Horizonの違いから教えていただけますか?

端的に言うと、オリジナルの物語をもとにしているのがSound Horizon、別の作品とコラボレーションするのがLinked Horizonという感じですね。Sound Horizonでアレもコレもやるのではなくて、分けたほうが分かりやすいだろうと。

なるほど。第一弾シングル「ルクセンダルク小紀行」はSQUARE ENIXのRPG『BRAVELY DEFAULT』とのコラボ作。ゲーム音楽も手がけられていますが、制作はどんなふうに進んでいったのですか?

設定資料やシナリオを読ませてもらって、そこから音楽のイメージを膨らませていって。ゲームの内容に関わってくるので詳しくは言えないんですけど、ひと筋縄ではいかない展開やドンデン返しもあって、“お、そうきちゃうのか!”ということもありつつ(笑)、楽しくやってましたね。基本的には王道のRPGなんですが、独自のシステムがいくつも搭載されていて、斬新な味わいがありました。

Sound Horizonの場合は、基本となる物語や背景などもRevoさん自身が構築するわけですから、そこは大きく違いますよね。

そうですね。ただ、物語に対して“どういうメロディーがいいだろう?”と考えていく作業はまったく同じですから。メーカーのほうからガチガチに固められていたわけではなくて、“お任せします”という部分も大きかったから、自分の中でバランスをとりながら構築していった感じです。

Sound Horizonの音楽とゲームミュージックは共通点も多いような気がします。もともと、ゲームの音楽にも興味を持ってたのですか?

“ピコピコ”している時代から、耳に残ってましたね。ロックやクラシックと並列して、自分の中に存在していたと言ってもいいと思います。影響もかなり受けてると思いますね。例えば普通に日本で暮らしていて、世界の民族音楽に触れる機会はあまりないと思うんですよね。それがゲームの場合はある。

確かに。ゲーム音楽の中には、民族音楽の要素を取り入れているものも多いですからね。さまざまなジャンルの音楽を取り込めるというか。

そうなんですよね。Sound Horizonの音楽にも、普通にJ-POPだけ聴いていたら親しまなかったであろう手触りの曲調も含まれているので。

「ルクセンダルク小紀行」は『BRAVELY DEFAULT』のために書き下ろした楽曲をシングルとして再構築した作品ですが、制作の上で意識していたことはありますか?

『ルクセンダルク小紀行』には、ゲームのエンディング主題歌に当たるものも収録されているんですね。ゲームをプレイする人にとっては、最後までクリアした時に初めて聴ける楽曲なので、そこはかなり意識していました。まず、ネタバレは防がなくちゃいけない。このシングルを聴くことで、ゲームの中で何が起きたか分かってしまってはダメなので。ゲームの世界観、プレイヤーがエンディングを迎えた時のテンションに寄り添いつつ、普遍的な歌として成立させるというか…

なるほど。ハードロックテイストのアップチューン「彼の者の名は…」とエキゾチックな雰囲気のバラード「希望へ向う譚詩曲」は“Vocalized Version”となっていますが、歌詞の内容もゲームの世界とリンクしているのでしょうか?

キャラクターの歌だと捉えられる部分もあるし、もっと広く、全ての人間に共通しているところもあると思います。例えば登場人物に悲しいことが起きて、落ち込んでいるシーンがあるとしますね。それは基本的にゲームの中の話なんだけど、誰にだって同じようなことが起こり得るわけですから。

ゲームに興味がない人でも、十分に楽しめる作品ですよね。音楽家、クリエイターとしても新鮮な経験だったのでは?

そうですね。Sound Horizonでも毎回、違う挑戦はしてるんですよ。ただ、方法論としては固定されている部分もあって。

組曲形式で物語を描くというスタイルですよね。

最初に言ったようにLinked Horizonの場合は他の作品とのコラボレーションが基本なので、そこは新鮮ですよね。今回のシングルには、セリフやナレーションらしきものは一切入ってないんですよ。Sound Horizonが音楽以外の要素も取り入れながら物語を描いているのに対して、Linked Horizonは結構音楽重視と言えるかもしれないですね。

9月19日にはアルバム『ルクセンダルク大紀行』をリリース、さらに11月25日には横浜アリーナで『Revo Linked BRAVELY DEFAULT Concert』も開催。Linked Horizonの可能性はさらに大きく広がっていきそうですね。

積極的に他のジャンルの作品とコラボレーションするというかたちが確立できたことは、良かったと思いますね。ゲームや映画、アニメといった分かり易いコラボばかりではなく、もしかすると“Revo Linked 東京オリンピック”とかね(笑)

期待してます。ファンの方はSound Horizonの活動も待ち望んでると思うのですが…。

決して休んでいるわけではないんですけどね。次の作品も温めているし、カタチになる時を待っている状態ですね。
「ルクセンダルク小紀行」2012年08月22日発売 PONY CANYON
    • 初回限定盤(DVD 付)
    • PCCA-03644 1800円
    • 通常盤
    • PCCA-03645 1200円
    • BRAVELY DEFAULT 盤
    • PCCA-03646 1200円
Linked Horizon プロフィール

サウンドクリエイター・Revoによる音楽ユニット。自身の主宰するSound Horizonと異なり“他作品とリンクする”ことを目的としており、タイアップ楽曲ではこちらの名義が用いられる。作詞、作曲、編曲のすべてをRevo自身が手がけており、演奏者やコーラスは楽曲によって変わる。退廃的でストーリー性の強い歌詞、アニメソングやメタル、ハードロックやプログレの要素を組み込んだ複雑で壮大な構成の楽曲が特長。2012年、Revoのポニーキャニオン移籍とニンテンドー3DS用ゲーム『ブレイブリーデフォルト』の音楽担当決定に伴い発足。同年8月に1stシングル「ルクセンダルク小紀行」をリリースし、オリコン最高位7位を獲得する。同年9月にアルバム『ルクセンダルク大紀行』を発売し、11月に同作を再現する『Revo Linked BRAVELY DEFAULT Concert』を横浜アリーナにて開催。同公演は2013年3月にDVD&Blu–ray化された。同年7月、他作品とのリンク第2弾となるアニメ『進撃の巨人』のオープニングテーマ「自由への進撃」を発表。オリコンデイリーランキング1位を獲得した。Linked Horizon オフィシャルHP

OKMusic編集部

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