【SIAM SHADE】『SIAM SHADE LIVE T
OUR 2013~SIAM SHADE HEART OF ROC
K 7~』2013年10月27日 at さいたま
スーパーアリーナ

 マネージャーの中村新一氏の七回忌をきっかけに、約12年振りに全国ツアーをスタートさせたSIAM SHADE。その初日を飾る本公演はソールドアウトとなり、約1万8000人を動員! 満員御礼の客席は開演と同時にアツい歓声を響かせた。そんな会場を鉄壁のバンドサウンドで沸かせ、「RAIN」などのメロディックかつHM/HRテイスト全開のナンバーで、場内の熱気を加速度的に高めていく。しかも、“今日のセットリスト、いつもライヴでやらない曲をやる超プレミアムだから”と栄喜(Vo)。どの楽曲もイントロが鳴った瞬間に悲鳴にも似た歓声が会場を揺らし、観客も一緒になって歌っている。さらにDAITAの華麗かつ壮絶なギタープレイをフィーチャーしたインストタイムでは、楽器陣のずば抜けた演奏力で客席を魅了。

 中村氏が愛していたというハードチューン「Shout out」をはじめ、ヒット曲「1/3の純情な感情」など全22曲を披露し、最後まで観客を熱狂させ続けるのだった。中でも印象的だったのは“この日のために作った12年振りの新曲”という栄喜の言葉のあとにプレイされた「Still We Go」。SIAM SHADEの王道とも言える痛快で爽快なロックサウンドに乗せて、《希望も 未来も 前にしかない》とメッセージを込め、《今俺たちは 一つのSIAM SHADE》と高らかに歌う新曲は、その言葉通り会場の心をひとつにしていた。

 また、中村氏の誕生日でもある11月19日にZepp DiverCity Tokyoでの最終追加公演も発表され、七回忌とリンクするように全7カ所となった本ツアー。この日も“みんなもだけど、新一さんにびっちりいろんなものを伝えたい”と語るなど、中村氏への感謝の想いが垣間見れたことも追記したい。



セットリスト

  1. 現在ツアー中のため、セットリストの公表を控えさせていただきます。

SIAM SHADE

シャム・シェイドは、幾多のメンバー・チェンジを経て、94年に栄喜(vo)/KAZUMA(vo&g)/DAITA(g)/NATIN(b)/淳士(dr)という現在のラインナップとなる。インディーズから1stアルバム『SIAM SHADE』をリリースして、翌年メジャー・デビュー前に渋谷公会堂でのワンマン・ライヴを成功させる。96年の『SIAM SHADE III』では、オジー・オズボーンなどを手がけたDAVID BIANCOをミックス・エンジニアに迎え、攻撃的なギター・リフを前面に押し出した。またこの作品で、「80年代L.A.メタル風サウンド」と「歌謡曲テイストな歌メロ」の融合に成功。そして翌年には、いきなりキャッチーなサビからスタートする、「1/3の純情な感情」で大ブレイクし、人気を不動のものとした。
彼らを単なるポップ・バンドやヴィジュアル系バンドと捉える向きも多い。しかしそのサウンドによく耳を傾けてみれば、ツイン・ギターによる華やかなリフを軸にした、普遍的なメロディアス・ハード・ロックであることは明白だ。卓越した演奏能力もそうだが、甘い歌声とカラフルなメタル・サウンドの不思議な交錯——これが彼ら最大の魅力ではないだろうか。
01年12月28日には、かねてからの夢であった日本武道館ライヴを成功に収めたシャム・シェイドだが、直後の02年1月に解散を表明。3月に再び武道館のステージに立ち、その歴史に幕を閉じる……。

アーティスト