【SOFFet】


取材:高木智史

たくさんの世代の人が共感できるような音

今作はベスト後、初めて打ち出す作品ということで何か意識したことはありますか?

GooF

常に新鮮なものを届けたいという意識で毎回制作には取り組んでますが、今回もSOFFetの新たな一面が見せれたんじゃないかなと思います。特に意識したことは、自分自身の内面を思い切りさらけ出すこと。決して綺麗事に聞こえるようなものにはしたくなかったので、“花”という世界観を存分に使って思い切り表現しました。制作はベストリリース後の9月から10月くらいで行ないました。ベストリリース後に改めて自分たちのやってきた音楽というものを客観的に見つめ直せたので、次のステップの第1作目はどういうものを表現したいか、というところを十分に話し合いましたね。もっともっとたくさんの世代の人が共感できるようなSOFFetのオリジナルな音楽って何なのか、という壁に自らぶち当たっていった作品かもしれません。

トラックにはメロディーの美しさや心地良いビート、歌詞の温かくて前向きなメッセージというSOFFetさんのこれまでに築き上げてきたものの全てが込められているように感じました。それも“花”という世界感を存分に表すために必要だったことなのでしょうか?

YoYo

トラックに関しては、生楽器の持つ温かさやグルーブ感を取り入れることを一番意識しています。かと言って、全て生にしてしまうと音としての新しさは失われてしまうと思うので、打ち込みでしか出せない音圧や気持ち良さをプラスすることで、オリジナルサウンドに行き着けばいいなと思っています。最近の曲作りに関しては歌詞をかなり重要視していて、メロディーと歌詞が良い具合に絡まなかった場合、歌詞を優先してメロディーを変更したりするケースも増えてきました。伝えるということを一番に考えて、歌詞作りをしています。

では、「花」で一番伝えたかったことというと?

YoYo

やはり今回も生きていく上でたくさんの人が感じるであろうことを表現したので、その心の叫びである部分を聴いてほしいです。その感情を表現するためにいろんな音が加わって曲として完成したような気がしています。

「隣には君がいる」は季節的にピッタリな歌詞で描かれていますが、別れてしまった、切なさのある歌詞ですよね。ハッピーエンドではない理由などはあるのでしょうか?

GooF

出会うことと別れること、それは切っても切り離せない、対のようなものだと思います。肌寒い冬は出会いの幸福感と別れの切なさ、その両方を感じてしまう不思議な季節。今現在幸せでも別れを想像して寂しくなってしまう…そんな人間味のある世界を表現したかったのです。

「Music Traveler with BENNIE K」はBENNIE Kとのコラボですが今後、コラボレートしてみたいアーティストは?

GooF

今年はたくさんの方とコラボレーションさせてもらいましたが、とても刺激的で勉強になるところがたくさんありました。これからもいろんな方とコラボレーションしてみたいと思ってますが、欲を言えば僕らとはまったく違う何かがある人、そんな心からリスペクトできる人とやってみたいです。

YoYo

音楽以外の分野の方ともコラボレートしてみたいですね。

SOFFet

YoYo(mc&trackmaker)とGooF(mc&trackmaker)からなる2人組男性スウィング・ラップ・ユニット。二人は小学時代からの友人で、学生時代から様々なユニットで音楽活動を行っており、17歳でレーベル・オーディションの最終選考に残ったこともあるほどの実力派。バークリー音楽院に留学していたYoYoがアメリカから帰国したのを機に、02年にインディーズから『ソッフェのぽかぽかミュージック』をリリース、高い評価を得る。03年、満を持してシングル「君がいるなら☆」でメジャー・デビューを果たし、1stアルバム『Carnival』はスマッシュ・ヒットを記録した。彼らの魅力は、軽快なラップ・センスはもちろんのこと、トラック・メイカーとしても抜群のセンスを持っているところだろう。R&B、ジャズ、カントリー、レゲエ、ラテン、ヒップホップなど、ありとあらゆる音楽を織り交ぜた独自のSOFFetワールドを築き上げている。

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