【HOLIDAYS OF SEVENTEEN】


取材:高木智史

単純に楽しんでもらえるようなライヴを作りたい

つい先程ライヴも観ましたが音が分厚くなって、曲間のつなぎもかなりしっくりきてましたよ。ツアーももう終盤ですね。

三浦

そうですね~。ツアーに出たことで小ネタはいろいろできましたね(笑)。ダンスとかも取り入れたりしてね。

中原

同じセットリストでやったこともほとんどないからね。

いろいろ試しながらツアーをしているのですね。で、早速アメリカでのお話をうかがいたいのですが、まずツアー関係なくアメリカでのエピソードを教えてください。

三浦

Local Sound StyleとアメリカのParker Theoryとツアーを回って、Localとはもともと仲が良かったんですけど、さらに絆が深まったと思いますね。でも、帰り際に病気になったのは辛かった。

少し痩せましたよね?

三浦

5キロくらい。疲れが溜まると時々なるんですけど、口の中が荒れちゃって、熱は出るし…最近やっと食えるようになったぐらいなんですよ。

中原

僕は海外に行ったことがなかったので、全部見えるものがカッコ良くて、新しくて。で、僕も病気というか、手が失神みたく荒れちゃって、痛すぎて一度、ライヴを休んだんですよ。その時ちょうど、Parker Theoryのヴォーカルの奥さんの家族が医者で薬をもらったんですけど、3日後ぐらいに体がムキムキになって(笑)。風呂に入ろうと思って服を脱いで鏡を見たら、アレって(笑)。

三浦

あっ! あとひとつ辛かったのは、アメリカでは機材がライヴハウスにないんです! だから、ドラムもアンプも全部持ち込みなんですよ。場所によってはスピーカーもないし。なんかバーにステージがあって、一応PAシステムがあるらしいみたいな。リハもないし。

中原

だから、アメリカのバンドはキツい思いをしてライヴをするから、一本に懸ける思いが違うんだなって。実際にそれでも現地のバンドはまともな音を出すんだよね。

それは単純に鍛えられますよね。

三浦

そうですね。海外のバンドって激しいパフォーマンスが印象としてあると思うんですけど、それが理にかなってるんですよね。それぐらいしないと音が出ないからね。日本だとPAさんが調整してくれますもんね。それは実感しました。

逆に日本のバンドとして感じた海外のバンドにはない魅力は何かありましたか?

三浦

海外のバンドはナルシストな部分があるかな。自分をカッコ良く観せれるというか。僕らはそれよりもお客さんと一緒に楽しもうというスタンスなんだけど、そういうバンドはいなかったかな。だから、そういう部分を活かしていこうと思ってやってました。

中原

ライヴのダイナミクスというところでは、やっぱ海外のバンドの方が圧倒的なんですけど、逆に音を作り込むという繊細な部分は日本人の方があって、いい意味でA型っぽいと言うか。

三浦

音を構築していくという部分では、そこが日本人気質なんだろうなと。あと、Localがライヴの最後にギターを投げ放った時に、“やりやがったぜ、こいつら!”みたいなスタンディングオベーションが起こって。気持ちをガンッて伝えればダイレクトに返ってくるんだなと思いました。お客さんのタイプは日本とは全然違いましたね。バンドを品定めするようなお客さんはいない。

なるほど。ツアーはもう終盤ですが、最終的にどう締め括りたいですか?

三浦

自分たちが成長している実感はあって、特にアメリカツアーが終わってそう思います。もうどこでもライヴができるなと思いますし。ラストは集大成を観せたいですね。

中原

僕もアメリカに行ったのがデカかったですね。海外のバンドやお客さんは、単純に音楽を楽しんでる感じがすごく伝わってきたんですよ。日本だと、悪く言ったら知らないバンドだったら観なかったりするんですけど、それってすごくもったいないなと。だから、単純に楽しんでもらえるようなライヴを僕らが作っていけたらなと思います。

HOLIDAYS OF SEVENTEEN

ホリデイズ オブ セブンティーン:2004年10月福岡にて結成。indiesmusic.comチャート1位を獲得したデモ作品「dum e.p.」、Local Sound StyleとのスプリットEP「Miles Away」を通じて、九州インディーシーンを席捲中の5ピース。極上のメロディーセンスを持つ楽曲は“和製WEEZER”とも評され、高い評価を得ている。

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