【Naifu】


取材:石田博嗣

次はもっといいものが作れるって実感している

Naifuはメンバー全員がリードヴォーカルをとれて、いろいろなアプローチができるだけに、1stアルバムではその振り幅を出してくると思ったら、中心にあるバンドという部分を出してきたのかなと思ったのですが。

志音

確かにそうですね。それがNaifuのベーシックな部分だし、それぞれの楽器だったり、声だったりを活かした楽曲を作りたいと常に思ってるので。

洋楽的なサウンドからJ-POP的なものまであるのは、Naifuのカラーであり、コンポーザーの志音くんの味なのでしょうね。

志音

聴いてもらって“いいね”と思ってもらえる曲であれば、それでいいというか…勢いのある曲には勢いのエッセンスをかけるし、メロウなものにはメロウなエッセンスをかけるんですけど、ただの料理であって、そこは職人になりたくないんですよね。Naifuは舌が肥えている人だけじゃなくて、そうじゃない人にも聴いてもらいたい…僕は自分のおばあちゃんだったり、おじいちゃんとかが“いい曲だね”って言ってくれる曲を作っていきたいですし、アレンジでもそういう部分を意識してます。もちろん、今の若い子に刺激的なビート感のある楽曲も作りたいけど、音楽的な理論や哲学で組み立てていくような作り方は一生したくないですね。

荒神

よくプロデューサーからも言われるんですけど、“これが◯◯産のもので、これは××産のもので~”っていうことなんてどうでもいいんですよ。出来上がった料理が美味しか、不味いかが問題なんですよね。ーー今回のレコーディングはどんな感じでした?

荒神

シングル曲ってタイアップとかもあって、1曲の制作に時間をかけてあげられるサラブレットみたいなものじゃないですか。でも、それ以外の曲というのは膨大なストックの中から這い上がってきたようなタイプがまったく違うものなんで、それをサラブレットに負けないものに仕上げるのがアルバムのレコーディングなんじゃないかなって思うんですね。だから、そういうところを意識してましたね。

志音

あと、眠れなかった(笑)。

山口

家に帰っても、頭の中で曲が流れてましたしね(笑)。

志音

家でも音楽制作のスイッチは入ったままでしたね。

荒神

僕、レコーディングが終わった夢を見ましたよ(笑)。

志音

それは切ない(笑)。だから、精神面が鍛えられましたよ。もちろん、楽しいんですよ。でも、寝れないのはキツい。

荒神

一日置きにしか眠れない時期があって…24時間まったく寝ずに歌詞を書いて、書き終わったらレコーディングをして、それが終わったら寝る。でも、その歌詞がよくなかったら、また寝ずに歌詞を書き直す。そういうのが2週間ぐらい続きましたね。でも、完璧なものが書けて、レコーディングが終わって、それを聴いている時が一番楽しいんですよ。

Naifu

ナイフ:2005年、荒神が山口と村上のふたりと大阪のスタジオで出会う。その後、プロデューサーの紹介でMR.ORANGEやSCHONとして活動する志音が加わって結成される。以降、大阪のライブハウスを中心に勢力的にライブ活動を行ない、08年7月にシングル「Take The Wave」でメジャーデビューを果たした。

アーティスト