【Scars Borough】


取材:石田博嗣

“ウチ等のやること=ロックンロール”と認知させたい

「ロックンロールをやるっていうのが、このバンドの始まりだったんだよね。暗い時代にスコーンと突き抜けた音楽を撒き散らして、ハッピーにさせてやるって。そんなことを本気で考えてる大人って、ものすごくアホで素敵でしょ? サウンド的には徹底的にロールしてやろうと。“ロック”というよりは“ロール”に意味があるね」(本郷)

そう、Scars Boroughはロックンロールをやるために結成されたバンドなのである。そして、その目的のために、この4人が集まった。それは偶然でなく、必然だったことを、初めて音出した時に実感したという。

「初めて音を出すって瞬間は、疑心暗鬼だったり、興味津々だったり、それぞれにいろんな気持ちが内面に交錯するもんなんだけど、“OK、バッチリじゃん”って感じだった。“せーの”で出した音のバンド感というか、集合体としての面構えがえらくカッコ良かったんだよね。この4人じゃなきゃ出せない、そんな空気感があふれ出てた。初日から、“以前から組んでいた”みたいな感覚があったね」(本郷)

そんなロックな4人が完成させた、1stミニアルバム『Scars Borough』。言うまでもなく、ソリッドで痛快なロックンロールがガツンと届いてくる。

「全部がスッキリとシンプルなものにしたい…と思ってたら、全曲3分ジャストに近い作品になってた。“もう一回聴きたい”と思わせるアルバムにしたかったんで、ソロもあえてなくして、トコトンソリッドに!って感じだったな」(本郷)

「シンプルだからこそ届く深さっていうか…それぞれの人間性を感じるようなアルバムになったかな」(高橋)

最後に、Scars Boroughをどんなバンドにしたいと思っているのかを尋ねてみた。

「“ウチ等のやること=ロックンロール”と認知させたいね。実際、ロックンロールの定義も曖昧なものだし、ウチ等が提示するカッコ良いもの、それがロックンロールなのだよ、諸君。なんちって」(本郷)

「精神的にも、音楽的にも自由にかな。ロールを前提に! 難しいことは頭の良い奴に任せたぜ!」(高橋)

Scars Borough

スカーズ ボロ:2009年、それぞれのバンドの活動休止をきっかけに、本郷 信(THE TRANSFORMER)、高橋宏貴(ELLEGARDEN)、Kyoko(minimal Hugg)、MARCH(minimal Hugg)の4人がROCKしようか?”という言葉の下に集結。同年4月にミニアルバム『Scars Borough』 を発表すると、全国40カ所の対バンツアーを敢行し、その圧倒的かつ野獣的なライヴパフォーマンスによって高い注目を集めた。

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