【POLYSICS】自分たちの存在自体がニ
ューウェイブです!
L→R カヨ(Synthesizer&Vo&Vocoder)、ヤノ(Dr)、フミ(Ba&Vo&Synthesizer)、ハヤシ(Gu&Vo&Pro)
“最強ライヴバンド”の異名を持つPOLYSICSが、ニューアルバム『Absolute POLYSICS』をリリース。POLYSICSとは何か? その答えをサウンドで導き出した今作。POLYSICSを超えた、究極のPOLYSICSがここにある!
取材:フジジュン
さて、ついに完成しましたニューアルバム! “Absolute POLYSICS”とタイトルが付けられていますが、直訳すると“完全なPOLYSICS”という感じですかね?
ハヤシ
そうですね、“絶対的”とか“究極的”とか。
タイトルから自信にあふれていますが、異常なテンションと異常な自信にあふれた、POLYSICSでしかない作品になりましたね。
ハヤシ
今作ができるのにはいろんなきっかけがあって。「Shout Aloud!」の時は“さらに加速したい”とか、「Young OH! OH!」の時は“さらに訳分かんないことしたい”とか言っていたけど、“じゃあ、自分のやりたいことってどんなことなんだろう?”って考えた時、“POLYSICSみたいなことを自分で意識すると、どんなものができるのかな?”と思ったんです。そこで“忙しなく鳴るシーケンスとバンドの疾走感を混ぜた初期のテイストを、今のPOLYSICSにぶつけたらどうなるだろう?”と思って「Beat Flash」を作ったら、“THE POLYSICS”みたいな新しいものができて、それもひとつ自信につながって。自分たちってものを再確認して、やりたいことをやりまくったのが今回って感じですかね。テーマは“POLYSICSが作る、POLYSICSの良いアルバム”ってことだけ(笑)。
前アルバムから1年半、シングルごとにバンドを見直す機会があって、それがアルバムへの流れを作っていたと。
ハヤシ
そう、これまでは常に“自分たちでできる新しいこと”を追求していたんですけど、そんな次元はもう過ぎたというか。やりたいことをやりまくれば、新しいものができちゃうんじゃないかって。自分たちの存在自体がニューウェイブだったってことに、改めて気付いた気はしましたね。そこで出来上がりを聴いてみたら、どのアルバムよりもポップでトガってて、一番POLYSICSらしいアルバムができていたっていう。出来上がった時は本当に快感でしたね! やりきった感は強かったです。
フミ
私もアルバムができた瞬間、“やっとできたな!”って。私は2~3作くらい前から作品作りにガッツリ関わるようになったんですけど、今回は出来上がった充実感が一番ありました。何なんでしょう? 前作までは感覚で作る部分も多かったけど、考えながら作った部分が多かったのが一番大きな違いなんですかね?
ハヤシ
アルバムごとに僕のモードが違うから、そこに合わせる部分もあったけど、今回はそうじゃなかったのが大きかったかも。
フミ
「Beat Flash」から「Young OH! OH!」の流れで全員がモードや空気感を掴んで、そこからはすごくスムーズでしたね。制作時期に分からなくなる部分もありましたけど(笑)。
ハヤシ
その辺は特典DVDを見てもらえれば分かるんですけど、これらの曲ができていったのはほんとにこんな感じで。
(初回生産限定盤)特典DVDは『ノーカット・ノンストップ収録! POLYSICSのレコーディング全貌6時間!』ですよね。すごすぎますよ、コレ(笑)。
ハヤシ
そのままです、完全ノーカットで。曲の断片を持って行って、みんなでセッションしているうちに全体が見えてきて、それをさらにカオスにしていく、みたいな作業の過程が全部映ってて。ほんとにこんな感じでした。作ってる時は何とも思わないけど、改めて観ると自分でも“変わってんな!”って思いますね(笑)。
アハハ。しかし、アルバムはシングル2曲がド頭で続いて、このままの流れで進んでいくかと思いきや、世界観が無尽蔵に広がっていくという。そんなところもPOLYSICSらしいな!って思いました。
ハヤシ
そうですね、後半に行くにつれてカオスにはなっていって。でも、今回はいらないものはどんどん排除していったので、思考はすごくシンプルでしたよ。結果、こんなに痛快で面白いアルバムができて。1年半かけて35分っていう、この濃厚な時間! “俺のバンド、カッコ良いなぁ!”と思いましたね。
スコーンと一本グソが出た感じですよね(笑)。
ハヤシ
しかも、この14曲って僕の直感的なアイデアから出てきたものばかりなんですよ。「Bero Bero」もそうだし、「Wasabi」もそう。それがセッションしていくうちにどんどん面白いことになっていって、どんどん新しいことになっていった。「催眠術でGO」なんて、ビート感とベースラインとリフ、このハードコア感は他に知らねぇなぁ!って。興奮しましたね。
フミ
今回はみんなが隠し持っていた小さい引き出しから、ちょこちょこといろんな物を出してきて、それが1曲になっていくみたいな感じがありましたね。ハヤシくんのアイデアも“実はこんなのもあるんだけど”みたいなものがあったりして、それも面白かったし。
でも、一番の違いはアイデアが出た後ですよね。セッションしていくうちに楽曲が膨らんで、それをみんなで面白がっているという。
ハヤシ
そう、だから自分がPOLYSICSをやっていく上で一番伝えたかったのは、結局、メッセージとかじゃなくて、音の持つパワーやテンションだったのかなって。最近、“自分の伝えたいこととは?”とか考えることが多かったんですけど、アルバムを作りながら“これでいいんだ”っていうのは思いましたね。
そこで今作は“ハヤシさんの伝えたいこと=POLYSICSの伝えたいこと”になって、4人でしっかり同じものが見えている気がします。フミさん作詞作曲の「Cleaning」みたいな新しいタイプの曲も、やっぱりPOLYSICSのサウンドでしかなかったり。
ハヤシ
フミには僕にないポップセンスがあるので、1曲書いてほしいってお願いしたんです。かなり古い曲なんですけど、今一度アレンジし直してやってみたら、すごい良い曲になって。
フミ
自分たちでも最近はこういう曲がなかったし、曲の並びでも欲しいなと思って入れたのが上手くハマりました。
今作だからこそハマったってのもあるんでしょうね。もはや説明不要、“これがPOLYSICSだ!”って作品になりましたね。
ハヤシ
はい。“POLYSICSとはこれだ!”という、決定盤にしたかったし、自信を持って出せるアルバムになったと思います!
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