【Prague】あふれ出すソウルのグルー
ヴとロックの魂!

L→R 金野倫仁(Ba)、鈴木雄太(Vo&Gu)、伊東賢佑(Dr)

シングル「Slow Down」でデビューする3ピースバンド、Prague。ソウルミュージックの影響を多分に受けたグルーヴィーなサウンドを叩き出す彼ら。その実は反骨精神にあふれている。
取材:榑林史章

あふれ出すソウルのグルーヴとロックの魂!

鈴木さんと伊東さんは高校の同級生だそうですね。

鈴木

そうです。高校で一緒のバンドでパンクやメロコアのコピーとかやっていてその流れで。それで僕の幼なじみの紹介で、ベースを紹介してもらってPragueを組みました。

ロックでありながらすごくグルーヴがある音楽性は最初からですか?

金野

最初はもっとストレートだったんだけど、グルーヴが良いからそこを伸ばしたほうが良いとアドバイスしてくれる人が何人かいて。周りに気付かされて、自分たちでも徐々にグルーヴを意識するようになっていったんです。

ソウルやブラックミュージックからの影響は?

伊東

すごいあります。グルーヴを生み出す楽しさに自分たちで気付いてからは意識して聴くようになりましたね。僕は、アース・ウインド&ザ・ファイアーとかスライ&ファミリーストーン、スタイリスティックスとか70~80年代の黒人音楽が家で流れてて自然と耳に入ってたから。

金野

僕は高校の頃スティーヴィー・ワンダーとか聴いていました。一時聴いてなかったんだけど、改めて聴いたらやっぱりこれが一番好きなんだなと気付いて。

鈴木

僕は勉強という意味も含めて聴いたのは、マイケル・ジャクソンとかモータウン系列とか。でも、高校の頃すごい好きだったのはミッシェルとブランキー。ブランキーの浅井健一さんは、あのフレーズを弾きながら歌ってるっていうのがすごいと思って。あれくらいにはなりたいですよね。

ブランキーも聴くんですね!

伊東

すごいいろいろですよ。他にはニルヴァーナ、レッチリ。心が折れた時にYouTubeでレッドツェッペリンのジョン・ボーナムの演奏を観ると原点に戻れるし(笑)。

今野

僕は細野晴臣さん。去年からYMOを聴き始めて、プレイだけでなく生き方とか考え方とか、全てが僕の中でストライクです。“何で今まで聴いてなかったんだ?”ってくらい。

ロックとブラックミュージック、さらにさまざまな音楽要素が合わさっているのがPragueの音楽であり、デビューシングル「Slow Down」は、それをJロックとして見事に完成させていますね。

伊東

ファンクのビートをやりたいと思っていた時期、それをそのままやったらつまらないからってことで、ギターを歪ませてロックにしちゃおうってアイデアが出たんです。で、リフを持ってきてハネさせたら、すらすらと出来上がった。

鈴木

この曲は、自分たちの基盤だと思っています。これからちょっとずつ変わっていきたいし、聴いてくれる人にも、“これから何をやっていくんだろう?”って期待を持ってもらいたいので、それには打って付けの曲だと思っていますね。

変わっていきたいというのは?

伊東

例えばプライマル・スクリームって、アルバムごとにコンセプトから音も違うじゃないですか。ああいう感じ。きっと賛否両論だと思うけど、そのほうが自分たちらしいし楽しい。

金野

同じことをやり続けてる人を否定はしないけど、それは自分らのやり方ではないと思っていて。だから、ずっと変化し続けていたいんです。

鈴木

もちろん、ヒットは狙っていきたい。それが認められるってことだと思うし、中途半端に終わりたくないから。でもその上で、雑食性を持っていろんな曲をやっていきたいと思ってます。

「Slow Down」 2009年09月09日発売
Ki/oon Records

  • 初回盤(DVD付)
    KSCL1447〜8 1400円

  • 通常盤
    KSCL 1449 1029円

Prague

鈴木雄太(vo&g)、金野倫仁(b)、伊東賢佑(dr)から成る関東出身のモダン・スリーピース・ロック・バンド、Prague(プラハ)。高校で3年間同じクラス、軽音楽部、プライベートも一緒にいた腐れ縁の鈴木と伊東の二人が、同じ音楽専門学校に進み、06年に金野と出会い結成。

自主制作盤を2枚出したところでレコード会社の目にとまり、09年9月に<キューンレコード>から1stシングル「Slow Down」でメジャー・デビュー。ジャンルを跨ぎながらもスタイルの海に溺れることなく軽やかに舞おうとするバンド・スタンスが特徴である。

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