【Do As Infinity】
取材:榑林史章
タイトル曲から始まり、11曲目「焔」の中にも“永遠の焔(=ETERNAL FLAME)”という歌詞が出てきますね。
大渡
1曲目の「ETERNAL FLAME」は洋楽っぽいサウンドのすごくカッコ良い曲だけど、歌詞が英語なので受け取る人を限定してしまうと思って。それを受けてできたのが「焔」なんです。俯瞰の視点でクールに歌ったのが「ETERNAL FLAME」で、「焔」は当事者の視点で僕や伴ちゃんが感じたことをリアルに表現した。僕自身、“ETERNAL FLAME”というキーワードがすごく気に入っていたし、それを分かりやすくメンタリティを付加しました。
「焔」は亮さんの作詞で、『a-nation』のステージで再始動を発表した時の気持ちをストレートに書いていますよね。
大渡
ダイレクトに表現してもいいかなと思ったんです。この再始動にあたって、かけがえのない瞬間がいくつもあって、それにも関わらずそのことを歌った曲がなかったから、記念に残るような曲があっていいと思って。特にあのステージは、僕と伴ちゃんが神聖な気持ちを共有した瞬間で、その時の想いを風化させないためにも曲にしました。
“今度は君を担いででも約束の地を目指す”という詞に、亮さんの意気込みを感じました。
伴
それほど強い意識を持ってくれているんだなって、すごくうれしいですね。担がれる状況にならないよう努力しますけど、そうなった時は亮くん、よろしくお願いします(笑)。
その「焔」を含め、一般公募の楽曲を3曲収録しているのもアルバムのポイントかと。
伴
1000曲近くが集まったんですが、みなさん、Do Asのことを熱心に研究して作ってくれたんだなって。
大渡
今回選ばれた3曲は、本当に素晴らしいと思いましたね。Do Asの代名詞たる雰囲気だったり、メロディーをちゃんと押さえてくれていて、正直驚きました。
「ナイター」も一般公募のひとつであり、別の方の作詞ですが、映画になりそうなほどストーリー性を持った切ない内容ですね。
伴
父と娘の物語で、作詞家の方の実体験なのか、フィクションなのかは分からないけど、私もグッとくるものがありました。過去にも父母が出てくる曲があるので、そういう意味では、これもDo Asカラーの一面を反映させている曲だといえますね。
大渡
Do Asをよく研究して書かれた良いメロディーだったから、良い曲になるだろうとは思っていたんだけど…この歌詞が付いたことによってオリジナリティーが増しましたね。
あと、「北風」も一般公募ですね。
伴
実は、デモの時は「太陽」っていうタイトルで、温かい曲という印象だったんです。でも、仕上がってみたら「北風」になっていて(笑)。アレンジされた音から、作詞家の方がインスピレーションを受けたんだと思いますけど。変化したっていうか、生まれ変わりましたね。
タイトル曲「ETERNAL FLAME」に話は戻りますが、こちらは70年代のハードロックを思わせる曲ですね。
伴
そう。それに組曲っぽい構成でもある。こういうのは初めてだったし、歌詞も久々に英語だったので大変でしたね。
亮さん的には演奏のしがいがあったのでは?
大渡
そうですね。これは最初からこういう長い組曲的なものを入れたいと思って作曲家さんに頼んだもので。ベースは今回全曲アレンジをやってくださった亀田誠治さん、ドラムに河村カースケさん、キーボードが皆川真人くん、それとギターは僕というメンバーです。いつもライヴで使っているマーシャル・アンプで、古い質感…70年代の雰囲気になるといいなと思って、ほぼ一発で録りました。
これは絶対にライヴで聴きたいです。
大渡
僕も今からやるのが楽しみなんですよ。
伴
6分以上あるし。
延々とやってほしい(笑)。
大渡
ああ、それもいいかも!
伴
場面転換に使えそうですね。
他にポップでキラキラした雰囲気の「Piece Of Your Hert」や、近未来を描いた「Perfect World」、UKのギターロックっぽい「Feelin’The Light」など、本当にさまざまなテイストの楽曲があって、個々にメッセージ性がしっかりとありつつ、だけどそのどれからもDo Asらしさが伝わってくるという。
伴
新しい扉を開けたという感覚です。
大渡
伴ちゃんの声は個性的というよりも存在感がある。だからこそ成立するんだって改めて実感しましたね。これだけの楽曲を手にしてもDo As Infinityになったというのは、やはり伴ちゃんの声があってこそだなと。
伴ちゃんは、1曲ごとに“この曲はこういう声で、こういう歌い方でいこう”とイメージしたのですか?
伴
そうですね。ディレクターと一緒に意識のすり合わせをして、何度か歌って。ディレクターがOKを出しても、自分からもう1回って言って歌い直すこともあったし。あと、歌い終わったラフミックスを家に持ち帰って聴き直して、“うわー、ちょっと待って。やっぱりここは…”って思ったところは、本当に申し訳ないけどって言って、後日歌い直させてもらったことが何度かありました。
以前からもそういうことは?
伴
あったと思いますけど、どこかで諦めてたといいますか…。
大渡
伴ちゃんの中でそういう歌に対するこだわりが、前よりも強くなっているんだと思います。以前だったらスルーしていたことにも注意を払っていたし、今回はもっといろんなニュアンスにもチャレンジしてますね。
そういう部分でも、今回のアルバムは聴き応えがありますね。自分の中で意識が高まってる実感はありますか?
伴
ありますね。すごく高まってると思う。いろんな作家さんの曲や一般公募の曲などさまざまなテイストの曲があって、でも“絶対にDo As印にしてみせる! そうしなくては!”って。そういう意識は以前よりも高まっていますね。
通算7枚目4年7カ月振りのアルバムになったわけですが、Do Asにとってどういう存在感の作品になりましたか?
大渡
再結成して現役としてやっていけるっていう手応えを実感した、その瞬間だって思いますね。
伴
ある意味で1stアルバムになったと思います。それぞれの中にある情熱とかライヴ感とか、「生まれゆく者たちへ」もそうだけど、1曲1曲生命力を持った曲たちが集まったなって。新たな一歩を踏み出した作品です。
大渡
Do As Infinityが新しいアルバムを出す、そのことがまさにファンタスティックです(笑)。
アーティスト
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