【FUZZY CONTROL】“自信があるから
聴いてみて”って勧められるものが作
れた
L→R SATOKO(Dr&Vo)、JUON(Vo&Gu)、JOE(Ba&Vo)
今、加速度的にFUZZY CONTROLはバンドとして進化し、メンバー自身もいちミュージシャンとして成長している。それは如実に音に表れていて、本作からも感じることができる。
取材:石田博嗣
DREAMS COME TRUEのツアーにバックミュージシャンとして参加し、さらにフューチャリングシングル「その先へ」もリリース。この一連の流れの中で、どんなものが得られましたか?
JUON
自分はすごい音楽が大好きで愛しているんですけど、周りのバックミュージシャンの人たちも同じ気持ちでやってるんだって気付けたのは大きいですね。それが自信にもつながったし。
JOE
周りのバックミュージシャンと僕らの気持ちに違いはなかったから、もっと頑張れば、自分たちも大きなステージに立てるんだって。宇宙一になれるって(笑)。だから、“行ける!”っていう自信が持てましたね。あと、僕は正さん(中村正人/DREAMS COME TRUE)のアシスタントとしてツアーを回ってたから、本番では1曲しか出番がなかったんで、ステージの袖からライヴを観てたんですけど、JUONとSATOKOがカッコ良いんですよ。それがうれしいし、悔しかった(笑)。
SATOKO
素晴らしいミュージシャンと演奏すると、すごくいろんなことに気付くんですよ。で、そんな中で吉田さん(吉田美和/DREAMS COME TRUE)と一緒に歌っていたJUONもすごいなって。でもね、このツアーで一番すごかったのはJOEくんなんです。ウチらはいつも通りに楽器を演奏しただけだったけど、JOEくんは出演者の誘導をしたり、みんなを盛り上げたり…ステージ裏で大活躍で裏のバンマスみたいでしたね。ミュージシャンにひとりずつコネクトして、それぞれのキャラクターを引き出してって。そういう意味では、メンバーの良いところを再確認できました。
それは大きいですね。では、今回のニューシングル「latest」についてうかがいたいのですが、今までのファジコンってパワーやエネルギーで押してくるイメージがありましたけど、いい意味で肩の力が抜けてるし、それでいて楽しそうにプレイしている3人の姿が浮かびましたよ。
JUON
この曲は自然なところから生まれたんです。家でアコギを弾きながらメロディーを作ってたんだけど、風が必要だなって思って窓を全開にしたり、コーヒーを沸かしたりして…ほんとに、肩の力が抜けた感じでしたね。でも、頭の中では大回転してるんですよ。ドリカムとの「その先へ」や前作の「あ・あ・あいやいや・あ・あ!」を出した後だし、ツアーを回った後だったから、自分の中で“今の自分のまま突っ走ればいいんだ”って思ってた…そう思うことがすごく大事なんですよ。自分の思いを貫くっていうことが。そうやって自分を見つめ直すことが、自分をデカくさせると思うんです。で、自分の殻を割って次に行くのはワクワクすることだけど、すごく恐怖でもある。でも、“どうすればいいんだろう?”っていう気持ちがないと、次に向かう原動力にならない。だから、ポジティブな自分とネガティブな自分の両方が大切だということが表現できればいいなって思って、そういう気持ちで原曲を作ったら、さとちゃんもそういう歌詞を書いてくれました。
SATOKO
最初に聴いた時は“何なんだ、このさわやかさは!”っていう気分になりましたけどね(笑)。最近、吉田さんと歌詞の話をよくしてるんですよ。で、“サビに同じ言葉を使ってみたら?”ってアドバイスを受けたんです。私はいっぱい言葉を使いたいタイプだから、“そうすると、この言葉が入れられな~い”って思ったんだけど、やってみたら背筋がシャキッて伸びた感じがしたんですよ。だから、今回は少しの言葉で…引き算でやりました。
そんな歌詞が乗った歌をどんな気持ちで歌おうと?
JUON
ポジティブな自分とネガティブな自分の両方が大切だっていう話をさっきしましたが、まさにその気持ちを自分の中にしっかりと持って、ひとつひとつの言葉を大事に、“俺が歌わなければ、これを誰が歌うんだ!”っていう気持ちで歌いました。そのぐらいの気持ちが込められているし、それだけこの曲を大切に思ってます。
カップリングの「*secret*」ですが、こちらはファジコンの真骨頂というか、すごく勢いのある曲ですね。
SATOKO
ドカーンっていきなりできちゃったんです(笑)。
JOE
JUONがこういうのがあるってデモを聴かせてくれたんですけど、ギターのフレーズを聴いただけで“これだ!”って。で、1時間ぐらいでできたんですよ。歌詞も…
SATOKO
ちょっとHな歌詞を乗せてみようかって(笑)。
JUON
俺は女性ってみんなすごく素敵だと思っているから、“キミは綺麗だよ”って音楽に乗せて言えるのってすごい幸せなことだなって思うんです。ひとりの女性に対して言ってる感じになってるけど、この曲を聴いくれてる女性全員に対して歌ってるんで、それを感じてほしいですね。
JOE
実は、この歌はプリプロの時に録ったものなんですよ。プリプロで録った音源がものすごく良いものに出来上がって、本チャンでやったサウンドにプリプロの歌を乗せてみたら、そのプリプロの音源に負けてなかったんです。JUONの素の感じが出ているのがいいんですよね。伸び伸びと歌っているし、これは完璧だねって。
SATOKO
これが本チャンになるなんて思ってないから、ただ楽しく歌ってるだけだったからね(笑)。
今回のシングルを聴いて一番思ったのは、3人ともすごく音楽に対して自由になれてるってことだったのですが、実際はどうですか?
JOE
そうですね。できることが増えてきているというか。これまでの経験でみんなに自信が付いて、自分をさらけ出せるようになったんじゃないかなって思いますね。
SATOKO
音楽って発表するものではなくて、人と分かち合ってなんぼだと思うんですよ。今までウチらのことを好きだと言ってくれた人とはシェアできて、今までは手を出さなかった人にも“自信があるから聴いてみて”って勧められるものが作れたと思ってるんですね。それが成長というか…今、そういうオープンな気持ちで音楽を作れてるってことですね。
アーティスト
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