【オレスカバンド】ポジティブなとこ
ろまで自分で転がしていく
L→R たえさん(Dr)、サキ(Trumpet)、とみ(Ba&Vo)、いかす(Gu&Vo)、もりこ(Tenor sax)、リーダー(Trombone)
その感触は、まるで軽やかな春風のよう。オレスカバンドのニューシングル「自転車」は、さわやかな雰囲気がとても心地良いメロディックナンバー! そんな心境的作品をいかす(Gu&Vo)&たえさん(Dr)に語ってもらった。
取材:道明利友
今回、カラフルなビジュアルも新鮮ですね!
たえさん
ありがとうございます。ビックリしました?
ちょっとビックリしました(笑)。白黒ツートンカラーのユニフォームっていう印象がオレスカバンドにはやっぱりあったので。
いかす
そういうイメージやったり、現在進行形の活動とか、ウチらはもう20代になって、例えばデビュー当時とは考えかたもやりたいこととかも変わってきたし。それが写真でも、作品でも分かりやすく伝わればいいなというか。今の普段のウチらに近いもの、みたいなのが。
たえさん
メンバーみんな、普段から常に音楽のこと考えてると思うし…。スタジオでも普通の服を着てやってるし(笑)。なんか、そういうの全部分かってほしいなと思ったんですよね。
普段着のオレスカバンドみたいな感覚というか。そんな今回のシングルは、久しぶりの作品リリースになりますね。
いかす
そうですね。去年は1年間結構ずっと曲作りをしてて、作っては録り作っては録りみたいな感じでやってたんですね。それで13曲ぐらいできた時に、なんかこう…もっとみんなが歌えるような曲っていうか、メロディーが強い曲が欲しいなってなって。オトンもオカンも歌えるみたいな(笑)、それぐらい分かりやすい、いわゆる歌ものの曲を作ろうってなったんです。そういう曲をどうやって作ろうかってなって、“じゃあ、歌詞を先に作ろう”とかいろいろ考えてた中で、“じゃあ、誰かと作ってみたら?”って話がスタッフから出て。それもありやなって思って、堂島孝平さんの名前が挙がったんですよ。
こういうメロディアスな曲には、すばらしくマッチした人選だと思います。
いかす
そうなんですよ。キラキラしててね(笑)。
そのキラキラ感満載なサウンドとメロディーの基になったのは、たえさんが先に作った歌詞だったのですか?
たえさん
はい。テーマとかは最初は全然意識してはやってなかったんです。けど、結果的にできた曲を改めて聴いて、自分はそういうモチベーションで書いてたんやって感じることが多いんですよね。この曲もそういう感じだったんです。
いかす
その流れで、“自転車”も出てきたんやな。
たえさん
そう。最近も“自転車”ってタイトル見てて、ほんまいい言葉やなと思ったんですね。“自分で転がしていくんだぞ”みたいな、そういう気持ちがオレスカっぽいなと思ったんですよ。楽してポジティブなとこに向かっていこうじゃなくて、“自分でこぐぞーっ!”みたいな姿勢ってオレスカっぽいなと思って。
理想の音楽が作りたいとか、いろいろな夢に向かって自分たちの力で突き進んでいくっていう。すごくポジティブな曲ですね。
たえさん
そうそう。その、“今”のオレスカバンドがちゃんと歌えてるなって、改めて聴いても思えたんですよ。やっぱ、いろいろあるじゃないですか。人間、生きてれば嫌なこととかも。でも、そういうの全部“いいや!”って思える瞬間ですね。自分が切り替わる、スイッチする瞬間みたいなのを書けたなって。
「ダンスナンバー802」には、LA-PPISCHのtatsuさんが参加していますね。LA-PPISCHはスカを一般まで広げた功労者的な存在ですから、これもオレスカとは相性バッチリな気が。
たえさん
実は、去年のアルバム(『What a Wonderful World! Vol.2』)が出てからずっとtatsuさんと一緒にやってたんですよ。ていうのも、“ウチらなりのスカができてる?”みたいなのが、ウチら的にずっとあって。
いかす
そう。最初は、“ウチらのスカをしようぜ!”みたいな感じで13曲ぐらい作ったんです。そこで、なんかこう…ウチの頭の中が結構パターン化してきて、変な括りを自分で作ってしまったりしてて。“オレスカバンドはこうなんだ!”みたいな感覚が、なんかだんだん面白くなくなったんですよ。“こんなんどう?”っていう単純なアイデアとかから作っていけてた昔みたいな感覚で、余計なことなんも気にせず自分がいいと思ったものをやってみよう、みたいな感じで今回の曲ができたんです。
たえさん
ウチらの良い意味でのアホな感じとか(笑)。そういうとこが減っちゃったんじゃないかなっていうのがあって、こういう曲ができたというか。“ウチらなりのスカ”っていうボトムの部分がズッシリさせられた分、その上のほうは景気良くパーッといきたいなみたいなところで「自転車」もできたし。
で、最後は去年のクアトロライブの音源をたっぷり収録。約30分収録っていうシングルとは思えないボリューム感ですけど、改めて聴いてみてどんな気持ちを感じました?
いかす
『Warped Tour』が終わって“日本で久しぶりにワンマンができる!”みたいな、あの時期のテンションも全部詰まってると思いますね。あの時みんながやりたいことっていうか、“前に向かってる感”みたいなんがすごい出てるんじゃないかなって。“いくんやーっ!”ってエネルギーさえ伝わってくれたらいいな、って感じですね(笑)。ウチらのライヴに来てくれる人にも、普段すごい嫌なことを多く抱えてる人もいると思うんですよ。で、そのエネルギーをプラスに変えたろみたいなパワーを感じたりして、そういうのを見てるとウチらも逆にエネルギーもらえるし。
たえさん
ウチらのライヴでお客さんがどうなればいいのかなっていうところで最近キーワードになってるのが、“全部置いてってもらおう”っていう。嫌なことも全部置いてってくれたらええやん、それ全部ウチらが食べたろ、みたいな気持ちでやろうって(笑)。ほんで、ちょっとでも身軽になって、ライヴハウスを出た瞬間から“最高!”って。次の日を楽しく過ごしてもらえるような場所にしたいなって感じです、今のウチらのライヴは。
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