【G-YUN】この場所にいるなら、どう
にか走って行こう
GOLLBETTYの解散から1年。ヴォーカルのG-YUNが、シングル「Message」でソロデビューする。「Message」がJYU(UZUMAKI)、「American Cherry Girl」が井戸勝英(ex.Yacht.)、「真夜中にヒトツ」がYASUSHI(MY SUMMER PLAN/STEREO VISION)という幅広い作曲陣によって、新たな彼女の魅力が開かれている。要注目!
取材:高橋美穂
GOLLBETTYの解散を決めたあたりから、歌を続けようとは思っていたのですか?
いや、歌は無理だと思ってたんです。ずっとGOLLBETTYのことを考えてきたので悩んでたし。でも、解散を決めた後、ひとりでフィリピンに行ったんですね。それまでもボランティアとかに興味があって、解散を決めた時はライヴもなかったんで、行くなら今しかないって思って。それで孤児院で生活していたんですけど、言葉も分からないし、コミュニケーションの取り方も難しかったんですけど、音楽をやってるって知られて、最終的にみんなの前で歌ったんですよ。それで歌ってすごいなって思って。日本では言葉も通じるし、ある程度お客さんもいて、想像できる中でやってきたけど、まっさらな状態でもこれだけつながれるって。忘れてたものがすっと入ってきて、やっぱりひとりでも続けようと。
なるほど。決定的ないきさつがあったんですね。また、幅広いソングライター陣が揃いましたね。
JYUさんはバンドの頃に1、2回くらいしかご一緒したことがなかったんですけど、女の子のロックな感じの曲を作ってるらしいって友達を通して聞いて、連絡したのが始めですね。でも、曲っていう自分の分身をあげるわけだから、そう簡単ではなく、結構電話し合って、送ってもらったうちのひとつが『Message』のオケで、何日かひとりでスタジオにこもってメロディーを考えたんです。で、井戸さんはバンドで2回だけ対バンして、その時にすごい喋って。連絡先は交換してなかったんですけど、メロディーやコーラスワークがすごくいいと思ってたんで、電話したんですね。最初はYacht.が解散の時だったんで、今は考えられないって感じだったんだけど、後々やりたいって電話が来て。で、YASUSHIくんは同じレーベルで、私はSIMPLE PLANが好きで、似た雰囲気を持ってる人だと思っていたので、そういう曲を作ってほしいなって思ってお願いしました。
でも、UZUMAKIのJYUさんから、こんなにさわやかな楽曲が出てくるっていうのは、正直意外でした。
ですよね(笑)。もともとUZUMAKIさん用に作ったみたいなんだけど。井戸さんも音楽がすごく好きで、解散したけど、どうしても音楽をやりたい、でもやれる状況じゃないから、こういう話をもらえて音楽ができるのはうれしいって。私が加わることでやってもらえて、そう言われたのもうれしかったんですよね。JYUさんも、UZUMAKIではできへんけど、G-YUNが歌ってくれるならって言ってくれたんで。
歌詞の話もうかがいたいんですけど、まず「Message」はどのように書いていったのですか?
もともと日本詞で書いていたんですけど、JYUさんの曲を聴いた時に、パンって開ける感じがしたんですよ。これにあの歌詞を乗せたらいいタッグだと。言いたいことの背中を押してくれるサウンドだから。1曲目にするっていうので作ったわけではなかったんですけど、まとまった時に“これや! 今言いたいのは”って思ったんですよね。
2曲目と3曲目の歌詞がストーリー仕立てっぽいだけに、「Message」の歌詞は生々しく感じますね。
ですよね(笑)。すっごい素直だと思います。言いたかったことは、自分がいる場所は窮屈に思うと思うんですね。あっちに行けたらこんなことができるって、どこに行っても思うだろうし。だから、この場所がいいのか、あの場所がいいのかなんてどっちでも良くて、“この場所にいるなら、どうにか走って行こう、その方がいいんじゃないか”ってことを歌ってます。それをGOLLBETTYとソロのことを考えて思ったんですよ。ソロになって、もういいやって思うお客さんもいるだろうけど、それはそれでいいから、新しく出会った仲間とお客さん、そして、今までの仲間やお客さんもひっくるめて、この気持ちを伝えたいなって。
じゃあ、「American Cherry Girl」はどうでした?
メロディーもいただくんですけど、歌と合わないこともあって、それは今までと違って難しいことで。分身をもらってるのに、直されるのってすごく嫌だろうなっていうところで葛藤もあったんです。だから、絶対にいいものにしたいっていう、今までと違う責任感が出てきて。いい意味で人の良さを生かすことを考えられるようになったかな。
そして、「真夜中にヒトツ」は?
歌詞は“流れ星”っていう言葉が浮かんで、そっから物語を作っていきました。小中学生が夜中に外に出る、冒険心のある歌にしたいと思ったんですね。ただのラブソングじゃなく、大事な人と小っちゃい冒険をすることも書けました。
ライヴはどんな感じになりそうですか?
どんな感じになるんでしょう(笑)。あとひとりだけギターが決まってないんです。ドラムは元Ketchup maniaのWANIで、ベースは元LONG SHOT PARTYのSAITAROさん。あとはYUSUKE MISIMA(GOLLBETTY)っていう(笑)。どうしても自分で考えついたメロを自分で表現できない時があるじゃないですか。それをGOLLBETTYで表現してくれていたのは彼で。お客さんは複雑かもしれないけど、前のメンバーだからじゃなく、音楽をやっている人間として関わっていけることがありがたいと思ったんです。
確実にGOLLBETTYとは違うだろうし、楽しみです。
はい、私も!(笑)
アーティスト
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