【松下優也】ヴォーカリストとして声
の大事さに気付いた
初主演ドラマも大好評だった松下優也が、自身初のCMソングに挑戦! 70年代ソウルミュージックのフレーバーを感じさせるさわやかな楽曲。カップリングには、それぞれ違う6種類のカバー曲を収録したことでも話題に!
取材:大庭利恵
8枚目のシングルは、ちょっと70年代のソウルミュージックを感じさせる、懐かしいテイストで。
そうですね。今回は、『NATURAL BEAUTY BASIC』というアパレルブランドのCMソングということもあって、タイアップのお話をいただいてから作り始めたんですよ。CMが流れる短い時間の中で、ブランドのイメージと僕の歌の両方が印象に残るようにするには、声を印象付けなきゃいけないと思って。僕はいつもR&Bを歌うことが多いんですけど、声で引っ張りやすいソウルミュージックのテイストを入れて、さらに歌い方にも、かなり変化をつけましたね。
なんでも、アレンジを何パターンも変えて歌ってみたらしいですね。
そうなんですよ。やっぱり、タイアップで書き下ろしってことは、お互いが掛け算になるような曲にしたいと思ったし、そのためには、僕のどういう部分を出すのがいいか考えたかったんですよね。メロも違うものもあれば、かなりポップにしたものもあったし、ソウルのテイストのパターンを変えたものも歌ってみましたね。
その中で、このバージョンに決まった一番のポイントっていうのは?
しっくりきた(笑)。いろいろ考えたんですけど、言葉ではうまく表現できないんですよね。サビの部分を歌った時に、すごくしっくりきたし、CMの映像と合わせた時にピッタリきたっていうのが正直なところですね。あと、ラップでは、歌詞の優しい男の部分とは、また違う男っぽい一面を描いてるんで、そこで男の生き方という二面性を感じてもらえたらうれしいですね。
なるほど。カップリングには、すでにライヴでやっているナンバー「Back to Love」を収録して。
今回は、『Naturally』との対比とか、そういうことを考えずに、みんなにライヴで聴いてもらってるんで、自然とこれがいいかなと思えましたね。
リアルなラブソングといった空気の曲だけど、主人公は自分として描くタイプ?
曲によって違いますけど、だいたい自分を主人公として描くことが多いですね。曲が持ってる世界観の中で、自分を動かして、その中でストーリーが展開していく。映画を観てるような感覚ですよね。でも、次の日には、まったく自分とリンクしない、なんてこともあるんですけどね(笑)
そして、さらに今回のトピックスとしては、カバー曲を収録した6種類の完全生産限定盤のリリース。選んだカバー曲<「どんなときも。」(槙原敬之)、「秘密の花園」(松田聖子)、「季節が君だけを変える」(BOφWY)、「壊れかけのRadio」(徳永英明)、「ラブ・ストーリーは突然に」(小田和正)、「夢で逢えたら」(吉田美奈子)>、全てが世代を超えていていいですね。
まさに世代を超えてますよね。僕自身も、今回初めて聴いた曲っていうのもありますからね。
そうなんだ! このアイデアは、どこから?
ライヴとかで洋楽のカバーをすることもあって、ファンの方から、いろんなカバーを聴いてみたいってリクエストはもらってたんですね。で、ラジオをやらせてもらってた時に日本のポップスのカバーをやったことがあって、これは面白いねって話になったのが最初ですね。今回の企画が持ち上がった時に、自分でリクエストしたのは『夢で逢えたら』だったんです。
この曲も、松下くんの世代ではないよね。
はい。『どんなときも。』『壊れかけのRadio』『ラブ・ストーリーは突然に』と同様に、いつの間にか知ってて、聴けば口ずさめる曲じゃないですか。どの曲も素晴らしいんで、カバーとして成立させるためには、余計に松下優也という声を感じてもらわないといけないと思って、いつも以上に意識しましたね。
難しかったのは?
小田和正さん。サビの部分のブレスが大変なんですよ! 改めてヴォーカリストとしての力量を感じさせられたし、尊敬しました。
「秘密の花園」と「季節が君だけを変える」は知らなかったの?
そうですね。『秘密の花園』は幻想的なんだけど、どこか甘い歌詞と80年代ならではのポップスセンスを生かそうと思って、歌い方も意識して表現してみました。BOφWYは、ミュージックビデオを見せてもらったんですけど、さすが伝説になるだけあるなと思うカッコ良さがあった。
BOφWYが一番松下くんのイメージとかけ離れてたから楽しみにしてたんだけど、アレンジも歌声も、離れてたからこそ面白く仕上がりましたよね。
僕も、そう思いました。自分の曲って、分かりきらないままってことが多いんですよ。客観視してても、全部は分かりきらない。でも、ジャンルが違うものに挑戦したことで、改めて自分の“歌”に対しても学べたなって気がしてます。
正直、全部いいから迷うよね。
ジャケットも丸1日かけて8パターン(初回盤、通常盤含め)撮ったんで、ジャケ買いでも面白いと思うし、カップリングで選んでもらってもいいですね。と言いつつ、全部聴いてほしいですけどね~(笑)
5月のバースデイライヴでは、新曲は聴けそうですか。
もちろん! 誕生日ライヴって、祝ってもらうというよりは、みなさんに対する恩返しの気持ちでやるものですから。なかなか逢えなかったので、パフォーマンスを通じてひとつになりたいですね。
アーティスト
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