【ALL OFF】今作にはいろんな出会い
や経験を通じて得たものが溶け込んで
いる
L→R 越本兼瑛(Ba)、内藤祐貴夫(Gu)、松浦奏平(Vo)、畑島 岳(Gu)、大槻真一(Dr)
取材:土内 昇
ALL OFFのナンバーは激しくもキャッチーという印象が強い。まずは彼らが目指している音楽性について松浦奏平(Vo)に語ってもらった。
もともとのコンセプトは“日本人離れしたセンスの楽曲を書く”。メンバーみんな聴いていたのが洋楽ばかりだったというのもあるんですが、せっかく英語を操れるし、どうせやるなら他のバンドとは全然違う匂いのする曲を書こうと。“いそうでいないライン”というのを常に意識しています。僕らがバンドを始めた当初は、ノリはいいんだけど全部それ一辺倒だったり、メロディーはいいんだけど激しさに欠けていたり、“ここはいいんだけど、そこ一点だけだよね”っていうバンドが多かったんで、その全てを兼ね備えた欲張りなバンドというか。基本的にそれは今も変わっていないです。
そんなALL OFFが約2年振りに発表したミニアルバム『Start Breathing』は、サウンド面において大きな変化を感じさせる一枚だった。
今までの曲が音を重ねて練り上げたような作品だったので、今回は演奏の勢いだったり、荒さだったり、というのがストレートにパッケージできればなと。演奏をシンプルにして、その分メロディーには今まで以上にこだわりました。
注目したいのはRIKIJI(OBLIVION DUST、MEGA8BALL)がプロデュースを手掛けた「Let It Shine」。第三者が入ったことは、バンドにどんな影響をもたらせたのかを尋ねてみた。
“シンプルさ”というのは実はRIKIJIさんが気付かせてくれたことなんです。最小限の音を鳴らし切るほうが難しくて、そこにこそカッコ良さがあるというか。分かっているようで分かっていなかったことを教えてもらった感じです。今回の曲はたぶん今までの曲の中でも一番シンプルな仕上がりになっていると思うので、今作で生まれた新たな遺伝子は今後必ず活きてくると思います。
新たな指針を手に入れたとも言える本作。どんな作品が完成したと実感してるのだろうか?
ライヴに来てこそ完成する作品。今までの作品は頭の中だけの世界が鳴っている感覚なんですが、今作にはいろんな出会いや経験を通じて得たものが自然と溶け込んでいるので、ライヴに来てくれた人、CDを買って応援してくれた人の声というのが、この作品を作り上げてくれたんだと僕は思っています。なので、ライブに来て、みんなが作り上げたその完成形を確かめてほしいですね。
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