【OverTheDogs】言葉は“大事にしな
がら
むちゃくちゃにしたいな”と思ってい

L→R 佐藤ダイキ(Ba&Cho)、田中直貴(Dr)、恒吉 豊(Vo&Gu)、星 英二郎(Key&Cho)、樋口三四郎(Gu&Cho)


取材:石田博嗣

2008年に現在のメンバーとなり、まずは歌が聴こえるバンドにしようと思ったと語る恒吉 豊(Vo&Gu)。そんなOverTheDogsが“私の人生における星の光”という意味を持つタイトルを掲げた1stアルバム『A STAR LIGHT IN MY LIFE』を発表した。

タイトルは聴いてる人たちそれぞれが“自分の人生を照らしてくれているのは○○だなぁ”となってくれたらいいなと。聴いてる人には聴いてる人の生きてきたストーリーがそれぞれあるわけで、大切な出会いや物や場所や時間なんかを、みんな好き勝手に想像できるタイトルにしたかった

そして、気になるアルバムの内容だが、ポップチューンやロックンロールナンバー、カントリー調の曲やゆる~い曲など、実にバラエティーに富んだ楽曲が収録されている。しかし、そんなカラフルな楽曲たちを恒吉の透明感のある歌声であったり、独特の視点で描かれた歌詞の世界によって統一されているのが印象的だった。

そうですね。ありがとうございます。僕から出てきたメロディーと歌詞を、僕が歌えば、統一感がなくなるわけなんかないとは信じています。極端な話、嘘付いたって僕から出てきているわけですから全否定はできない。だから、こういうアルバムができました

また、アルバムを聴いていると、歌詞は言葉を大事にしていることや、曲が歌を支えながら楽曲の世界を描いているということもうかがえる。

うん。言葉は“大事にしながらむちゃくちゃにしたいな”と思っています。例えば、アルバムの最後に収録されてる『最大幸愛数』なんですが、そんな言葉は存在しないんですけど、“愛してるよりももっと凄い言葉を探しているんだよ”という歌詞を書いた時点で、ただ言葉を大事にするだけじゃダメだなあと思い、それなら自分で言葉を作ってしまおうと思ったり。なんか、言葉で遊んだり、突き放してあげたりすることも必要だなって思ったんです。もちろんメロディーが先行でできる時もありますが、基本的にはメロディーとかアレンジは、歌詞がちゃんと聴こえるように意識して作っています

そんな本作に対し、どんな作品に仕上がった実感があるのかを訊いた。

ひとりで聴ける音楽ができたなあって感じです。それは物理的なことではなくて…ぜひ、みんなで聴いたりひとりで聴いたり試してみてください。多分、まったく違う気持ちで聴けると思います

OverTheDogs

オーバーザドッグス:2002年 結成。ゼロ年代の純文学と共振する独特の歌詞世界と恒吉 豊のハイトーンヴォイスで熱い視線を集めている4人組ロックバンド。

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