【fifi】今の気持ちをそのままパッケ
ージングできた

L→R Shoutarou Naka(Dr)、Yuusuke Nakamura(Vo&Gu)、Yoshiyuki Uetani(Vo&Gu)、Atsushi Tsuboi(Ba&Cho)


取材:土内 昇

「最初はツインヴォーカルがとにかくやりたくて、結構そればっかり考えてました。叙情的な進行は僕やTsuboiの音楽的バックグラウンドでの育ちみたいなものが大きいんだと思います。ギターでガコンと鳴らすのを合図に、爆音できれいなメロディーが流れるような、そんなバンドがやりたいですね。やれてるんですかね?(笑)」(Uetani)

との言葉通り、繊細の中に狂気性が覗くギターサウンドとツインヴォーカルが印象的なfifi。先日リリースされた2ndシングル「wonder speaker,drawing your voice.ep」は、彼らの持ち味が遺憾なく発揮されている…いや、かなり吹っ切れている。

「今できることを全力でやろう!と取り組みました。僕たち4人が人生で触れてきた音楽の時間を全部詰めて世に出そうって」(Nakamura)

「内容的にはNakamuraの持つ世界観と僕が考える抽象的なヴィジョンみたいなものを共存させたいというのがあって、その上でTsuboiがシャウトしたりするというスパイスが今作から加わってきたので、かなり盛りだくさんな一枚だとは思います。変に引け目を感じてないし、もう何も怖くないっていう僕たちの、今の気持ちをそのままパッケージングできた感じです」(Uetani)

その本作を象徴しているのが、やりたいことだけをやったと語る「triangle」だ。

「現状打破のための曲を作りたくて、この曲が生まれました。“このコード進行はありきたり”だとか、“このリズムはつまらない”とか、そういう俯瞰的な縛りに悩まされてた時期にあって、とにかく何も考えずにやりたいことをやろうっていう言葉のもとに作りました」(Uetani)

「歌詞は最初の一歩を自分で踏み出すことの大切さを書いています。その一歩を踏み出せないまま歌詞は終わってるんだけど、“こうなる前に頑張ろうぜ!!”みたいな、僕なりのエールです」(Nakamura)

本作を完成させたことで、バンドが成長し、進化したことは言うまでもない。最後に、そんなfifiをどんなバンドにしたいと思っているのかを訊ねた。

「僕たちのTシャツに灯台をモチーフにしたものがありまして、聴いてくれた人にとって僕たちの音楽が灯台から伸びる明かりのような、道しるべというか、ちょっと大袈裟と思われるかもしれませんけど、少しでも何かの助けとか、支えになったらと思ってます」(Nakamura)

fifi

フィフィ:2009年、東京にて結成。同年2月に吉祥寺WARPにて初ライヴを行なうと、4月には1stデモ『わすれもの』をライヴ会場限定で配布。10年に初の自主企画となる総勢20バンドによるライヴハウス型フェスティバル『WITH fes 2010』を開催。エモ、オルタナティブやディスコード系から影響を受けたバンドアンサンブルと日本人特有の叙情的なメロディーを合わせ持つギターロックバンド。

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