【ケラケラ】一緒に泣いて、たくさん
の笑顔を共有したい

L→R ふるっぺ(Ba&Cho)、MEME(Vo)、森さん(Dr&Cho)

伝えたい、でも伝えられない想い―。“恋愛臆病系ユニット”ケラケラの3rdシングル「友達のフリ」は、2011年にYouTubeに投稿され、100万回再生を記録した珠玉のバラード。泣ける代表曲の登場に、彼らの目指す“笑顔”の行方が垣間見える。
取材:清水素子

ニューシングル「友達のフリ」はケラケラにとって、とても大切な曲だそうですね。

ふるっぺ

そうなんです。一昨年この曲をYouTubeに投稿したのをきっかけに、“ケラケラ”というバンド名を決めて、本格的に活動し始めたんですね。もともと僕と森さんは10代の時から一緒にバンドをやっていて、大阪から上京してヴォーカリストを探してた時に、mixiを通じて出会ったのがMEMEだったんですよ。

森さん

1年くらい探したよね。で、MEMEの歌を聴いた時、歌詞を真っ直ぐに伝える力のあるストレートな歌声がムチャクチャいいなぁって。

MEME

私は昔から椎名林檎さんが好きで、ずーっと歌手になりたかったんですよ。そんな時にmixiでふたりの音源を聴いて、ピンときて連絡してみたんです。ジャンル問わず、良いメロディーの曲は好きで、幅広く聴いてましたから。

この曲も本当にメロディーが染みますもんね。しかも、なんと歌詞は実体験だとか。

ふるっぺ

はい。4年くらい前の飲み会で、秘かに想いを寄せていた子が、自分が好きな人の話をし始めたんですよ。それを聞いて切なくなって、自分の気持ちを吐き出すようにメロディーと歌詞にしたのが、この「友達のフリ」なんです。それで3人でかたちにして投稿してみたら、ものすごい反響をいただいて! 自分だけの想いを書いた曲だったから、大勢の方に共感してもらえたことにビックリしましたね。こんなに片想いで苦しんでる人多いんや! って、逆に勇気をもらえました。

森さん

僕自身、好きになった子が僕の友達のことを好きだったという経験をしたことがあったので、歌詞を見てすぐにシンクロできたし。おまけに、ふるっぺの作るメロディーって一回聴いたら忘れられないから、デモを聴いた時点で“これはヤバい!”と思ったんですよ。

分かります。この一途な純情感が眩しすぎる!

MEME

そうなんです。私よりも女子っぽいなぁと感じるくらい繊細な表現があったりするんで、私も最初に歌った時から、すごく共感できました。例えばBメロの《メールだけして 携帯電話ポケットにしまう》とか、“あ、分かる!”って。YouTubeの次は路上ライヴでもたくさんの人に出会わせてくれた曲であり、デビューへの道を開いてくれたという意味でも、いろんな想いのこもってる曲ですね。

森さん

だから、レコーディングでも気持ちが入りまくったし。サウンド的にもストリングスを交えてブラッシュアップされて、聴いてくれる人をやさしく包み込める、切ないけど力強い仕上がりになったと思います。

自分以外の誰かに恋してる相手を想い続けるって、それだけ折れない気持ちがあるってことですもんね。その想いの強さが音にも表れている気がします。

ふるっぺ

ありがとうございます。まぁ、結局、僕の恋は実らなかったんですけどね。告白はしたものの、やっぱり玉砕してしまって…。でも、後悔はしてません!

MEME

伝えられない想いを秘めてるのは自分だけじゃないって、この曲を聴けば感じられると思うんです。でも、やっぱり気持ちを伝えるって大切だから、この曲が片想いしてる人だったり、何かに踏み出そうとしてる人の背中を押せたら嬉しいですね。むしろ、このCDを片想いしてる相手に渡すくらいでもいいかもしれない(笑)。

森さん

ミュージックビデオは僕が書いた小説をもとに、手の届かない女の子に片想いしてる気弱な男子を、僕らが陰ながら応援するストーリーになってます。ヒロイン役をミス・セブンティーングランプリの北山詩織さんに演じていただいたんですけど、イメージ通りの方でしたね。

一転、カップリングの「ろーりんぐでいず」は躍動的なロックチューンで、これは笑顔になれますね。

ふるっぺ

サビのメロディーを作ってる時に《まわるまわるまわるよ》っていう歌詞も一緒に出てきたんです。じゃ、そこでタオルを回す曲にすれば、ライヴで盛り上がるだろうと。

MEME

すでにライヴでは、みんなとタオルを回してる曲なので、CDを聴いて予習してきてもらいたいですね。

その一方で、Cメロには《誰かに愛されたい ただそれだけ》と、乙女心を感じさせるフレーズもあるのが、さすが“恋愛臆病系ユニット”と呼ばれるだけはあるなと。

ふるっぺ

そうですね(笑)。結局、バンドをやってること自体、みんなに愛してもらいたいからじゃないかっていう気持ちもあるし。もともと槇原敬之さんのような身近な恋愛や情景だとかの

具体的な描写が好きなので、どうしてもリアルに思ってることが勝手に歌詞になっちゃうんですよ。

森さん

そのリアル感が他のアーティストにはないところだと思うんです。しかも「友達のフリ」みたいな切ない歌でも、MEMEが歌うことで明るい印象になるんですね。そういう意味でも、3 人でケラケラなんだなぁとは、すごく感じます。

そう言えば“ケラケラ”という名前も、MEMEさんのイメージからきているんですって?

ふるっぺ

はい。いつもケラケラ明るく笑ってるので。それプラス、僕らの音楽を通して少しでも笑顔を共有したいっていう想いも、このバンド名には込められてるんです。

MEME

明るい曲で一緒に楽しむだけじゃなく、切ないバラードでも一緒に泣いて、最後は前を向いて笑顔で進んでいってほしいんですよ。特に恋だとか進路だとか、悩み多き思春期の子たちに、私たちの音楽を届けていきたくて、この秋は各地の学園祭にも出演します。そこで泣いてくれてる子とかを見ると、やっぱり自分も感極まったりするので、ぜひ、直接ライブ会場に会いにきてほしいですね。

「友達のフリ」

  • 「友達のフリ」
    UMCK-5441
    2013.09.18
    1050円

ケラケラ

2010年、大阪府和泉市出身で幼馴染であるふるっぺ(Ba)と森さん(Dr)がmixiでバンドメンバーを募集し、そこにヴォーカリストを目指してレッスンを受けていたMEME(Vo)が連絡したことが結成のきっかけ。翌年YouTubeに「友達のフリ」を含む3曲を投稿すると、全曲の合計再生数が130万回を突破し、本格的な活動をスタートさせる。翌年1月、『2013年ニッポン放送2月度優秀新人』に選出され、2月に<ユニバーサルシグマ>より1stシングル「さよなら大好きだったよ」でメジャーデビューを果たす。デビュー日には、味の素スタジアムにてワンマンライヴを敢行した。2ndシングル「スターラブレイション」がドラマ『ラスト・シンデレラ』の主題歌に抜擢。MEME(Vo)の伸びやかな歌声と、ストレートで軽快な楽曲が話題となり、各音楽ダウンロードサイトで1位を獲得。9月に前述の「友達のフリ」を3rdシングルとして発表すると、USEN総合チャートで1位にランクインし、さらに注目を集めることに。そして、満を持して翌月10月に1stアルバム『ケラケライフ』を発売した。

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