【Yun*chi】人生はRPGのように乗り越
えていくことが多い
2ndシングル「Wonderful Wonder World*」は、アニメ『ログ・ホライズン』の第2シリーズエンディングテーマ。カップリングではアニメ界の声優とも競演していたりと、Yun*chiワールドをさらに広げたシングルになっている。
取材:大庭利恵
アニメ『ログ・ホライズン』第2シリーズエンディングテーマになったということは、前作が好評だったということですよね。
いやいやいや…と謙遜したいところなんですけど(笑)。前作「Your song*」で初めてアニメのエンディングテーマを担当させていただいた時、アニメと一緒に愛してもらえる作品にできるのか正直とても不安だったんです。けど、自分が思っていたよりもはるかに多くの方が愛してくれて、素敵な感想をくださってとても嬉しかったです。アニソン系のDJイベントでもたくさんかけてくださっていた話を聞いたり、実際に現場で体感したり。なので、この第2シリーズのエンディングテーマに決まった時、みんなのおかげだなぁと、プレゼントをもらったような気持ちになりました。
そういう不安や自信を持つことを経験して、前作と今作での作品を作っていく過程で変化みたいなものはありました?
曲への愛や評価を体感していた分、正直プレッシャーもありました(笑)。でも、ちょうどこの時期、自分や周りを見た時に生きていくことってひとつひとつクリアしながらレベルを上げていくRPGに似てるなぁと思って、そういう世界観の曲を書いてみたいと考えていました。
実際には、どのあたりまで?
飛内将大さんの作った曲に、作詞の田中秀典さんがとびきり素敵に再現してくれた私の頭の中の世界。そこにさらに私が色を足させてもらうイメージで制作していきました。
RPGの世界観みたいな部分を?
はい。と言っても、あからさまにRPGに出てくるワードではなくて、何かをクリアーして、新しい世界が見えてくるような、現実世界での出来事を描きたいなぁと。そこに、『ログ・ホライズン』の世界感をコッソリと忍び込ませました。
アニメを観ている人にだけ分かる暗号みたいなものですね。
そうなんです。今回のシリーズでは、別々の場所でそれぞれが成長していくという試練が訪れるんですね。人を信頼するのって、実はすごく難しいじゃないですか。自分の弱さを全て曝け出せるかと言ったら、やっぱりどこかカッコ付けたり、装ったりする部分が出てきちゃう。それを越えられた時に初めて生まれる宝物があったりすると思うんですけど、そんな部分を情景が浮かぶように表現したいなぁと。
なるほど。《Wonderful な Wonder World》という歌詞の“わ”の発音がとっても特徴的で、ものすごく耳に残るのですが、それは響きも考えながら作った部分?
田中さんは言葉を音の上で楽しそうに踊らせるのが上手な方だなぁと思っているのですが、今回も“わ”や“て”、“で”など、たくさんの言葉がダンスしていて、それが特徴となる曲になって、歌詞がラララだったデモの時とは一気に印象が変わりました。
声の特徴で言えば、カップリングの「Fairy*」はシンプルながらライヴで盛り上がりそうな曲ですね。
以前から共通の知り合いが多く出会うことができた、憧れの存在の桃井はるこさんに楽曲制作をお願いしました。話してみると私の声の特徴やキャラみたいなものをひっくるめて理解してくださっていて、とてもびっくりしました。ライヴでもっとみんなが一体化できるような弾けられる曲が欲しいとお願いしたんです。そしたら、歌詞にも“考えなくてもいいの! 一緒に騒ごう”というメッセージを込めてくれて。心からシンプルに伝えたい想いをとても可愛くハッピーな曲にしてもらいました!
しかも、コーラスに桃井さんの声が入っているとか。
桃井さんがこっそり内緒でしてくださいました(笑)。毎クール20本以上のアニメを観ている私としては、大好きな声優さんに声を入れていただけるなんて! 私の人生をアニメで例えるならば今作は神回ですね(笑)。
声つながりでは、3曲目「Dancing*」も『ログ・ホライズン』でアカツキちゃんの声優をされている加藤英美里さんが声を入れてくれていて。
もう…貴族の遊びと言われてもしょうがない(笑)。
(笑)。まず、この曲のトラックを手がけているbo enさんとの出会いから教えてください。
Maltine Recordsからリリースされている楽曲やライヴがものすごくカッコ良くて…。なので、いつか関われたらいいなと思っていたら、bo enからTwitterのメッセージで“Yun*chiの声が好きだから、いつか一緒に作品を作りたい”と声をかけてくれて。なので、今年『HYPER JAPAN 2014』でロンドンに行った時に直接想いの丈を伝えに行きました。
イギリスのアーティストなのに、彼の作品は和風な音が使われていたり、日本語の台詞が入っていたり、逆輸入的な要素が多いよね。
そうですね、彼からはたくさんのヒラメキをもらいました。実は彼の「miss you」という曲が好きで、一緒に作る曲にも台詞を入れたいとお願いして、台詞まで私が考えてしまいました。“もし、私が年下の男の子に恋をしたら、どうなるだろう?”って(笑)。
歌詞はちょっと大人っぽいストーリーなのに、ものすごくアニメテイストでポップなサウンドになっていますね。
ギャップがいいですよね。英美里さんへのディレクションも私がさせていただいたのですが、甘えん坊でツンデレな女の子の本音を表現してもらえたらと真剣勝負で。そんな私の気持ちを上回って真剣に応えてくださる英美里さんの台詞に贅沢すぎて高まりが押さえられませんでした(笑)。
相変わらず、いろいろなアーティストのアンテナに引っかかる存在のYun*chiさんですけど、実際にこうやって海外アーティストの方とコラボをすることで、さらに向こうでの活躍が期待できそうですね。
日本の歌手Yun*chiでいさせてもらうことで、最近は日本はもちろん、さまざまな国の方々からメッセージをいただくことが多くなって、とても嬉しく思っています。これからも感謝の気持ちを忘れずに、もっともっと世界中にYun*chiの音楽を届けられるよう頑張りたいです。
アーティスト
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