【忘れらんねえよ】今まで学んできた
全てを詰めた集大成的楽曲
L→R 梅津拓也(Ba)、柴田隆浩(Vo&Gu)、酒田耕慈 (Dr)
ミニアルバム『あの娘のメルアド予想する』から8カ月、シングル「ばかもののすべて」が完成! らしさ全開の真っ直ぐなメッセージソングについて柴田隆浩(Vo&Gu)に訊く前に、世間を騒がせた“童貞偽装”騒動の顛末から語ってもらった。
取材:フジジュン
『あの娘のメルアド予想する』以来、久々の音源ですね。
いやぁ、状況が落ち着くまで大変でした…。あれは良くも悪くも本当に反響が大きくって。
童貞偽装騒動ですね(笑)。
最初は賛否両論出たほうがいいんだって覚悟決めてたし、実際にめちゃくちゃ話題になったし、そして、たくさんの人が“バカじゃん!”と笑ってくれたんですけど、僕らを好きでいてくれた人たちの中には“裏切られた”って思わせてしまった人もいて。そういう反応を聞いた時、つらいなと思ったんです。僕らを信じてくれる人を裏切るのが単純に自分にとって辛いなって。
信じてただけに、裏切られたショックが大きいでしょうね。
そう。今まで作ってきたお客さんとの信頼関係にヒビが入るようなことをしちゃいかんと思って。当時覚悟決めて一生懸命やったことに後悔はないけど、学ぶことはすごく多かったですね。人を傷付けるようなダセェことはしたくないと思ったし、お客さんとの信頼関係をもう一度作っていきたいと改めて思ったんです。そこで半年間、今まで以上にライヴも真剣に演奏して、僕ららしいお遊びにも真剣に挑んで。そしたら年末、『COUNTDOWN JAPAN 2014-2015』に出演した時、8,000人キャパの会場が入場規制になるくらい人が集まってくれて、俺らもいいライヴができて、そこでやっと禊ができたのかもしれないと思って、集まってくれた人に“ありがとうございます”と真っ直ぐに思うことができました。
なるほど。そんな経験もあってか、2015年一発目となるシングル「ばかもののすべて」は裸一貫ど真ん中を突き抜くような、迷いのないストレートな曲になりましたね。
前作以降、いろんなことを学んだんで。そこから真剣に戦って、勝ち取ってきたものの集大成であり、この曲で到達したみたいな気持ちもありましたね。今まで学んできたものの全部を詰め込んで、気持ち良く乗せられたのが「ばかもののすべて」だし。僕らを好きでいてくれる人たちに向けた、僕らからの贈りものというか。そういう意味合いもある曲だなと思ってます。
ファンの人たちが、忘れらんねえよに求めているであろうものを真っ直ぐに届けたと。
そう。でも、それも難しくて、“みんなこういうのが好きなんでしょ?”って提示するのは絶対に間違ってて、お客さんが求めてくれてるのは、今俺自身が聴きたい言葉や、今本気で俺たちが追求してるサウンドだと思うんです。それがちゃんとできたと思うから、俺らを好きでいてくれる人たちがすげぇ好きな曲が作れたと思うし、“今までありがとう。これからもよろしくね”って気持ちも込められたと思うんですよ。自分たちでもやり切った感のある、ひとつの集大成的な曲になったと思うし、ぶっちゃけ、この方向性はもうこれだけのものが作れたからいいやって。次はまた新しい音楽を作っていきたいなと思ってるくらいなんです。
去年、ライヴをやり倒して、お客さんが欲してるものと自分たちがやりたいことにズレがない自信もあるでしょう?
それはあるかも。音源とライヴに対する向き合い方って違うと思うんですけど、お互いが幸せになるポイントってここなんだろうなっていうのはクリアに見えてますね。
そこで音楽に正解なんてないけど、現在の忘れらんねえよが導き出した結論が、「ばかもののすべて」だと思います。なんでもそうですけど、悩んで悩んで出た答えって、実はすごくシンプルなことだったりして。《ロックンロールと君がずっと好きだ》とか、《ばかは迷わずに行けるんだ》って歌詞も、すごくシンプルだけど真意なんですよね。
そう! でも、その結論に至るまでがマジでしんどくて。いつも通りメロディーが先にあって、全部録り終えて歌詞を書いたんですけど、全っ然書けなかったんです…。で、“ヤベェな、俺!”と思ってた時に、大好きな大森靖子さんの「きゅるきゅる」を聴いて、“もう、ごちゃごちゃ考えたくねぇな。俺が聴きたい言葉を書けばいいや!”と思った瞬間に歌詞がバーッと一気に出てきたんですよ。まさにすっげぇ悩んだんだけど、答えはすごいシンプルだったんですよね。
この歌詞は自分に対して投げた言葉でもあったんですね。だから、聴いてて単純に元気になるし、“俺はばかのくせに、何を悩んでたんだ!?”という気持ちになるし。
そうそう(笑)。でも、人を見下してくるようなクソ野郎はね、ばかが絶対倒すから! それは間違いないんです。
わはは。それが無責任に出てきてる言葉じゃなくて、年齢も重ねて、経験も経て出てきた言葉だから説得力がありますよ。
そうそう。それもあって、歌詞の内容は今後も大きく変わらないだろうけど、この曲で全部出し切れた感があったんですよ。今は“この方向性はこれにて完結!”って気分なんです。
カップリングの「俺たちの日々」もバラードソングだけど、実は「ばかもののすべて」と伝えたいことは一緒だったり、「ここじゃないけどいまなんだ」は感情を言葉だけでなくディストーションギターで表現していたり。シングルながら、今作の中にも今後の可能性がたくさん詰まっている気がしますよ。
「ここじゃないけどいまなんだ」は俺もすごい可能性を感じてるし、もっと詰めていきたいサウンドですね。気持ちをアゲるビートやBPMに、グランジのサウンドを乗せたらすげぇ面白いものができるんじゃねぇかなと思ってて。
さらに「ここじゃないけどいまなんだ」を聴いても、言葉だけじゃ伝わらない“揺れる”の感情もしっかりギターで表せていて、表現としても一歩深いところまでいけてるし。
“ここじゃないけどいまなんだ”って言葉だけだと、“そんなことは分かってんだよ”って言われちゃうけど、“上手くいかないこともあるんだけどさ”ってところまで表現することで、人間のリアルを表現できたと思ってるんですよ。ここからさらに新しいサウンドを追求するために俺、新しいギターも買っちゃったんです(笑)。今、すっごいワクワクしてますよ!
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