【ART-SCHOOL】『BABY ACID BABY TO
UR 2012』2012年11月9日 at 新木場S
TUDIO COAST

撮影:中野敬久/取材:宮本英夫

中尾憲太郎(Ba)、藤田 勇(Dr/MO'SOME TONEBENDER)というヘヴィ級リズム隊を配した、リリースツアーの国内ファイナル。アルバム1曲目と同じ「BABY ACID BABY」で幕を開け、壮絶なオルタナロック→激しいダンスロック→スローで壮大な曲→再び壮絶なロックンロールという四部構成で、猛スピードでセットリストは進む。パワフルなリズムのおかげで「DIVA」「LOVE/HATE」など古い曲も生まれ変わって聴こえ、見た目はクールな木下理樹(Vo&Gu)&戸高賢史(Gu)のプレイも燃えるように熱い。“いろんな思いがありまして。この4人でステージに立てることがとても嬉しい”という木下のMCは、解散を覚悟した1年前の状況を思えば実に感慨深く、本編ラスト「We’re So Beautiful」に込めた哀感と愛情の量はハンパなかった。全29曲、ダークな激しさの中に確かな生命力を感じる音楽がそこにあった。

ART-SCHOOL

全ての詞・曲を書く、ヴォーカル&ギターの木下理樹を中心とする4人組。00年の結成以来、精力的なライヴ/作品リリースを展開。02年10月、シングル「DIVA」でメジャー・デビューを果たし、翌11月に1stアルバム『Requiem for Innocence』をドロップする。オルタナティヴ/USインディーを思わせる、ざっくりとした質感のギター・サウンド。狂おしく息も絶え絶えに迫り来る歌声が叫ぶ、甘いメロディ。木下の感情の塊のナイフを突きつけられるような、俺イズムが大爆発のグランジ風ロックを鳴り響かせた。
03年には2ndアルバム『LOVE/HATE』を発表。ラウドなギター・ロックから柔らかなアコースティック・サウンドまで音楽表現の幅を広げると共に、しなやかにしてタフなメンタル面での成長を思わせる、説得力に満ちた快作となった。——しかしながら、同年末をもって大山(g)と日向(b)が脱退。04年に入り戸高賢史(g)、宇野剛史(b)の新加入が発表された。

アーティスト