【I Don't Like Mondays.】IDLMs.ら
しさの進化、そして新たな挑戦

L→R 兆志(Gu)、悠(Vo)、謙ニ(Ba)、秋気(Dr)

片翼にはしなやかな広がりを湛えた壮大なナンバー、そしてもう一方の翼にはシックで艶っぽいファンキーなナンバーを。IDLMs.初のシングルは、彼らのセンスとチャレンジ精神が織り込まれた、入魂のダブルAサイド!
取材:竹内美保

初のシングルは両A面の形態ですが、このかたちでいくことは制作当初から考えていたのですか?

謙二

全然考えていなかったです。僕らは常に“全部がシングルで切れるように”という意識で曲作りをしているので、最初に「WE ARE YOUNG」がシングルに決まった時、せっかくもう1曲入れるなら両A面にしたいよね、という話になったんです。それなら「WE ARE YOUNG」とは真逆のタイプの「Super Special」を入れようって。

「WE ARE YOUNG」はできた瞬間に、“これは絶対にシングルで切りたい!”と思いましたね。僕らっぽさ、IDLMs.のキャラクターが曲名にも表せたとも思えますし。

その“WE ARE YOUNG”というキーワードの源は?

僕らが今後、30代40代になっても、今の無邪気さみたいなものを思い出させてくれる作品にしたかったので、そういう思いからですね。曲の雰囲気、詞の内容…やりたいことと言いたいことがうまくリンクできたかなと思います。

IDLMs.ならではの世界観により壮大さがプラスされたような印象を受けました。

秋気

そこを狙っていたので、すごく嬉しいです。

音作り、アレンジの軸はどういう点を意識していました?

兆志

漠然とですけど、ギターで言うと、なるべくきれいな音色にしたいというのはありました。

イントロのアルペジオは、聴いた瞬間に“この曲、絶対にいい曲だ”と思えるくらいグッときますね。

兆志

まさにそういうのを作りたいと思っていました。良かった。手応え、いただきました(笑)。今回、かなりこだわったんです。2本重ねたギターを1本に聴こえるようにするバランスとか、最後のサビは両サイドからギターが出てきたり…そこは泣かせにかかってます(笑)。

ヴォーカルもこの曲は全部ダブルになっています。やっぱり広がりという面を大事にしたかったので。

ベースはちょっとドライブ感が効かせてあるような。

譲二

そうですね。でも、歌がすごく前に出ているし、ギターもかなり入っているし、ドラムも激しめなので、ベースはシンプルに。リズムがドライブしていくという感覚で、できる限りシンプルに、控えめな音作りにしました。それが曲のことを考えた時に一番良かったので。

秋気

ドラムは結構実験でしたね。EDMのスピード感とバンドサウンドの奥行きと広がり、それぞれの良さをうまく融合してやってみたいと思っていたので、エンジニアさんと相談しながらいろいろ試しました。自分の中では成果があったというか、今までとは違うサウンドを表現できたかなと思います。

「Super Special」は先ほど謙二さんがおっしゃった通り、「WE ARE YOUNG」とは真逆で。シックで大人の色気が漂う、艶っぽいナンバーですね。

この曲、最初はここまでアダルトな感じではなかったんですよ。ポップの中にアダルトさがあるみたいな感じでしたね。

謙二

もっと若い雰囲気で、散歩しながら聴けるような…ちょっと牧歌的というか(笑)。かなり試行錯誤した曲です。

えっ! 牧歌的なものがここまで変化したのはすごい!

秋気

ほんとですね(笑)。

悠さんの艶っぽい声質がすごく活きていますよね、この曲が醸し出す雰囲気に。

こういうヴォーカルはまだ早いかなと思っていたので、テクニック面でも正直言ってトライでした。この曲、すごく難しいんですよ。でも、こういうヴォーカリストって僕らの世代では少ないし…挑戦という意味では、自分のステップアップにもなったと思います。

秋気

悠の本当の良さが一番出たかもね、この曲で。

ギターも色っぽいですよね。余韻も聴かせるアウトロとかも。

兆志

そこは自分の気持ちで弾くというよりは、バックの演奏を聴きながらレコーディングしたんです。ソロは“渋いのを弾いて!”って悠がずっと言ってたので、そこまで言ってくれるのなら弾こうと。でも、“上手すぎてスタジオミュージシャンっぽくなるのは嫌!”とか言われながら(一同笑)。

それにしても、牧歌的な雰囲気の曲がここに至る…試行錯誤の中、この最終形が見えた瞬間はどのあたりでだったのですか?

秋気

録ったあとですね。録音後に“これをどうしたら、もっとIDLMs.っぽくなるのか”というのをエンジニアさんとすごく話し合ったんで、ミックスでかなり変わったんです。

譲二

ドラムとか録った時と全然違うもんね。

兆志

もっとアーシーというか、土っぽかった。

エレクトリックドラムっぽいですよね、入っている音は。

秋気

録った音は、目指していた都会的な雰囲気が足りない気がして。なので、ミックスではかなり細かい部分をどんどん突き詰めて、新しくして、聴きやすいような音に変えました。音が鳴っていないようなところでも仕掛けが加えてあったりもしますし、逆にシンプルにするために入っている音を切ったり。

謙二

ベースもバチッ!と切れたりしていて。それをすることによって聴く人がハッとする…そういうハッとする瞬間を散りばめているというか。最終的にすごくいいかたちになりました。

そして、両A面の2曲にプラスして、デビューミニアルバム『Play』の楽曲の中の3曲がリミックスで収録されているのですが、このリミックスはどれも本来の楽曲の良さが分かる仕上がりになっていますね。

一番嬉しいです、そう言ってもらえるのが。

謙二

メロディーが活きる感じでってお願いしましたからね。

秋気

僕ら、バンドを聴かないような人にも聴いてもらえるバンドでありたいと思ってるんですよ。で、EDMに関しても、普段EDMを聴かない人にも聴けるようにというのを意識しました。原曲のキャッチーさが活きたものになったと思いますね。

「WE ARE YOUNG / Super Special」

  • 「WE ARE YOUNG / Super Special」
    COCA-16993
    2015.04.01
    1728円

I Don't Like Mondays.

アイ・ドント・ライク・マンデイズ:2012年、表参道で結成。通称“IDLMs.”(アイドラ)。14年にミニアルバム『PLAY』でデビュー。とことんポップでキャッチーなメロディーをベースに、ロック、EDM・ファンク・ディスコミュージック、80’sをミックスさせたIDLMs.の音楽を生み出し、「Super Special」は桑田佳祐の『2015年 邦楽ベストシングル20』に選ばれるなど、そのセンスと実力の評価は高い。19年8月に約3年振り4枚目のフルアルバム『FUTURE』をリリース。

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