【バンドじゃないもん!】立ち止まら
ず好き勝手なまま突き進んでいきたい
L→R 望月みゆ(ベース)、天照大桃子(ティンシャ)、鈴姫みさこ(ドラム)、恋汐りんご(カスタネット)、七星ぐみ(シェイカー)、甘夏ゆず(シンセサイザー)
“アイドル界のミクストメディア”ことバンドじゃないもん!が再メジャーデビュー。Q-MHzや沖井礼二が手がけた両A面シングル「キメマスター!/気持ちだけ参加します。」について、鈴姫みさこ(Dr)と望月みゆ(Ba)が語ってくれた。
取材:土内 昇
現在展開中の『バンドじゃないもん!全国ツアー2016 〜てっぺん目指そうぜ!武者修行編〜』はどんなツアーになっていますか?
みさこ
笑い(コント)あり、涙(「NaMiDa」)あり。今回のツアーは番外編を除いてメンバー書き下ろし脚本のコントがあったり、前シングルの「NaMiDa」がツアーバージョンになって、もんスター(バンドじゃないもん!のファンの愛称)のみんなと一緒に歌う曲になってたり、とにかくライヴに来てくれる人に楽しんでもらうなら、かたちを問わず何でもやるスタイルでお届けしています。
みゆ
“武者修行”と言っているように、毎回メンバーそれぞれが“武者修行クエスト”っていう、その日の目標をお客さんの前で掲げて、それをクリアーできるように頑張って、ちゃんとライヴが終わったあとにひとつレベルアップしてるようになってます!(笑) クリアーかどうかをもんスターのみんなに判定してもらったりもするんです。
ファナルには自身最大キャパの豊洲PITが控えていますが。
みさこ
伝説のライヴにします。たくさんのもんスターと一緒に広い世界を覗き見したいです。
みゆ
バンもん!史上最高のライヴにする! 言うまでもないです! 楽しそうなことを全部やりたい! あと、バンもん!のライヴはお席があるよりスタンディングのほうが楽しいのではないかと個人的に思うんですね。それは、もんスターのみんなを見てて。しかし、規模が大きくなるにつれ難しくなってくるもので…。でも、ステージからでも感じるもんスターたちの思いやり、やさしさがあればクリアーできるんだろうなーって。みんな笑顔でエクストリームハッピーになれるんじゃないかなって思ってます。この規模でもバンもん!はスタンディングでやれるんだって豊洲PITでみんなと証明したい!
同ツアーの初日に“2度目のメジャーデビュー”が発表されたわけですが、再メジャーデビューが決まった時の心境はどんなものでしたか?
みさこ
インディーズもメジャーもそれぞれメリット・デメリットがあるのを知っているので、メジャーに飲み込まれず、乗りこなせるように頑張っていこうと覚悟しました。
みゆ
今までいろんなことを経験してきた分、メンバーみんな疑い深くなってて、“これは…ぬか喜びしてはいけない…もしかしたら落とし穴が…”とか思ってました(笑)。だから、実際“再メジャーです”って言われた時の反応は“…(シーーーン)”でした(笑)。ツアー初日にもんスターに伝えて初めて実感したくらいです(笑)。
(笑)。最初のメジャーデビューの時は“ツインドラムあいどる”でしたが、今回は6人体制での“アイドル界のミクストメディア”。やはり自身の中でもバンドじゃないもん!に対する想いも変わっていきましたか?
みさこ
バンもん!の肩書きが変わっても、それってバンもん!をよく知らない人に説明するための窓口的なひとつの情報なので。バンもん!がやりたいことはずっと変わってないので、想いは特に変わりないです。
みゆ
バンもん!に対する自分の気持ちが変わったのは今じゃなくて、6人になってからかも。私はツインドラムじゃなくなるタイミングで加入して、メジャーじゃなくなるのも経験して、新メンバーを受け入れて…6人になってちゃんと同じ方向を向いて、新しくみんなで歩幅合わせて歩き出して、そこで“私はバンドじゃないもん!のメンバーだ”って自信を持って言えるようになったなって思います。今はいい意味でバンもん!に対する想いは何も変わらないというか。ただ、最近特に“バンもん!に人生懸けているなぁ”って感じてます。
そんなバンもん!でメジャーというフィールードでやってみたいことはどんなことですか?
みさこ
もっとバカで、もっと面白くて、もっとかわいい女の子の頭の中を、いろんな人の力を借りつつ具現化したい!
みゆ
たくさんあります! すごいスケールのライヴがしたいし、いろんなコラボとか、全国の人に私たちを知ってもらう何かとか。やっぱりもっと全国区に活動を広げていきたいなー。いろいろ届きにくい九州出身なので、地方に対してもっと働きかけたい! 熊本の街ふらふら歩けなくなるくらい有名になりたいなぁ(笑)。
ちなみに3月24日(木)に新宿ステーションスクエアにゲリラライヴを行ないましたが、あのライヴをやってみた感想は? みさこさんの最後の“生きてる限り、何回だって人生はやり直せます!”という言葉が印象的でしたよ。
みさこ
伝えたいことは伝えられたのでありがたかったですが、まだああいうメジャーっぽい場所? 物事?…に慣れてないので、もっと経験を積んで自分たち自身も楽しめるようになりたいなと。レッツゴー・パラダイス大浴場!
みゆ
非日常すぎました。やっぱりバンドじゃないもん!って日常に違和感を与えれる存在かもしれないと感じました(笑)。“新宿のあの場所にバンもん!って、異様だったなぁ”ってステーションスクエアのとこを通るたびに思います。
では、再メジャーデビューシングルについてうかがっていきたいと思います。今作の「キメマスター!」は畑 亜貴さん、田代智一さん、黒須克彦さん、田淵智也さん(UNISON SQUARE GARDEN)からなる、プロデュースチーム・Q-MHzによる書き下ろし曲ですが、最初にこの曲を聴いた時の印象はいかがでしたか?
みさこ
メジャーっぽい!
みゆ
率直な感想を言うと“速っ!!!”です。あとでしっかり聴いた感想は、ベースラインが鬼畜だなぁ…です(笑)。
(笑)。《生まれかわる一歩目》や《何度でも平気な顔して走りだして》と歌っていて、再デビューを果たすバンもん!の意思表明的な曲になってますね。“もんスター”(ハンドじゃないもん!のファンの愛称)というワードも出てくるし。
みゆ
そうですね、ネガティブな気持ちなんてバンもん!にはいらないんです。前向きな言葉しか歌ってないです。
みさこ
作詞を主にしてくださったのは畑 亜貴さんなのですが、“もんスター”という言葉を気に入ってくださってたと話をうかがいました。もともと畑 亜貴さんの歌詞を聴いて生きていたので、私たちのバックボーンなどが歌詞に反映されたこの感じは、さすがだなと感動しています。
そんな歌詞で印象的な言葉は?
みさこ
《キマっちゃってる!》。この言葉のチョイスの危なさがバンもん!ぽいなと(笑)。あと、汐りん(恋汐りんご)が《怒られても止まれないのです》って歌詞が好きって言ってて、本当にその勢いでバンもん!も立ち止まらず好き勝手なまま突き進んでいきたいですね。あえてわがままに。
みゆ
私は《銀河のどっかの頂点に 旗を立てるまで》です。私たちは“てっぺん”を目指してるのですが、そのてっぺんってつまりこういうことかもって思ったフレーズです。この会場!とか、何位!とか、そういうとこがバンもん!のてっぺんじゃないといいなって私は思います。
この曲の歌入れにはどんな気持ちで臨みましたか?
みさこ
かなりキャッチーな曲なので、あえて曲に引っ張られないように、下手に聴こえてでもいいから、やりすぎるくらい個性を出して歌いました。癖があるくらいがバンもん!ぽいと思うので。メンバーの歌入れにも基本私は立ち会っていたのですが、メンバーそれぞれのいい意味でバラバラの声色や温度感がきちんと出るようにと思ってチェックしていました。
みゆ
私は…とにかく舌を回すぞ、と(笑)。ただでさえ速くてたくさん言葉が詰まっているので、聴いた人が聴き取れるように滑舌良く歌いたいっていう、そんな気持ちでした(笑)。
レコーディングでのエピソードがあれば教えてください。
みさこ
ドラム録りの時に、Q-MHzの田淵さんがその場でアドバイスなどしてくださったりしながら録りました。ドラムだけでも展開がどんどん変わっていくスピード感のある曲なので相当難しかったですが、なるべく私らしく気持ちを込めながら楽しんで叩けるように意識しました。あんまいコーヒー飲みを続けながら(笑)。
みゆ
2番サビ直前の《いいとこだったのにー!》って台詞があるのですが、いろんなイントネーションのパターンを録りました。一番良い感じのが使われたと思います(笑)。
この曲の振り付けはラッキィ池田さんが担当されていますが、この曲のダンス、フォーメーションはやられていていかがですか? 中毒性が高い分、かなりハードに思えるのですが。
みさこ
観ての通りめっちゃハードです(笑)。でも、曲の難易度が高いからこそ、ラッキィ池田さんにはなるべく分かりやすく、お客さんが手振りだけでも真似しやすいような振りを付けていただきました。
みゆ
めっちゃハードです。特にイントロで早速出てくる首の左右の動きがメンバーもみんな苦戦していたのでは!? あとは“もんスター”ってワードが多いので、いろんなモンスターのポーズや動きをやってたりします。そこも要チェックです!
もう1曲の「気持ちだけ参加します。」は沖井礼二さんの楽曲らしくTWEEDEESやCymbalsを彷彿させるキラキラのポップチューンですが、最初に聴いた時の印象は?
みさこ
もともとちゃんもも◎(天照大桃子)が“渋谷系をバンもん!でやったら面白いんじゃ?”と言ってたので、それを沖井さんがとても素敵に再現してくださったなと。
みゆ
今までのバンもん!になかった雰囲気の曲だなぁってワクワクしました。すんなり入ってきたというか、私は新たなものに拒否反応を示すことが多いのですが、これはめっちゃ受け入れた(笑)。
歌詞がみさこさんとの共作なのですが、どういう制作行程だったのですか?
みさこ
沖井さんとは全部誰かしらを介してコンタクトを取らせてもらってたのですが、まず私から“歌詞は今の音楽業界の長い五月病を、メジャーに戻って来たバンもん!が吹き飛ばすような感じで”って沖井さんに伝えました。その後、キラキラしたデモと、私が最初に提示した歌詞の感じで仮歌が入ったものを送っていただいたのですが、この女の子っぽい繊細な曲調なら恋愛ソングがかわいいかも!と思い、同じ五月病でもこんな歌詞はどうかっていうのを、沖井さんの仮歌詞を変化させながら私が作らせてもらいました。ちなみに、《灰の雲のカーテン~迷わずに連れてってくれるかな》の部分は、この部分にパートを追加するか相談を受けて、私が歌詞だけ先に作って、沖井さんがあとから最高なメロディーを付けてくれたという珍しく歌詞先行で作った場所なので、注目して聴いてくれたら嬉しいです。
なぜ“五月病”をテーマにしようと?
みさこ
季節がら!(笑) でも、私は日本の季節などに限らず、変化するものや逆にずっと変わらないものってテーマが好きなので。
みゆ
これはみさこ発案なのでなんとも言えないのですが、五月病ってもしかして日本ならではの症状なのかもって思っていて。もしそうならこの独特な気怠さや何とも表し難い気持ちが、海外に日本のカルチャーのひとつとしてこの曲で伝わったら面白いかも!
出だしの《机になりたい お外出たくない》はすごいインパクトでした! だらけまくっている主人公の絵が浮かぶというか。っていうか、みさこさんは慢性五月病?
みさこ
実は《机になりたい》は沖井さんの仮歌を聴いた時に最初そう聴こえて、これすごくそれっぽいから空耳のまま使おうと思い歌詞にさせてもらいました(笑)。ミラクルはどんどん取り入れてくタイプなので! あと、私は女の子は基本みんな慢性五月病だと思ってるので、全女子にこの曲が響いてほしいです(笑)。
この曲の歌入れにはどんな気持ちで臨みましたか?
みさこ
気怠くかわいく隙だらけ! でも、好きな人を好きと想う恋心のエモさも忘れず。
みゆ
いつもよりかわいく歌いたいなって考えてました。こんなに女の子な歌詞もバンもん!にはなかなかないので嬉しかったです。
この曲もレコーディングでのエピソードがあれば教えてください。
みさこ
ミックスに立ち会っている時、「キメマスター!」の時とはある意味逆で、表にある分かりやすいバンもん!の個性っていうのは無理には出さず、メンバーの新しい一面みたいなのが見えたらなと思って作ってもらっていました。
みゆ
ももパートの《空気吸って吐いて》とか、みさこパートの《言おうとしたけど》部分のハモを担当しました。きれいに歌い上げるとこだと思うので、いつもより難しく感じました。
この「キメマスター!」と「気持ちだけ参加します。」を両A面に配した、再メジャーデビューシングルですが、どんな作品ができたと実感していますか?
みさこ
完全にキマっちゃってる! そしてバンもん!なりのメジャーっぽさを意識した一枚です。これがメジャーだ!!!
みゆ
すごく両極端な2曲でバンもん!のかわいい部分、カッコ良い部分、いろんな顔が見られるものになったと思います。
このシングルの聴き所は?
みさこ
バンもん!の表と裏の両方が詰まってるところかな。あと、楽器の演奏も頑張ってるから、いっぱい聴いてあげて!
みゆ
「キメマスター!」はやっぱり早口なサビ。歌えるようになったら楽しいぞ~! そして、「気持ちだけ参加します。」はかわいくて憂鬱な共感できる歌詞。ストーリーを感じながら聴いてほしいです。
最後に読者、リスナーにメッセージをお願いします!
みさこ
とにかくCD聴いてライヴ来てください! なぜならバンもん!は楽しくてメンバーがかわいいから!
みゆ
いろいろ言いましたが、バンもん!はやっぱりライヴで観て聴いてもらうのがもらうのが一番です。全国ツアーもまだまだ続くし、大きなライヴもあります。絶対に笑顔にしてみせるのでフラッと遊びに来てください。待っとるばい♪
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