【I Don't Like Mondays.】今までの
僕らを大事にしつつ新しい僕らが見つ
けられた
L→R 謙ニ(Ba)、秋気(Dr)、悠(Vo)、兆志(Gu)
やはりIDLMs.は進化を伴う変化の季節を迎えていたようだ。それは本質を表現し伝えていく、新たなフェーズの始まり。バンドにこだわらなかった彼らがバンドとしてのこだわりを打ち出す——その意志、しかと受け止めたい。
取材:竹内美保
今作の『SUMMER』からはIDLMs.の変化や進化が感じられました。それもかなり明確な。
悠
『TOKYO』と『FASHION』の2枚のアルバムで、その時点で僕らがやりたかったことを出し切ったので、“次、新たにどういうことをやっていこうか?”と去年の年末に考えたんですね。僕らの表現…音楽だけじゃなくて、ビジュアルやミュージックビデオ、アーティスト写真も含めてセルフプロデュースしていく中で、第1フェーズではバンドにとらわれないものを目指してやってきたんですが、パーティー感やちょっとチャラついている感じがあるので、僕らのことは知っているけど、バンドってことを知らない人もいるんですよ。なので、そういうことも踏まえた上で、2017年は自分たちの中に持ってはいるんだけど、あえて出していなかった部分…バンドならではのサウンドやビジュアルを打ち出そうと。で、まずは「PRINCE」という曲の制作からスタートしたんです。
「PRINCE」は3月の自主イベントで披露されていましたが、あのライヴでIDLMs.が変わりつつあるのは感じました。
悠
遊び心を全面に出していたのをガラッと変えてやろうかなと。あえて隠してきたシリアスさや真面目な部分を出して…大きい意味での“遊び心”という感じですね。
秋気
今まではそのときどきの旬を出してきたつもりなんですけど…結構短い期間で。で、“2017年はこのバンドはどういうふうにあるべきか?”って考えた時に、ジャケットやアーティスト写真などビジュアルを共同で作っているセレクトショップのRESTIRとの話し合いの中で、“1年かけて同じ方向のビジュアルを打ち出して、IDLMs.の世界観をより分かりやすく伝えることを、そろそろしてもいいんじゃないか?”と思ったんです。だから、長い目で表現の仕方を考える期間に入ったというか。
悠
楽曲も一曲一曲に対して、その時ベストなものをっていう全力投球だったんですけど、より先を見て制作に臨むようになりましたね。
謙二
僕的にはいろいろやってみて一番大事なのはライヴだなと。だから、全部こうやって方向を変えているのも、ライヴがちゃんと見えるバンドでいたいからで。一見ボーイズバンドに見られる可能性はあるし、楽器をちゃんと弾いてないんじゃないかとか、曲は他の人が作っているんじゃないかとか、そういうちょっとした誤解があってライヴに来ない人も少なからずいると思うので、そういう人たちが“このバンドのライヴに行ってみたい!”という気持ちになるような、その気持ちと直結するようなかたちで作品を出せたらいいなというのが今年のテーマなんです。だから、バンドっぽさを押し出していこうと、2017年は。
その姿勢が明確に表れているのが1曲目の「On my way」ですね。
兆志
僕らは1stミニアルバムの『PLAY』に入っている「Golden Life」が好きなんですけど、あの曲のような味を持っていて、なおかつライヴで盛り上がる曲を作ろうと。で、ギターは夏を意識してアコギを入れたり、エレキはU2みたいなクリーンな感じのディレイをかけたり。歌詞も日本語メインで、より届きやすい表現になっています。
秋気
個人的にはレコーディングよりもミックスやマスタリングの時に今までの僕らっぽくなさの限界まで行った気がしてて。そこでのバランス感覚は今までよりも攻めているというか、2年前では行けなかったところに行けたんじゃないかと。2曲目の「Shape of love」や3曲目の「PRINCE」は僕らの表現の中でより大きく可能性を広げた感じなので、今までの僕らを大事にしつつ新しい僕らがこのEPの制作で見つけられたと思ってます。
リズムはトライバルですけど、今まではもっと土着的だったのが心地良いビートになっていますね。ベースのセクションごとの変化も面白いですし。
謙二
もともとはドラムがすごいトライバルなことをやっているので、ベースは8分でシンプルにいこうかと思っていたんです。でも、録っている間に秋気がフレージングを結構変えたので、セクション的に最後に向けて上がっていくフレーズにしたいと思って、サビでリズムを変えたり、音数を増やしたりしましたね。とはいえ、基本はドラムが前で引っ張っていけるように、フレーズをすごく動かすというよりはリズムでそこに落としていくことを意識しつつフレーズを作っていきました。
秋気
僕らは作曲をパソコンでやるんですけど、今回は生楽器をかなり多く使うことを考えていたので、実際に生の楽器を鳴らしながらパソコンでは作れない細かいニュアンスなどの可能性を探りつつ、フレーズもその場で決めていったんです。アウトロのドラムパターンがいきなり変わるところとかは、生でアレンジしたからこそできたことですね。ギターも空間を埋め尽くすような歪んだ音を前サビに入れていたんですけど、それを後半からにしてみたり。
兆志
音の隙間を埋めるじゃないですけど、そのくらいの役割ですね。それもヘッドフォンで聴かないと分からないような。でも、聴こえなくても感じられる…そういうのが意外と大事だったりするので。
メロディーの良さも際立っていますね、この曲は。
悠
確かにこの曲のメロディーの作り方は今までと違う。感覚主体で…いい意味で力を抜いて作ったので。歌詞は今の僕が感じていることとか、自分自身に言いたいことを詰め込んだんですけど、聴いた人も前向きなエネルギーを受け取れるようなものにしたいなと考えて書きました。
そして、「Shape of love」「PRINCE」と計3曲の新曲がこのEPに収められているわけですが。
悠
「Shape of love」は極力音を少なくしつつ、かつノリのいいものを目指しました。「PRINCE」はバンド感を意識して最初に作った曲で、これはシリアスでストレートなものにしたいと思って作りました。しかもバンドサウンドだけじゃなく、トロピカルな要素を入れたり、ドラムは打ち込みだったり。でも、軽くないというか、メロディーとビートがしっかりと深みを出すような音選びを、みんながそれぞれやっていますね。
6月にはこのEPのリリースパーティーもありますね。
悠
はい。自然と一体感が生まれるようなライヴにしたいと思っています。
アーティスト
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