【Naifu】


取材:石田博嗣

メジャー1枚目がこの曲で良かった

メジャーデビューシングルがリリースされるのですが、デビューということで「Take The Wave」を選んだのですか?

志音

随分前からデモがあって、タイアップのお話をいただいたんで、それを引っ張り出してきたって感じだったから、デビューのために書いたものではないです。メジャーだろうが、インディーズだろうが音楽を作るという意味で自分たちにしてみれば関係ないですよ。メジャーとインディーの境目も分からないですし。

曲としてはどんなものを作ろうと?

志音

Naifuの曲として、リリースしても恥ずかしくないものですね。でも、意識したことは特になくて、自分の中にある引き出しを出した…自分が不得意なものを作るんだったらいろいろと意識したと思うんですけど、自然にできたという感じです。

アレンジ面でも? 疾走感のあるバンドサウンドが途中で打ち込みになったり、ハードロックばりのギターソロが入ってるところが印象深いのですが。

志音

カッコいいものを作りたいとは思ってましたけど、それを意識してしまったらアウトなんですよ。そこで考えてしまうから。ループの部分も自分が好きな楽曲にそういうものが多いんですよ。自分で打ち込むのもいいけど、篤はトラック作りとかしてたんで、そこは彼に任せました。

山口

あそこで曲の勢いを止めてしまったら絶対にダメなんで、スピード感のあるループにしたいと思ってました。最終的に、ふたつのグルーヴをミックスしたようなものになりましたね。

志音

ギターソロはマイケル・ジャクソンの「Beat It」を…あの部分が「Beat It」っぽく思えたんで、エディ・ヴァン・ヘイレンみたいには弾けないですけど、それなりのことはしてみようかなって。意識したのは、それぐらいですね。

では、分厚いコーラスワークは?

志音

そこがメインというか、Naifuらしいところですよね。Naifuは全員が歌えるから、全員で歌ってない曲がないくらいで。

荒神

みんなで歌うのはいいけど、ゴスペルみたいに聴こえるのは嫌だし、アイドル的なものになるのも嫌なんで、どうすれば全員の声がうまくひとつになるかをすごく考えましたね。あと、カップリングの「そばにいるから」は村上くんがリードを歌ってるんですけど、ヴォーカルが変わったからって別のバンドだと思われたくないんですよ。誰が歌ってもNaifuの音にならないといけない。そこをカバーするためにも、全員でのコーラスというのもを研究しました。

このデビューシングル、どんなものが作れました?

山口

時間をかけて作ったんで、いいものができたと思います。これから変わっていく思うんですけど、今までの集大成ですね。

志音

メジャーの1枚目として、この曲で良かったなって。例えばこれがインダストリアルなものだったら、インダストリアルバンドって言われてしまうじゃないですか。でも、ロックサウンドの曲でデビューできたんで、早く聴いてもらいたいですね。まだNaifuのひと欠片でしかないんですけど。

荒神

“こんな音楽をやってるんです”というのは言葉でどれだけ説明しても分からないから、“初めまして、こんな者です。次にお会いするかどうかは、これからですね”って感じですね。

村上

ミスチルとかって最初はすごくポップで、その後どんどんロックになっていってるんですけど、一枚目からこういうロック色の強い曲を出せて良かったなって思いますね。

Naifu

ナイフ:2005年、荒神が山口と村上のふたりと大阪のスタジオで出会う。その後、プロデューサーの紹介でMR.ORANGEやSCHONとして活動する志音が加わって結成される。以降、大阪のライブハウスを中心に勢力的にライブ活動を行ない、08年7月にシングル「Take The Wave」でメジャーデビューを果たした。

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