【RAVE】
取材:高木智史
新たな気持ちで音楽に向き合えている
今作は前作のリリースから22ヵ月という期間が経っていますが、その間にはバンド内でいろいろな出来事があったんですよね。
藤田
前作を発売した後に、このバンドが始まった時にすごく野心があったかというと実は何もなかったかもしれないなと思ったんですよね。今作はそこから作る作業だったんですが、07年の夏ぐらいに簡単なレコーディングをしたんですけど、録ってみて正直良くないなと。何も前に進んでないと思ったんです。ちょうどその夏に一緒に住んでいた彼女とも別れてしまって、いろいろとひとりで考えていたことがバラッと全部崩れて、そのことでちょっとマインドを変えられたと思うんです。そういう気持ちになった時に、今までの曲を見てみると完全にひとりよがりだなって…。自分のことしか歌ってないし、そんな歌では誰かの気持ちに置き換えられることはとてもできない。だから一旦全部捨てて、そこから新たに書いた曲で今作はできています。
徳田
目標を模索している時はしっくりくる曲って、やっぱりほとんどなかったですね。その頃は何をやってもダメだった。曲が悪いのか自分たちの精神状態が悪いのか、その時は分かんなかったですね。
品治
藤田自身で解決する問題でもあったし、僕らはあまり入ることができなかったんですよ。それで出た答えがこのアルバムになっていますね。
1曲目の「walking on the rainbow」に、その答えが詰まっていますよね。想いの全てを吐き出して、その上でできたような印象を受けました。
藤田
ほんと、この曲はマスタリング終了の1週間前くらいの最後にできましたね。でも、もしこれが最初にできてたらすぐにアルバムは完成してたかなと思います。
この曲に行き着きたかったと?
藤田
そうですね。目指していたわけではないんですけど、結局、これから何をすべきかというちょっとした答えがこの曲にはあったかなと思いますね。
サウンドに打ち込みを使っているところが印象的だったのですが、これはどういうアイディアからできたのですか?
藤田
プログラミングの方の家に行った時に、その人が作ったサウンドトラックをいくつか聴かせてもらったんです。その中ですごくパワーを感じる曲があって、それがこの曲のベーシックになっていて…“そこに歌を乗せたらどうなるんだろう?”という簡単な発想から、この曲はできています。
野口
僕にとっては打ち込みの曲はすごく新鮮です。自分が思い浮かばないようなこととか、消化しきれないことができるのが打ち込みなので。とにかく藤田が出してくるものが面白いんですよね。自分にないものを得られたし、今作は僕は有無を言わずにやってましたね(笑)。
では、最後に今作がこれからの活動の区切りになったと思いますので、この先の展望をお願いします。
藤田
新たな気持ちで音楽に向き合えているので、もっと人に伝えていくためにはどうすればいいかを考えています。
品治
いろいろ人として成長できたかなと思いますね。次はもっと自分を曲に反映できたらと思います。
徳田
近い目標として8月30日にワンマンライヴがあるので、そこに向けて頑張りたいです。
野口
ほんと、勉強になったのひと言ですね。これからどうするかは、ワンマンが終わってから考えます。
アーティスト
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