【the chef cooks me】


文:高木智史

早耳なライヴファンなら、すでにご存知の方も多いだろう。ライヴシーンでの人気急上昇中のthe chef cooks meがミニアルバム『ライフスタイル・メイクスマイル コンパクトディスク』をリリースする。

シェフによる楽曲はパンク、エレクトロ、ダンス、テクノといったさまざまな音楽テイストをふんだんに盛り込み、ポップに味付け、そしてカラフルに仕上げることで絶妙な味を醸し出している。

一聴、具沢山のごった煮状態だが、くどくなく、それぞれの具材=音色が喧嘩することなく、ひとつの大皿=楽曲にまとめられている。それが彼らのセンスなのである。

そんな彼らはシモリョー(Vo&Key&Programming)が下北沢ERAというライヴハウスで働いていて出演していたバンドに影響を受け、“とりあえずバンドをやってみよう”という計画性ゼロの思い付きで結成したというから驚きだ。その彼らのごく自然な“思い付き”が功を奏し(?)、さまざまな音楽を盛り込むこととなり、独自のセンスでひとつの楽曲として、まとめることができたのかもしれない。

さて、今作だが、5曲の楽曲はそれぞれに違ったアプローチを見せ、1曲1曲が驚くほどカラフルだ。1曲目「Oh yeah, music! You are mine!!」はこれぞシェフと言えるようなキラッキラポップチューン! “ドゥーワッパ~”と始まるコーラスが“いまどき!?”と思ってしまうが、あえてハズしたその感性に心をくすぐられる。ライヴでは会場全体に“ドゥーワッパ?”と声があがり、クラップハンズの光景が広がっていることだろう。

続く「ライフスタiLL・メイクスマイル」はエレクトロなパンクサウンドが印象的。

“塞翁が馬にライドオンです 要するにドゥー・イット・マイセルフ!!”などのポジティブなメッセージがサウンドと共に弾ける。また、“イエー!! 僕らは Japanese-POP けど型には収まんない”という歌詞があるが、すでに音楽のテイストは型を感じさせず、これだけ弾けた歌詞をサウンドに絶妙に乗せているところなど、J-POPの枠をはるかに超えている。圧巻です!

the chef cooks me

シェフクックスミー:2003年結成。国内外のアーティストとジャンルに関係なく貪欲にライヴ活動を展開。08年6月にはミニアルバム『ライフスタイル・メイクスマイル コンパクトディスク』でメジャーデビュー。

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