まるで70年代のアイドル?!平手友梨
奈(欅坂46)の『山手線』
今回紹介する『山手線』はMVの雰囲気、歌詞、メロディのどれもが大人っぽく昭和の匂いがする楽曲になっています。『山手線』を平手友梨奈と照らし合わせて解釈してみることにします。
平手友梨奈は、デビュー曲でいきなりセンターに抜擢されています。センターは最も注目されるポジションであり、グループそのものの方向性を決めると言っても過言ではありません。センターって憧れの場所なんじゃないの?と思う方も多いとは思います。しかし、欅坂46=平手友梨奈とみなされている現実があるように、グループの評価や責任がセンターである平手友梨奈にのしかかることになります。「誰もが無関心で気が楽だから」というフレーズは、センターという注目度の高いポジションに立たされた平手友梨奈の声とも受け取れます。
平手友梨奈にとって、センターにたってみないと分からない責任感やプレッシャーから逃れられる場所、そして自分に関心が向かない場所、それが山手線でした。数々のセンターを見てきた秋元康さんだからこそ分かることがあるのでしょうね。
ここで言われている「青春」とは、欅坂46や芸能界という意味。いつの間にか乗り込んでた「芸能界」に彼女は迷いに迷うことになります。それもそのはず、欅坂46は2016年8月21日に結成されてからすぐにレギュラー番組『欅って、書けない?』が始まり、4月6日にデビューし女性アーティストのデビューシングル初週売上歴代1位という快挙を成し遂げます。彼女の認識と現実の間のギャップに彼女は悩んだこともあったのでしょう。ここではセンターとしての悩みというよりは、欅坂46としての将来への不安を歌っています。
結局この『山手線』ではセンターとしての孤独感や欅坂46の将来への不安が読み取れるわけですが、秋元康さんはなぜこの楽曲を平手友梨奈に歌わせたのでしょうか。もっと万人受けする楽曲でもよかったのでは?
答えは、平手友梨奈本人にあります。彼女の表現力がずば抜けているのは先述の通りです。何より「切ない」表情がとても上手い。『山手線』のような孤独感や不安感などを歌った楽曲には適任だったのでしょう。
平成の山口百恵と呼び声の高い平手友梨奈。今後進化を続けるであろう彼女は、どこまで行くのでしょうか。彼女の成長に期待せざるを得ません。
TEXT:川崎龍也
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