Rootscoaster Vol. 141 / 須田洋次郎(ミツメ) 大注目の新シングル『エスパー』に、僕らはまたワクワクしてしまった……! バンドの心臓、須田洋次郎(Dr.)に影響した3曲とは
昨年12月に、5thシングル『エスパー』をリリースしたミツメ。活動開始頃から現在に至るまでの詞曲のニュアンスを総括し、バンドのこれからに向けて書き上げられたナンバーは、まさに“こちらがミツメです”という名刺代わりの1曲となった。
昨今のインディ・シーンにおいて、その原義である“独立性”というものを、彼らほどに達成できている存在を見つけることはそう容易くない。楽曲制作やライブをはじめとして、グッズ、そして写真や映像まで、全面からDIY精神が感じられる運営体制には尊敬の念を抱くばかりだ。周囲を巻き込んでゆくそうしたパワーの源は、やはり何と言っても、4人のメンバーが共に創り上げる楽曲なのだろう。その展開にグッときたり、もしくはたった1音でハッとしたりするような音楽のさまざまに、今後も期待せざるを得ない。
さて、「エスパー」「青い月」という2曲を収めた今回のシングルに話は戻って。風船が(ポップ・サウンドで)めいっぱい膨らみ切る、その瞬間に口をきゅっと結ぶ――そんな風に刻まれるリズムの存在が、“ミツメ”という協奏にとってなくてはならないものであることを私たちは改めて思い知った。そのタイトさはもちろんのこと、小気味よいスリップ・ビートの数々にもその腕前が光る。こうして多くのリスナーを魅了するようになったドラマーが、そもそも音楽の世界に惹き込まれるきっかけとなった3曲とは、一体どのようなものだったのだろうか。
というわけで、今回は下北沢THREEでのDJ活動のほか、スコーン職人(!)としての一面も垣間見せる、須田洋次郎のルーツに迫ってみよう。
(Text By hikrrr)