ニュー・オーダーが独自のサウンドを確立した記念すべきアルバム『権力の美学』
パンクロックが終焉を迎えた頃、ポストパンクのグループとして注目を集めたのがジョイ・ディヴィジョン。グループのリーダーでソングライターでもあったイアン・カーティスは、持病や人間関係から心を病み1980年に自死を選んだ。彼の死後にリリースされた2ndアルバムの『Closer』は高い評価を受け、残されたメンバーはグループの存続を決める。グループ名をニュー・オーダーと変え81年に始動するも、デビュー作はカーティスの死を引きずり結果が出せなかった。しかし、それまでの陰鬱なサウンドから一転、エレクトロ・ポップへのアプローチで新境地を開拓したのが本作『権力の美学(原題:Power, Corruption & Lies)』である。