70年代初頭のSSW作品を彷彿させるダイアン・バーチの名作『バイブル・ベルト』
来週から来日公演が始まるダイアン・バーチ。今回は彼女の名を世界に知らしめたデビュー作である本作『バイブル・ベルト』を中心に選曲されるようだ。2009年、70年代シンガーソングライターの香りを漂わせた紛れもないこの傑作をリリースしたあと、次作のミニLP『The Velveteen Age』(’10)ではジョイ・ディヴィジョン、ザ・キュア、シスターズ・オブ・マーシー、ディス・モータル・コイルといったダークな面々のカバーアルバムを出し、『バイブル・ベルト』とはまったく違ったサウンドでファンを驚かせた。実は彼女の“素”はゴシック的なものこそが表の顔であることが判明したのだった。最新のEP『Nous』(’16)でもゴシック〜エレクトロ路線は変わらなかっただけに、今回の選曲は意外な気がするのだが、デビューから10年経って原点を見つめ直すという彼女の心意気が表れているのかもしれない。