藤あや子の明治座<歌手生活30周年 特別公演>開幕、三山ひろし特別出演
1987年に「村勢真奈美」としてCBSソニーよりデビューし(「藤あや子」に改名してのデビューは1989年)、2017年、歌手生活30周年を迎えた藤あや子が9月3日、明治座では初の単独座長公演となる<歌手生活30周年 藤あや子特別公演>の初日を迎えた。本ステージには、男性演歌歌手のホープ・三山ひろしが特別出演した。
第一部の芝居「明治一代女」は、明治時代に日本橋浜町で起きた「花井お梅事件(箱屋事件)」を題材にした川口松太郎・原作の小説、戯曲を元に作られた作品である。初演は1935年11月の明治座で、花柳章太郎が主役のお梅を演じて好評を得た名作だ。その後は、水谷八重子・美空ひばり・水谷良重(現・2代目水谷八重子)といった錚々たる名女優・大スター達が同じ役を演じてきたが、今回はそのお梅役を藤あや子が演じる。艶やかな芸者姿の藤は、女優顔負けの堂々とした演技で観客を魅了。松村雄基、松田悟志といった実力派俳優を相手に、難しい役どころである悲劇のヒロインを見事に演じきり、観客の涙を誘った。特にラストシーンでの切なくも美しい演出は圧巻である。